Googleがとくに重視していると言われ、最近のSEOで避けて通れないのが“E-A-T”という概念です。
今回は、高品質なコンテンツに求められるE-A-Tとはどのようなものか、その内容や考え方についてわかりやすく紹介。さらに、E-A-Tを高めるための方策についても説明します。
Googleがもっとも重視するE-A-Tとはどんな概念?
Googleはどのように検索順位を決定しているのか、基本的にその詳細を明らかにすることはありません。
しかしながら、200以上あると言われるランキング要素のうち、もっとも重要なものは「コンテンツ」と「リンク」の2つであると公式に発言(※)しています。
E-A-Tは、このコンテンツの評価に大きく影響してくる概念です。
※参考:Googleサーチクオリティ・シニアストラテジスト、アンドレ・リパッセ氏の発言
Google検索品質評価ガイドラインで示すコンテンツ品質の指針
Googleは「高品質なコンテンツ」であるほど高く評価し、どのようなコンテンツが高品質なのかについては「Google検索品質評価ガイドライン」の中で具体的な指針を提示しています。
その指針の中でもとくに重視しているのが「E-A-T」という考え方。
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
という3つの要素の頭文字をつなげた、Googleの造語にして概念なのです。
Expertise:専門性とは
Webページやサイトには、Expertise(専門性)があることが品質評価の基準のひとつになります。
ここで言う専門性とは、必ずしも著名な専門家による発言や記事だけを指しているわけではありません。
ファッションについて、ユーモアについて、あるいはゴシップネタについてであってさえ、専門性は発揮されるとGoogleは指摘しています。
つまり、特定のトピックに関して精通し、それを専門的に発信し続けるエキスパート(専門家)であることが求められていると言えるでしょう。
Authoritativeness:権威性とは
Authoritativeness (権威性)とは、簡単に言えば「周囲から認められているかどうか」になります。
たとえば、「iPhoneの情報ならこのブロガーさんのブログが一番!」というような有名サイトは「権威性がある」と言えます。
また、権威性の高い他の専門サイトからリンクをされたり、推薦、紹介されているような場合も、そのつながり自体が権威性につながります。
Trustworthiness:信頼性とは
Trustworthiness (信頼性)は、その名の通り「Webページやサイトが信頼できるかどうか」を指しています。
コンテンツの内容に誤りはないか、事実と異なる情報を発信していないか、そして情報の発信者自身が信頼できる人物かどうかなどが、この信頼性に相当します。
SEOにはより「高品質なコンテンツ」が求められるように
GoogleがE-A-Tを重視する背景には、何よりも同社が掲げる「ユーザーファースト」の姿勢があります。
より多くのユーザーが検索結果および検索体験に満足することを目指し、それを実現するための指針としてE-A-Tが重要視されるようになってきたのです。
ユーザーが満足し、信頼できるコンテンツがGoogleにも評価される
では、SEOの実施にあたっては、E-A-Tはどのように影響してくるのでしょうか。
検索エンジンへの最適化とは、タグの記述をどうするといったテクニカルなものだけではありません。
Googleが高く評価するのが「ユーザーが満足し、信頼できるコンテンツ」である以上、SEOもまたユーザーが内容に満足し、かつ信頼できるコンテンツ作りを目指す必要があります。
逆に今後は、E-A-Tを無視したり反するようなSEO対策では、低品質なコンテンツとして評価も低くなっていくでしょう。
YMYLにおいてはとくにE-A-Tが重視される
また、E-A-Tは「YMYL」と呼ばれるジャンルにおいて、とくに重視されます。
YMYLとはYour Money or Your Lifeの略で、ユーザーのお金や人生に関連する重大なジャンルを指しています。
金融系や医療系、健康系のほか、法律やニュースなどもYMYLに相当します。
こうしたジャンルでは、ちょっとした誤情報や偽情報がユーザーの人生を左右しかねないため、とくにE-A-Tの高さが求められるのです。
E-A-Tを高めるための基本的なSEO施策の方針
わかりやすく噛み砕いたコンテンツにする
E-A-Tでは専門性の高いコンテンツが求められますが、かと言って専門書のような難解かつ専門的な情報が望まれているわけではありません。
大切なのは、大多数の一般ユーザーが理解できるようなコンテンツであること。
そのためには、専門的な内容をわかりやすく噛み砕き、誰でも理解できように伝えることを心がけましょう。
対象のトピックを深く掘り下げる
あるトピックについて「表面的なさわり」だけしか掲載していないようなサイトは、専門性があるとは認められにくいでしょう。
専門性を高め、そのトピックに関する権威となるためには、対象となるトピックを深く掘り下げることが大切です。
高品質なコンテンツを地道にコツコツと提供し続けることが、E-A-Tの向上には欠かせません。
専門家やトピックに詳しい人を起用する
専門性や信頼性を高めるためには、やはり専門家、とくに社会的肩書きのある専門家の言葉であることが説得力を増します。
自分自身が専門家であれば望ましいのですが、場合によっては外部の専門家に情報提供や執筆を依頼するのも効果的です。
その際、情報の発信・提供者が「どこの」「誰か」を明示すると、よりE-A-Tが高まりやすくなるでしょう。
科学的な論拠・エビデンスを示す
E-A-Tの向上において欠かせないのが、提供する情報に科学的な論拠、エビデンスがあるかどうかという点です。
根拠のまったくない発言はただの妄言になったり、あるいはそう扱われても仕方ありません。
一方で、しっかりとした統計データや調査・研究結果などがあれば、それは十分に信頼性の高いコンテンツになり得るのです。
権威性の高い外部サイトからリンクを獲得する
権威性の高い外部サイト、つまりその道の第一人者と認められるようなサイトからリンクをもらえれば、自身のサイトの権威性向上につながります。
ただし、これは頼んでリンクしてもらえるようなものではないし、そのようなリンクでは意味もありません。
大切なのは、権威性の高いサイトに「紹介に値する」「引用したい」と思ってもらえるようなコンテンツを発信し続けること。
その結果としてリンクを獲得できれば、E-A-Tの向上にも大きな効果があるでしょう
E-A-T向上の特効薬はないので地道に対策を進めよう
じつのところE-A-T向上のためには、「ここをこうすれば、すぐにアップする」といった特効薬的なSEO手法はありません。
専門性も権威性も信頼性も、育てるためには長い時間と地道な努力が欠かせないからです。これはWebよりも、むしろ実社会での評価を考えればわかりやすいでしょう。
WebコンテンツのE-A-Tもまた、実社会と同じく地道にコツコツと対策を進めることが大切です。