【月1連載】「いいもの作ってよかった」の時代は終わり − 編集一筋28年目の社⻑が考える、これからの編集者のあり方

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田邉なつほ

編集者になりたくて、この春よりロースターに入社。第二新卒のため社会人は3年目。 ロースターでは、大崎社長の編集アシスタントを務めるとともに、EDiT.事業部として本サイト「EDiT.」の企画運営を担当。小説(朝井リョウ、原田マハ、伊坂幸太郎)、梅干しが大好き。

「いいもの作ってよかったね、ってもうそんな時代じゃないんだよ」

とあるオンラインミーティング中、そう話したのは、編集プロダクション株式会社ロースターの大崎安芸路社⻑。
数々のカルチャー誌、ファッション誌の編集を手がけた後、ロー スターを立ち上げ、今でもコンテンツ作りに携わるプレイング編集者です。

「いいもの作ってよかったね、の時代じゃない……っと」

そう呟きながら、パソコンの前でメモしているのがこの記事の主人公、私。
4月にロースターに入社、編集未経験の私が配属されたのは、まさか、社⻑の編集アシスタントでした。

この記事では、未経験にも関わらず社⻑の編集アシスタントを務めている私が、「編集」 にまつわる気づきをお届けしていきます。

編集とは一体なんなのか。編集者とは一体どんな仕事をしているのか。
これから「編集」 に携わるあなたへ、塩ひとつまみ分くらいのヒントをお渡しします。

目次

「いいもの作ってよかったね」の時代は終わった、ってどういうこと?

5月のあるミーティング中、大崎さんはこんなこと言いました。

「いいもの作ってよかったね、ってもうそんな時代じゃないんだよ。僕ら編集者は、その変化を受け止めながら、編集していかなきゃいけなくなってきてる」

この話を聞いた私の第一感想は「一体どういうこと?」でした。

いいもの作って、よかったねって言い合いたいし、そう言い合えるようにいいものを作っているのでは? と思っていた私。

だけど今、この世の中はインターネット、アプリ、テレビ、雑誌、本、SNS……いろんな媒体で、いろんな人が作った「いいもの」であふれてしまっています。

大崎さんがこの話で伝えたかったのは、情報やコンテンツの大海原で勝負する私たち編集者にとって、持っておかなければならない「いいものを作った」その先に向けた心構えだったのです。

コンテンツのその先、受け取った人がどうなるか、を考えること

大崎さん曰く、かつて「編集」や「メディア」、ひいては「情報の発信」というのは、とても限定されたものだったそう。

出版社でないと書籍や雑誌というかたちある姿で情報は届けられない、テレビ局でないと映像で情報は届けられない。そんな時代がありました。

でも、今の時代はどうでしょう。

動画配信サイト、Instagram・TwitterをはじめとするSNS。インターネットを使えば誰もが簡単に情報を発信することができてしまいます。
面白いコンテンツ、かわいいコスメ、ためになるストレッチ。私もみなさんも日々、とても多くの情報に触れています。

そんな現状で、コンテンツを作ること・メディアを作ること、を仕事にしているのが私たち編集者。

誰もが簡単に情報を発信できる今だからこそ、編集者たる私たちは発信したその先のことを考える必要があるのです。

つまり、作った「いいもの」が、受け取った人にどういう気持ちの変化をもたらしたのか、どういう影響を及ぼすのか、まで編集する必要があるということ。

情報が多様化した今の時代だからこそ、「いいものを作りました。めでたしめでたし」のそのあとを考えなければならないのです。

ちょっと待った。社長にはB面もあるんです

「コンテンツが届いた、その先を編集する」という、新しい気づき。私は今、この記事を書いて、目の前にいない、けれど確実にいるあなたのことを想像しています。

読んでいただきありがとうございます。だけども、ちょっと待ってください。

こんなふうに気づきを紹介すると、もしかしたらこの記事を読んでくれたあなたは「大崎さんという人は、なんだかすごい」、「さすが社長だ」となるかもしれません。

もちろん、そう思っていただきたい気持ちもありますが、それは編集者であるA面の大崎さんです。

ここでちょっと一息、ひとりの人であるB面の大崎さんも紹介させてください。

この間、簡素で動きがないオフィスのトイレに鹿の木製オブジェを一緒に設置しました。

左が男子トイレ、右が女子トイレ。影が強そう。

社内で告知もせず設置したので、気づいた社員から「上見たら鹿があって、びくってしちゃった」という報告を受けました。オフィスのトイレに、鹿、います。

さらには、近ごろ民芸品に興味があるそうで、オフィスに小鹿田焼(おんたやき)の大皿や器などを設置しています。その中でも、私が特に好きなのが鳥の箸置きたち。

大崎さんが並べたのだろうか……いちばん左の前後が逆。おっちょこちょいを感じます。

こんなふうに大崎さんが並べたのかな、とその姿を想像すると、思わずふふふっと笑ってしまいます。

いかがでしょうか。編集者として偉大な部分もあれば、人としてチャーミングな部分もある大崎社長。

さて、それでは来月も、大崎さんのそばで一歩一歩、「編集者」という山中での気づき、つまずき、ほっこりする一幕をお届けできればと思います。

撮影・編集・文/田邉なつほ(Roaster) イラスト/蔵元あかり(Roaster)


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