社長から受け取った実際の赤入れ原稿を公開! 編集力を養うために必要なこと

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田邉なつほ

編集者になりたくて、この春よりロースターに入社。第二新卒のため社会人は3年目。 ロースターでは、大崎社長の編集アシスタントを務めるとともに、EDiT.事業部として本サイト「EDiT.」の企画運営を担当。小説(朝井リョウ、原田マハ、伊坂幸太郎)、梅干しが大好き。

編集の仕事のひとつに、赤入れというのがあります。

赤入れとは、簡単にいうと「修正指示」です。原稿に対して、「ここは直してね」「ここの文章を入れ替えてね」「この1文字はとってね」というような修正を赤文字で書き入れることをいいます。

「なあんだ、そんなこと」と思うかもしれませんが、実は、赤入れをすることも、赤入れを受け取ることも意外と簡単ではないのです。

4月に入社してから、はや3ヶ月。これまで、原稿に赤入れしたこともあれば、赤入れされた原稿を受け取る経験もしてきました。

そんな今回は、実録! 私が実際に社長から実際に受け取った赤字原稿を大公開! の回です。

赤入れに悩むあなたも、赤入れを受け取ったあなたも、みんなの編集のヒントをお届けできればと思います。

目次

今月は赤入れが熱い!

ではさっそく! こちら、大崎社長の編集アシスタントを務める私が実際にもらった赤入れ原稿です。

公開前の記事となるためモザイクはご容赦くださいませ!

実際には、もっとたくさんの赤入れ原稿があるのですが、赤字が見やすいものを選抜しました。

文章を入れ替えて、の意味がある矢印や、違う言い換えにしたい、という文字がいっぱい入っています。特集するにはもってこいの赤字原稿です。素晴らしいです。

では、実際にどんな赤字が入っているのか見ていきましょう。

その1文字、ほんとにいりますか? 修正指示「トル」

まず、私がよく大崎社長から受ける指示で多いのが、「トル」です。

「トル」は、そのまま「取る」なので、いらない部分を削除してね、という指示になります。

これはもうトルトル祭りですね……

どうして「トル」が多くなるのかというと、文章って意外と冗長気味になってしまうことが多いからなんです。

例えば、上の文でも

文章って意外と冗長気味になってしまうことが多いからなんです。



文章って冗長気味になることが多いからです。

修正後でも意味は伝わりますよね? 

だとすると、「意外と」「ってしまう」「なん」をトル必要があることになります。

私は、ということ、しまうこと、などを使いたがる癖があり、文章がしつこくなってしまうので、この指示が多いんです……。

ただ、これは逆もしかり。

原稿に赤入れをするときは、「ほんとうに必要な1文字か?」「ほんとうに削ることはできない一文か?」という目線で原稿を見るといい、ということを教えてくれます。

文章は、とにかくスリムに、一文一意であると読みやすくなると言われています。

いや、その一文は消さないで! 修正指示「イキママ」

じゃあ、削ることばかりなのかというと、そんなことはありません。

写真中央、カタカナで「イキママ」と書いてあるのがわかるでしょうか? 

これは、元の文章をそのまま生かしておいてね、という指示になります。

赤字を入れてる人が間違って訂正してしまった場合や、あとから読んだときにこの一文は必要だったと感じた場合、訂正を直す意味で「イキママ」というのが使われます。

語源は不明ですが、“生きたまんま”が略されたのかなあ、なんて想像しています。

文章をスリムに、読みやすくすることと同じくらい、その文章で読者に伝わるかどうか、というのも重要。

スリムにしすぎて、わかる人にだけわかる文章にならないように気をつけることも、同じくらい大切なんです。

赤入れもスキルのひとつ。まずは、赤入れをもらって強くなろう。

とはいえ、いざ赤字を入れるぞ! となっても、これが意外に難しい。どこにどんな指示を入れたらいいの? と迷ってしまう可能性があります。

それならまずは、自分が作った原稿に赤字を入れてもらう、もしくは、赤字を入れた原稿にさらに赤字を入れてもらうなど、赤字を受けとる側になると良いのかなと思います。

どこを修正されているのかが目に見えてわかりますし、どうしてこの赤字を入れたのかな、を自分なりに想像してみてください。

すると、だんだん「あ、こっちのほうが読みやすいし、伝わる」というのが見つかってくると思います。

「必要な1文字なのか?」「読者に伝わるか?」「誰が読んでも同じ温度感になるか?」そういう地道で、小さな赤字の積み重ねが、私を編集者として強くしてくれるのかもしれないな、と気づいた今月でした。

撮影・編集・文/田邉なつほ(Roaster) イラスト/蔵元あかり(Roaster)


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