SEOで行うべき施策は多岐にわたり、初心者にとってはどこから手を付けるべきか、どこまでやるべきかの判断が難しいという問題があります。
今回は、Googleの姿勢や考え方を通じて、SEO対策で行うべき基本的な方針を説明します。その上で、それぞれの施策ジャンルにおいて、初心者でも扱いやすく、かつ無料で使える(または無料で使い始められる)SEO分析ツールをご紹介します。
Googleに評価されるための基本的なSEO方針
日本の検索エンジンシェアは、Googleが約75%、Yahoo!が約19%という調査結果3があります。また、Yahoo!の検索エンジンにはGoogleのアルゴリズムを採用していることから、SEO対策はGoogle対策とほぼ同義であると言っても良いでしょう。
そして、Googleでは基本的に「ユーザーの検索意図に応え、ユーザーが検索行動の結果に満足するサイトが高く評価される」傾向にあるため、この方針に沿ってSEO対策を進めることが重要です。
ユーザーの検索意図に応えるためには
ユーザーは「検索キーワード」を使って検索を行いますが、そこにはさまざまな検索意図(インテント)が存在します。
たとえば「ハワイ旅行」という検索キーワードでの検索の場合、ハワイの観光スポットに関する情報を知りたいこともあれば、ホテルや航空機の予約をしたいこともあるでしょう。あるいは、現地のお土産や特産品、郷土史について知りたいという意図もあるかもしれません。
検索結果で上位表示を狙うには、こうしたユーザーの検索意図に応え、適切な情報を提供できるサイトであることが求められます。
そのためには、
- キーワードとの関連性が高く、ユーザーが知りたい情報が提供されている
- 検索キーワードに関連した情報が広く網羅されている
- 専門性が高く、信頼性も高い情報が掲載されている
などの要素が求められます。
とくにキーワードとの関連性や網羅性は非常に重要であり、SEOにおいても分析に力を入れるべき箇所と言えるでしょう。
Googleにコンテンツ内容を適切に伝えるためには
また、Googleがクローリング、インデキシング、ランキングという3つのプロセスを経て順位を決めるにあたっては、「サイトやコンテンツの内容がきちんとGoogleに伝わっているか」が重要です。
いくらユーザーの検索意図に応えるようなコンテンツを用意しても、それがGoogleに伝わらなければ正確な評価はしてもらえません。
Googleにコンテンツ内容を適切に伝えるためには、HTML要素やリンク、内部構造などを最適化する「内部対策SEO」が不可欠になります。
分析やチェックにはツールを活用しよう
キーワードの選び方やそれに応じたコンテンツ、さらには内部対策など、SEOで対象とすべき要素は大量かつ広範にわたります。
これらの分析やチェックを手動で行うのは手間がかかる上、知識やスキルも要求されるため、初心者には非常に敷居が高いと言えます。
そこで、SEO対策における分析やチェックには、専用のツールを活用することをおすすめします。
ここからは、SEOの目的別に無料で使えるツールをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
キーワードの調査・分析ができるツール
ユーザーがどのような意図で検索しているかを把握するためには、キーワードの需要を示す「検索ボリューム」や、Googleが関連情報として提示する「サジェスト」を調査・分析する必要があります。
また、単に検索意図を押さえるだけでなく、強い競争相手が少なく上位表示されやすいキーワードを選ぶことも重要です。
Google Search Console
SEOの基本ツールとも言える「Google Search Console(旧:ウェブマスターツール)」では、調べたいキーワードでの掲載順位や検索結果画面への表示回数などがわかります。
リンク:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
キーワードプランナー
Google AdWordsの「キーワードプランナー」では、キーワードの検索ボリューム(検索回数)や関連キーワードが調査できます。ユーザーの検索意図を把握してキーワードを決めるのに必須のツールです。
リンク:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
goodkeyword
「goodkeyword」では、GoogleやYahoo!のサジェストキーワードを一括で調査できます。関連キーワードの網羅性を高めるためには必須のツールです。
検索順位や順位変動の確認・分析ができるツール
GRC
「GRC」では、指定キーワードでの検索における自サイトの順位および変動履歴が確認できます。
検索結果の順位計測のみに特化したシンプルな分析ですが、競争相手の強さや上位表示の可能性を把握するためにも重要な情報です。
競合サイトのアクセス状況を分析できるツール
SimilarWeb
「SimilarWeb」では、競合サイトのアクセス状況などを分析することができます。独自クローラーで収集したデータを元に解析するので、自サイト以外の情報も取得できるのが特徴です。
リンク:https://www.similar-web.jp
eMark+
「eMark+」では、競合サイトの広告や集客構造、訪問ユーザーの属性など、さまざまな要素を自社サイトと比較して分析できます。
リンク:https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/
HTMタグやリンク、構造などの内部対策を確認・分析できるツール
Googleにサイトの構造やコンテンツ内容を適切に伝えるためには、SEOの内部対策が欠かせません。
HTMLタグや内部リンクの最適化ができるツールを活用しましょう。
Another HTML-lint gateway
「Another HTML-lint gateway」では、HTMLの文法チェックができるため、内部対策がきちんとできているかの確認や改善に役立ちます。
リンク:http://openlab.ring.gr.jp/k16/htmllint/htmllint.html
Website Explorer
「Website Explorer」では、サイトの階層構造やファイル構成、リンクエラーなどを分析できます。
リンク切れチェックの他、サイトマップの作成にも役立ちます。
リンク:http://www.umechando.com/webex/
コピー・重複コンテンツの確認ができるツール
サイト内の重複コンテンツのチェックの他、他サイトからコピー・盗用をしていないか、逆にされていないかのチェックができます。
影武者
記事作成代行サービス「Shinobiライティング」で使用しているコピペチェックシステムを用いたツール。10回まで無料で利用できます。
リンク:https://kagemusya.biz-samurai.com
CopyContentDetector
チェックしたいテキストを貼り付けるだけで簡単にコピペチェックできるツールです。無料版では4000字の字数制限はあるものの、回数には制限なく利用できます。
リンク:https://ccd.cloud/
外部からの被リンクを確認・分析できるツール
Link Explorer
「Link Explorer」では、外部からの被リンクを総合的に確認・分析できます。権威性の高いサイトからの被リンクを通じて自サイトのコンテンツの強みを把握したり、スパム性の高い被リンクを検出することなどができます。
リンク:https://moz.com/link-explorer
まとめ
今回ご紹介したSEOのツールは有名なツールばかりで、いずれもSEOにおける分析やチェックを強力に手助けしてくれます。
ただし、ツールはあくまでツールに過ぎず、何を目的にするのか、どんなサイトにしたいのかといった主体は、Web担当者自身が考えて判断しなければなりません。
その点を踏まえた上で、ぜひツールを有効に活用していきましょう。