「ネイティブアド」つまり「ネイティブ広告」という言葉は2014年頃から使われるようになりました。
数あるWeb広告の中でも、ネイティブアドは現代のマーケティングでとても重要な広告です。
しかしネイティブアドが何のことか、正確にはわからない人もいるのではないでしょうか?
この記事では、ネイティブアドはどんなものか、どのように活用されているのかを解説します。
ネイティブアドとはどういう意味?
「ネイティブアド」とは「ネイティブアドバタイズメント(native advertisement)」の略で、Web広告の1つです。
Webを利用しているとサイトの横や下にバナー広告を見かけませんか?
何度も表示されて、ときには操作の邪魔になるこのバナー広告にユーザーは悩まされてきました。
そこで登場したのがネイティブアドです。
ネイティブアドは、私たちが普段見ているWebサイトやSNSの中に自然に溶け込み融合している広告の総称です。
例えばこちらはYahoo!Japanのトップページにあるニュース欄ですが、ところどころ「広告」の表記を見かけます。
またTwitterにも「プロモーション」と表記されたツイートがタイムラインに表示されます。
こういった他のコンテンツと融合した形で表示されるものが「ネイティブアド」または「ネイティブ広告」なのです。
純広告との違い
純広告は、特定のメディアの広告枠を買い取り、そこに掲載する広告全般のことを指します
例えば、Yahoo!Japanのトップページに表示される広告。
または雑誌の一面を使った広告から、屋外に設置するディスプレイ広告まで、純広告が指す範囲は広いです。
純広告は目立つ形で表示されますが、ネイティブアドは他のコンテンツの中に溶け込んでいるため目立ちません。
ときどきクリックしてから「え?これ広告だったの?」と気付くことも多いです。
ステマとの違い
ステマ(ステルスマーケティング)とは、実際に報酬を支払って宣伝を依頼していたにもかかわらず「宣伝」や「広告」の表記をせず、消費者に宣伝だと気付かないようにする行為です。
「ヤラセ行為」「サクラ行為」とも呼ばれ、現在は景品表示法で禁止されています。
コンテンツの中に自然と溶け込んでいるネイティブアドをステマと思う人もいるかもしれませんが、先ほどの画像のように必ず「広告」や「プロモーション」の文字が入っているため、ネイティブアドはステマにはなりません。
ネイティブアドの効果
ネイティブアドは他のコンテンツと融合することで、ユーザーほとんどストレスを与えません。
見た目のデザインも損ねないため、媒体側もネイティブアドを掲載するハードルが低いでしょう。
自然に溶け込むことで、ユーザーはいつもの記事を読む感覚・SNSを利用する感覚でクリックします。
自然な形で広告ページまで移動するため、費用対効果にも期待できます。
「騙された」「うざい」の声も
ネイティブアドはメリットばかりではありません。
明らかな広告であればユーザーはクリックを避ければいいですが、ネイティブアドの場合はそれが広告だと気付かずクリックしてしまうユーザーが増えました。
タイトルに惹かれてクリックしたのに、開いてみれば広告だった…。
情報を集めているユーザーにとっては期待を裏切られたような気分になり「騙された」「うざい」という声も少なからずあります。
クリックしてもらうためにタイトルで釣るようなネイティブアドも多いのが現状です。
しかし、広告の中身がしっかりしていなければ商品購入まで至らないため、ネイティブアドの品質も高めたいですね。
ネイティブアドの6つの種類
ネイティブアドには6つの種類があります。ネイティブアドを出稿したいと考えている人は、どの種類を利用するかを考えてみましょう。
インフィード型
Webサイトの記事一覧やSNSのタイムラインの中に表示されるタイプの広告です。
一見して広告と気付かないほど自然なものが多いです。
ペイドサーチ型(検索連動)
検索結果画面の上部に表示される広告、つまりリスティング広告もネイティブアドのひとつです。
こちらも普通の検索結果と同じようなフォーマットで表示されているため、ネイティブアドに分類されるんですね。
レコメンドウィジェット型
Webメディアのコンテンツの下にある「おすすめの記事」「関連記事」の中に、他の記事と混じって表示されるタイプの広告です。
すでに記事を読んだユーザーの目に留まるため、クリックしたユーザーは製品やサービスに対するモチベーションが高い状態にあり、コンバージョンまで結びつきやすいです。
プロモートリスティング型
こちらもリスティング広告の一種ですが、Amazonや楽天などのECサイト、ぐるなびなどの情報メディア内で表示されるという違いがあります。
先ほどのペイドサーチ型同様、ユーザーが検索したキーワードの検索結果に応じて表示される広告が変わります。
ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタンダード)
ディスプレイ広告枠にコンテンツ広告を出稿するタイプです。
しかしIABの基準を満たし、フォーマットを満たした広告でなければ出稿できません。
一見するとバナー広告のように見えますが、コンテンツターゲティング配信なので、そのWebサイトで取り扱っているコンテンツやテーマとの親和性が高いです。
カスタム型(その他)
上記のどのタイプにも分類されないものがカスタム型と呼ばれます。
例えばLINEのスポンサードスタンプ、Spotifyの「Branded Playlist」などが該当します。
商品・サービスのプロモーションだけでなく、ブランディングにも役立つため、おもしろい広告のアイデアを考えてみるといいでしょう。
ネイティブアドプラットフォーム(媒体)の3つの種類
ネイティブアドを掲載するプラットフォームも3種類に分類されます。
ネットワーク型
アドネットワークのGoogleやYahoo!のように、ネットワークに加盟している媒体に広告を掲載できます。
GoogleとYahoo!の他に、企業のオウンドメディアやWebサイトなどが該当します。
他のコンテンツがたくさん並んでいるため、
- インフィード型
- レコメンドウィジェット型
などが向いています。
運用型
自身でネイティブ広告を運用する媒体のことです。
主にTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSが運用型になります。
自分で運用しつつ、他のコンテンツに溶け込ませるため
- インフィード型
- ペイドサーチ型
- プロモートリスティング型
などと相性が良いです。
純広告型
広告枠を買い取ることでそこにネイティブアドを掲載できる媒体が純広告型です。
いくつかのWebサイトやオウンドメディアの中には、広告枠を設けて販売しているサイトもあるため、その枠を購入して掲載します。
媒体によって利用できる広告枠は異なりますが、
- インフィード型
- レコメンドウィジェット型
- ネイティブ要素を持つインアド型
などが多いです。
運用前にチェック!ネイティブアドのガイドライン
ネイティブアドを運用する場合には、必ずガイドラインを確認しましょう。
ガイドラインはネイティブアドを運用するためのプラットフォームごとに確認すればいいのですが、JIAAもガイドラインを策定しています。
参考:ネイティブ広告に関するガイドラインの意義|JIAA資料
こちらのガイドラインもチェックしておきましょう。
自社に合った種類と媒体でネイティブアドを運用しよう
ネイティブアドには6つの種類がありましたが、普段からWebを利用している人であれば誰でも見かけたことがあるでしょう。
あなたはどんな広告をどのようにして運用したいのでしょうか?
それに合うネイティブアドの種類や掲載するプラットフォームを選んで運用してみてください!