マーケティングで重要なペルソナとは?顧客分析を通したペルソナの決め方

ビジネスやマーケティングの場面で度々耳にする「ペルソナ」という言葉。当たり前に使っているけれど、それがどんな意味なのかいまいちピンと来ない人もいるかもしれません。

ペルソナはマーケティングにおいてとても重要な役割があります。そこで、ペルソナの意味と具体的な決め方について詳しく解説しましょう。

 

目次

ラテン語やフランス語の「ペルソナ」の意味とは

ペルソナはラテン語で「persona」、フランス語で「personne」などと表記されますが、一番わかりやすいのは英語の「person」でしょう。

主に「人」や「人格」のことを指しますが、実は心理学・ビジネスなど使用される場面によって微妙に意味が異なります。

ペルソナという言葉について多角的に理解するために、ここでは3つの意味をご紹介しましょう。

 

心理学では「表面的な人格」のこと

心理学においてペルソナというと、「表面的な人格」を意味します。

心理学者ユングは人には自分の中の人格と、人に見せるときの表面的な人格を持っており、その外的側面を「ペルソナ」と名付けました。

 

ビジネスでは「架空の人物像」のこと

一方でビジネスやマーケティングでよく聞くペルソナとは、「架空の人物像」または「架空の顧客像」のことを指します。

多くのビジネスにはターゲットとなる顧客層がありますが、それをさらに絞り込み、商品・サービスを購入・利用する人物像をまるで実在しているかのように設定したものがこの「ペルソナ」です。

 

アニメ・ゲームでは「もう1人の自分」のこと

さらに加えて、アニメやゲームで人気の「ペルソナシリーズ」があるのをご存知でしょうか?

このアニメ・ゲームの中で人々は「ペルソナ能力」に目覚めるのですが、そのペルソナとは「もう1人の自分」のことです。これは心理学の意味とよく似ていますね。

 

マーケティングにはペルソナが必要!その理由は…

マーケティングの場面ではよく「ペルソナが〜」「ペルソナは〜」と言われていますが、なぜここまで顧客像が必要とされているのでしょうか?それは、マーケティングとペルソナの深い関係にあります。

 

マーケティングにはペルソナ手法がある

必要としている人に、必要なものを提供する。それがマーケティングの本質です。

では、この「必要としている人」はどうやって探し出せば良いでしょうか?そこで活用されるのがペルソナ手法です。

ペルソナ手法とは、架空の顧客像(ペルソナ)をまとめ、広告などの各マーケティング手段がそのペルソナに適切かどうかを判断すること

例えば、ペルソナは34歳のキャリアウーマンで、帰宅して食事作りが面倒なので、手軽に栄養バランスが整った食事を摂りたい。そんな意識の高いペルソナに対してカップラーメンのCMは刺さりません。

逆にSNSでシェアされたオーガニックフードレストランは目に留まりやすく、そのお店にとってこのペルソナはまさに理想の顧客になり得るのです。

このように前もってペルソナがハッキリしておけば、あらゆるマーケティング手段は○×ゲームのごとく効果が判断しやすくなります。

 

顧客の見える化が重要

このペルソナ手法でマーケティング内容の良し悪しを決めるためには、やはり軸となるペルソナの設定が重要。

しかし「30代、女性、キャリアウーマン」だけでは情報が少なく、広範囲すぎて顧客の顔が思い浮かびにくいです。

そこでペルソナは肩書きや身分だけでなく、悩んでいること、興味のあること、普段使っているSNSに至るまで細かく設定していきます。パーソナルな部分を設定することで、その人の顔や姿が浮かび上がってきそうですよね。

ペルソナ設定により顧客を見える化することで、その後のあらゆるマーケティングにもペルソナを用いて対処できるようになるのです。

 

顧客分析を通したペルソナの決め方

それでは、ペルソナはどのように決めれば良いのでしょうか?

ここでは1からすべての設定をするのではなく、既存顧客の分析を通したうえでのペルソナの決め方を解説します。

 

まずは分析!ペルソナに関する情報収集

「こんな人に売りたい」というイメージがあればペルソナを設定することができますが、実は自分が売りたい相手と、実際に購入してくれる相手がズレていることはよくあります。

自分の商品やサービスを確実に利用してくれそうなペルソナを設定するためには、既存顧客の分析から始めるのがおすすめです。顧客分析を行い、ペルソナに関する情報収集をしていきましょう。

ここでは、顧客分析の方法を3つご紹介します。

アクセス解析

ホームページやWebメディアにGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを入れておけば、実際にアクセスしたユーザーの性別・年齢、居住地やアクセスした時間、アクセスの多かったコンテンツなどの情報が手に入ります。

そこからユーザー属性と合わせてニーズも見えてくるため、ぜひアクセス解析ツールは導入しておきましょう。

アンケート

最近はWeb上でアンケートできるツールが増えてきて、代わりにアンケートを行ってくれる調査サービスも充実しています。アンケート項目には知りたい情報を入れ、できるだけ多くのユーザーに回答してもらいましょう。

アンケートの回答率を上げるにはちょっとした「お礼」が有効です。割引券や日用品のプレゼント、もしくは豪華商品の応募権などがあると良いですね。

インタビュー

もし個別でインタビューできるのであればぜひ実施しましょう。アンケートよりも深く、リアルな情報を集めることができます。

実際に消費者の顔を見ながら会話をしてみることで、改めて自分の商品・サービスを必要とする顧客像を見直すことにも繋がります。

 

ペルソナ情報を分類してまとめる

集めた情報を見ると、顧客の特徴や考え方、ライフスタイルなどがバラバラになっていることがわかるでしょう。そこで、その情報をそれぞれ分類してみましょう。

分類カテゴリーの例はこちら。

  • 雇用形態(正社員・パートなど)や働いている時間の長さなど仕事について
  • 毎日開くSNSや利用するアプリ、デバイスなどインターネット周り
  • 普段の考え方や商品を選ぶときの基準など大切にしていること

関連性の高い情報をグルーピングしてみてください。

 

あらすじを入れてストーリー形式に仕上げる

ペルソナ情報をまとめているうちにペルソナの輪郭が徐々に見えてきます。それが実際の利用者層ということです。

最後は、そのペルソナ情報に肉付けをしていく作業です。足りていない情報や細かい情報(もちろん関連性の強いもの)を足していき、顔が見えるくらい具体的なユーザーとして仕上げていきましょう

ここでのポイントは、あらすじを入れてストーリー形式に仕上げることです。

先ほどの例で言うと「キャリアウーマンとして忙しい日々を送っているけど、年齢も年齢だしお肌や体の調子が落ちてきた。きっと食生活の問題だと思い、栄養バランスの整った食事を手軽に食べられる方法を探して…」といった感じでしょうか。

ここまで詳しく物語風に設定することで、マーケティングにかなり活用しやすくなるでしょう。

 

マーケティングの本質を理解し、ペルソナを活かそう

マーケティングを成功させるためには「必要な人に必要なものを提供する」という本質を理解しておく必要があります。そこに欠かせないのがペルソナなのです。

よりリアルに近く、自分の商品・サービスと関わりの強いペルソナを決めて、ぜひビジネスに活かしてみてください!

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