ライティング初心者がつまづくリード文とは?書き方のコツを押さえよう

Webで記事を読むとき、多くの人はいきなり本題に進む前に、タイトルの下に書かれたリード文を読むでしょう。

その文章によって「この記事を読み進めるべきかどうか(興味があるかどうか)」を判断します。

しかし、ライティング初心者はリード文で筆が止まってしまい、進めなくなる人も多いです。

そこで今回は、リード文の目的や書き方のコツを徹底解説します。

すぐに使える例文やテンプレートもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

国語で習うリード文とは?

リード文とは、まさにあなたが先ほど読んだばかりの文章のこと。本記事でもタイトルの下にリード文を入れており、その記事で取り上げる内容を簡単に説明しています。

改めて説明すると、リード文とはその記事の概要のことです。物語でいえば「あらすじ」になります。

あらすじを見てその物語に興味あるかどうかを判断するのと同様に、リード文で読者は「この記事には自分が探している情報が書かれているか」を判断します。

 

英語の「リード」日本語で「導入」

英語の「リード(lead)」とは「先導すること」を意味します。そこから派生して記事の「前書き」という意味があり、リード文は日本語で「導入文」になります。

リード文には次のような効果があります。

  • 「〇〇について解説します」と読者にその記事の軸や方向性、ゴールを示す
  • 「××で悩んでいませんか?」と読者の興味関心を引く
  • 「専門家の△△です」と読者からの信頼を得る

いきなり本文に入る前にリード文を入れて読者に必要な情報や前提を与え、それを踏まえて本文を読んでもらうことで、本文の理解度を上げる役割があるのです。

 

現代文の問題に出てくるリード文との違い

学生が解く現代文の問題にもリード文が出てきます。

現代文の問題では小説や論文などの中身を一部抜粋して出題されていますが、解答者が正しく解答するためには抜粋された部分以外の情報も必要になることがあります。

現代文のリード文は、その情報がないと本文の読解や解答ができなくなってしまうと出題者が判断してつけているもの。

Web記事のリード文とはまた目的が違うことを覚えておきましょう。

 

リード文と見出しの違い

見出しとはその記事の標題のことです。内容の要点を短い言葉にまとめ、本文より大きな字で章や節の上に置かれます。Web記事や書籍では「目次」としても使われます。

リード文や見出し、タイトルについて、本記事で例えると次の通り。

見出しは小さなタイトルのようなもので、大きな文字で読者の目を引き「次は何について解説します」と簡単に説明する役割があります。

 

様々な媒体のリード文

リード文をスラスラ書けるようになるには、まずは様々な媒体のリード文のコツやポイント触れてみましょう。

 

広告記事

商品の販売を目的とする広告記事のリード文は「続きを気にならせる」ことが何よりも重要です。そもそも読まない人からは買ってもらえません。

(例1)
リード文:〇〇で悩んでいませんか?その悩みを解消する方法をご紹介します。

こちらは読者の悩みを引き出し、その解決策を提示する方法です。そうすることで、実際に〇〇と言う悩みに頭を抱えていた読者は続きを読みたくなるでしょう。

(例2)
リード文:今注目のスタートアップ企業に取材しました。知られざる〇〇の真実とは?

認知を広める目的の広告記事では、いかに相手の興味を引くかが大切。一度疑問を投げかけておいて、リード文で答えを明示せず、答えが気になる読者は本文を読むように誘導する手法があります。

続きを読ませたいのなら、リード文に本文を読ませるための仕掛けを入れておきましょう。

 

新聞記事

新聞(紙の新聞・Webのニュース記事)のリード文は長くても3文までのものが多く、ニュースの内容をかなり完結にまとめています。

新聞記事はタイトルでニュースの内容が端的に書かれているのが特徴。読者はタイトルを見て記事を読むため、リード文で長々と概要を説明されても「早く本題に入ってくれ」と思うのです。

在職老齢年金制度の65歳以上の減額基準について、政府は現行の月収「47万円超」を引き上げることで高齢者の就労促進につなげる狙いがあった。しかし、与野党双方から沸き起こった「高所得者優遇」批判で、政府はじわりと追い詰められていった。制度の改正は事実上頓挫した格好で、全世代型社会保障制度改革に暗雲が垂れ込めている。

引用:在職老齢年金、現状維持へ「高所得者優遇」批判抗し切れず|産経新聞(2020年11月26日)

リード文でニュース全体の概要がまとめられ、本文で詳しく解説するという形です。ニュースの内容を把握するだけなら、リード文だけを読んでも十分なほど要約されています。

 

雑誌

雑誌のリード文は比較的短いという特徴があります。特にファッション誌など趣味系の雑誌は写真やイラストが豊富に使われており、リード文もタイトル下の数行だけ、ということが多いです。

タイトル:一夜で満喫!煌びやかなナイトタウン
リード文:夜になるとネオンが輝き、一気に表情を変えるバンコク。ルーフトップバーでのオシャレな1杯を皮切りに、ディナーにショッピングと心ゆくまで遊び尽くして! ”

引用:『GLITTER』2019年2月号 トランスメディア株式会社出版

このリード文だけでは抽象的すぎて記事の全貌が見えてきませんが、それでも雑誌には本文(本題)を読ませる力があります。雑誌のリード文は具体的な説明よりも「読者にイメージさせること」が重要です。

 

プレゼン資料のパワーポイント

プレゼン資料に使われるパワーポイントは、文章というよりも、図に近い存在だと言えるでしょう。そのため、リード文は「その図や表についての説明」程度に留めるか、省いてしまっても問題ありません。

(例)
タイトル:Z世代の1日のSNS利用時間
リード文:11月1日〜11月7日まで100名に調査を行い、平均時間をグラフ化
その下にグラフ化した図を掲載

プレゼン資料にリード文を入れなくても、最初に話し始める内容や話題が切り替わったタイミングで「続いて〇〇について調査しました。その結果がこちらです」と自分の言葉で導入していけば良いでしょう。

 

チラシ

チラシは写真と商品の値段がメインですが、そこでリード文ではなくキャッチコピーで読み手を引きつけると印象的なものに仕上がります。

イオン練馬店 11月22日〜11月26日のチラシ

こちらのチラシではリード文が入っておらず、キャッチコピーと商品説明のみ。

短い文章はリード文よりもキャッチコピーにしてしまった方が収まりも良いため、チラシではリード文はほとんど使われません。

 

リード文の書き方

必死に頭を捻ってリード文を書いても、読み飛ばされることも多い文章です。

特に最近のWeb記事では見出しを目次として表示させているものが多く、全文読まずとも目的の項目だけを流し読みする人が増えてきました。

そこで、リード文は最低限のポイントを押さえ、本文を充実させることがライティング向上の第一歩。リード文をスラスラと書けるようになる書き方のコツを解説します。

 

リード文に入れる要素

リード文に入れる情報は広告記事か、新聞記事か、はたまた解説記事かによって変わってきます。ここでは本記事のようなWeb記事のリード文に入れる要素をまとめました。

  • 記事の概要(何についての記事なのか)
  • 記事のゴール(何を解決するのか、何を目的にしているのか、など)
  • 記事のトンマナ(柔らかい記事か、堅い記事かなどの雰囲気)

これらの要素を入れたうえで冗長な表現は避け、一文をコンパクトにするのがポイントです。

 

最適な文字数

リード文の最適な文字数もその記事によって異なりますが、Web記事ではリード文から本文への移行しやすさから150文字前後が妥当だと言われています。本記事のリード文は155文字、例に取り上げたニュース記事も156文字です。

明確なルールは無いため中には200文字を超えるリード文もありますが、あまり長くなりすぎないよう、リード文に入れる情報は厳選しましょう。

 

SEOに効果的なリード文とは

SEOを意識しているWeb記事では、タイトルや見出しに加え、リード文にもSEOキーワードを散りばめるのがポイントです。Googleのクローラーもリード文からその記事の大まかな内容を判断しています。

しかしSEOを意識しすぎて不自然な文章になったり、冗長な表現になってしまわないように注意しましょう。無理にキーワードを入れるよりも、カットしてスッキリさせた方が読みやすいリード文になります。

 

リード文のテンプレート

リード文がまったく書けない!という人は、まずはテンプレートを使って感覚を掴みましょう。

『最近、「(悩み)」「(悩み)」と悩んではいませんか?そんな悩みがあると、〇〇(共感する内容)ですよね。
この記事では、〇〇(記事の内容)について〇〇(専門家や権威性)の観点から解説します!〇〇で悩んでいる人は(読者)チェックしてみてください!』

このテンプレートでは、問題提起→共感→記事の概要という流れになっており、加えて権威性の主張や読者の明示もしています

自分なりにテンプレートをアレンジしたり、他の記事のリード文を真似したりして、リード文を書く練習をしてみましょう。

 

必要な情報を書ければリード文に深く悩む必要はなし!

ライティング初心者ほどリード文につまづいてしまい、なかなか本文を書き始められません。しかし、リード文の目的を押さえ、必要な情報を書ければ、そこまでリード文に深く悩む必要はないのです。

リード文で最も重要なのは、記事の概要を伝え、読者の興味を引くこと。そのことを念頭に置いて、要点を押さえたリード文を書いていきましょう!

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