【Webライティング入門】書く仕事の始め方と基本の書き方・テクニック

文章を書く仕事は、雑誌や新聞などの記者やコラムニスト、書籍を媒体とするエッセイスト、小説家などたくさんありますが、最近は紙媒体よりもWeb媒体の文章が増えています。

Web媒体の文章は誰でもすぐに書けて公開できるため、“書くスキル”としてWebライティングが注目されるようになりました。

今回はWebライティングの始め方やスキルを向上させるポイントなどを解説します。

目次

Webライティングとは?

「Webライティング」とは、Web上に掲載するための文章を書くこと、またはそのスキルや技術のことです。

Webライティングで書かれた文章はブログやWebサイト、SNSなど、Web上にあるページであればどこでも掲載されます。

掲載枠や文字数が決められている紙媒体とは違い、Web媒体には文章量に制限がなく、のびのびと自由に書けるという特徴があります。

Webライティングの種類

ひとことで「Webライティング」といっても、Web上にはあらゆる文章があり、その文章の種類だけWebライティングも細分化されます。

種類は大きく分けると、モノを売るための「セールスライティング」とモノを売ることを目的としない「ノンセールスライティング」の2つ。

さらに、それぞれ次のように細かく種類分けされます。

セールスライティングの種類

  • コピーライティング
  • LPライティング
  • 告知・商品ページライティング

ノンセールスライティングの種類

  • ブログライティング
  • SNSライティング
  • メルマガライティング
  • SEOライティング

Webライティングでは目的に合わせてライティングの種類を使い分けたり、場合によってはセールスとノンセールスを組み合わせたりなどの工夫が必要になることも多いです。

必要なのは資格ではなくスキルと経験

Webライティングをするには、特別な資格は必要ありません。

逆に求められるのは高いスキルと豊富な経験です。

資格がない分誰でも始めやすいですが、スキルも経験もない人が始めることで、Web上には質の悪い文章や記事が溢れていることを危惧する人もいます。

そのため、書き手は常に向上心を持って、良い文章を生み出せるように日々努力と経験を積み上げていくことが課題です。

SEOとコンテンツライティング

検索エンジンのアルゴリズムに合わせ、検索結果の上位表示を狙うためのライティングがSEOライティングです。

他のWebライティングとSEOライティングは「何に向けられたライティングか」という視点でしばしば対比されることが多いです。

他のWebライティングはその文章を読む生身の人間(=読者)に向けられたものであるのに対し、SEOライティングは検索エンジンに向けられたもの。

すると、Webライティングをすると上位表示されにくく、SEOライティングをすると上位表示されても読者にはあまり好まれないという課題が生まれてしまいます。

今日では、「検索者の意図やキーワードを汲みつつ、検索に対する答えを提供しているページ」が上位表示をされるようになっており、テクニカルな施策も多少は必要ですが、それよりも「読者に良質なコンテンツを届ける」という点を重視して文章を書くのが望ましいでしょう。

Webライティングの始め方

Webライティングは「文章を書くこと」で完結させず、Web上で公開してはじめて意味のあるライティングになります。

それでは、具体的にWebライティングの始め方をご紹介しましょう。

ブログを始める

誰でもすぐに挑戦できるのがブログです。

ブログは日記のようで、日記ではありません。

日記は自分のために書く非公開の文章ですが、ブログはどうしても公開されることを前提とするため“見られること”を意識した文章になります。

アメブロやはてなブログなど無料のブログサービスを利用すれば、今から1時間後にでも自分の書いた文章を公開可能です。

自分のオリジナリティを強く出したい、しっかりとしたSEO対策をしたい場合には、サーバー代・ドメイン代はかかりますがWordPressなどのCMSを利用するのもいいでしょう。

Webライターになって仕事を受注する

Webライティングを生業とする「Webライター」の需要が高まっています。

近年はWebメディアを立ち上げる企業が増え、記事を外注するためにWebライティングの求人が増えてきたのです。

Webライターになれば月に数千円から数万円の収入を得られるため、副業として始める会社員も増えています。

また、しっかりWebライティングの時間が取れて毎日何文字もの文章を書くことが苦ではないのなら、フリーランスのWebライターとして生計を立てることも可能です。

ライティング業務のある仕事やバイトに就く

企業の正社員やバイトとしてWebライティングを行い、お給料をもらうこともできます。

雑誌には専属のライターがいますが、そのWeb版といったところでしょうか。

「Webライター」「Webメディア編集者」などで求人サイトをチェックしてみると、募集している企業の情報をチェックできます。

企業でのライティング業務はただ文章を書くだけでなく、企画を立てたり、プレゼンやディスカッションをしたり、自分が書いた文章やメディア全体の反響を追うことができ、社会人としてのスキルを総合的に学べる場でもあります。

フリーランスと違い時間や勤務する場所の拘束はありますが、収入が安定します。

初心者は押さえておきたいWebライティングの基本

Webライティングには、学生の頃に原稿用紙に書いたようなアナログライティングとは違うルールがたくさんあります。

「本をたくさん読んでいて文章のことならわかる」という人でも注意しなければいけません。

これからWebライティングを始める初心者は、次に紹介する基本を押さえておくようにしましょう。

必ず構成から取りかかる

Webライティング初心者がやりがちなのが、いきなり文章を書き始めることです。

いきなり書き始めると、途中で「あれ?何が言いたいんだっけ?」と自分でわからない状態に陥ったり、最初に決めたテーマとはまったく違う内容の文章が出来上がってしまったりします。

そうした事態を避けるには、必ず構成から取りかかること。

伝えたいことを最初にしっかりまとめ、どういう流れで、どうやって伝えるのかを決めておけば、途中で迷子になることも軸がブレることもありません。

構成が出来上がっていれば頭から文章を書く必要もなくなります。書きやすいところから書き始め、少しずつ全体を埋めていくことで集中力も途切れにくくなり、より短時間で文章を仕上げられるのです。

「SDS法」と「PREP法」

文章の型として「SDS法」と「PREP法」を覚えておくと便利です。

SDS法

SDS法は、同じ内容を手法を変えて3回伝える型で、ニュース番組などでよく使われています。自然に同じ内容を繰り返しているため、読者の記憶に残りやすくなります。

  • Summary…全体の概要
  • Details…詳細の説明
  • Summary…最後に全体のまとめ

PREP法

PREP法は、先に結論を示してしまうことで読者を引きつけ、なおかつ論理的でわかりやすい文章にしてくれる構造です。

  • Point(要点)…先に要点・結論・主張を明確にする
  • Reason (理由)…その結論になる理由を書く
  • Example(具体例)…さらに具体例を出して結論を裏付ける
  • Point(要点)…最後にもう一度要点をまとめる

これらの型を覚えておくと、自然で論理的な流れで文章を書けるようになるだけでなく、毎回「どうやって書こう?」と悩む必要もなくなりますよ。

一文を長くしすぎない

一文を長くしすぎないことも意識しながらライティングしましょう。

Webライティング初心者は頻繁に読点を使ったり、装飾語をつけたりするクセがある人も多いです。

文字・ページ数に制限がないのはWeb媒体の魅力ではありますが、長すぎる一文は読み手を疲れさせます。

一文の文字数は40文字以内が理想的です。一文が長すぎる場合は二文に分けたり、なくても困らない読点や装飾語を消したりして、読みやすく調整しましょう。

改行を多くする

本を読むと意味のまとまりごとに段落分けされていますが、その手法はWebライティングだと逆効果になる場合が多いです。

最近はPCよりもスマホで文章を読む人の方が増えてきました。

意味のまとまりごとに段落分けしていては、スマホで見たときに画面に文字がびっしり詰まっている状態になってしまい、読みにくく感じてしまいます。

そこで、読みやすくなるように改行を多く入れるようにしましょう。

意味のまとまりは意識せず、一段落の長さ、文字の長さごとに改行すれば、スマホでもPCでも読みやすくなります。

文末表現に工夫を

あなたの文章は同じ文末表現を繰り返していませんか?

例えば「〜ます」で終わる文章を何度も連続で続けてしまうと、読者にはくどくて単調な印象を与えてしまいます。

文末表現は「〜ます」「〜です」を交互にしたり、体言止めを入れたり、読者に問いかけたりなどの工夫を凝らしましょう。

文末表現を変えるだけで、リズム感があって最後まで飽きさせない文章にできるのです。

適切な句読点の使い方

文章の途中で使う「、(読点)」や文末の「。(句点)」などの句読点は、なんとなくでつけている人も多いのではないでしょうか。

人は文章を読むとき、一般的には「、」で息継ぎをして「。」で締めます。

特に注意したいのが「、」の使い方です。

「、」が多すぎると息継ぎが多すぎて逆に息苦しくなりますし「、」がなさすぎる文章も息継ぎがなくて苦しくなります。

多すぎても少なすぎても、読みにくい文章になってしまうのです。

適切に句読点を打つには“息継ぎ”を意識しましょう。

声に出して文章を読んでみることで、どこに句読点を打つべきかわかるはずです。

文章向けの日本語を使う

Webライティングをするときには、必ず文章向けの日本語(=文章表現)を使うようにしましょう。

人は文章を書くときの文章表現と、人と会話するときの口語表現を無意識に使い分けています。

しかし中にはうまく使い分けられない人も多いのも事実です。

例えば「すごい」や「すごく」は口語表現であり、文章表現には「とても」を使います。

また、ら抜き言葉も口語表現なので「食べれる」は文章的にNG。

「食べられる」と表現しましょう。

他にも巷で流行している造語、例えば「卍(まんじ)」や「エモい」などは使わず、昔からある日本語の表現を使うのが好ましいです。

ただし、その文章を掲載する媒体のトンマナによって求められる文章表現も変わります。

例えば、SNSであれば若い世代の心を掴むために「エモい」を使うこともあるでしょう。

依頼されてWebライティングをするときには、事前にトンマナの確認もしておきましょう。

主語と述語の関係性を意識する

プロのライターでも失敗しやすいのが、主語と述語のねじれを起こしてしまうことです。

次の文章を読んでみてください。

『生まれたばかりの小鳥が初めて空を飛んで、とても感動した』

一見すると何も問題がなさそうな文章ですよね。

この文章の場合、主語は「生まれたばかりの小鳥」なので「空を飛んだ」は自然です。

では「感動した」のは誰でしょうか?この場合、感動したのは「私=書き手」のはずです。

しかし主語は小鳥なので、ここで主語と述語のねじれが起きています。

もしかすると、小鳥も初めて飛べたことに感動しているかもしれません。

しかし書き手目線の文章であるなら「感動」という感情は書き手ものです。正しくは次の文章になります。

『生まれたばかりの小鳥が初めて空を飛んで、私はとても感動した』

主語と述語の関係は意識していないとおかしな文章になります。

Webライティングをするときにはぜひ注意してみてください。

「てにをは」でニュアンスが変わると知る

「てにをは」の使い方にも注意しましょう。

例えば、あなたが家族に「夕食は何がいい?」と聞いたとき、次の回答が返ってきたとします。

A『夕食は出前でいい』

B『夕食は出前がいい』

どちらの方が印象が良かったでしょうか?

ほとんどの人が「Aは投げやりで感じが悪い」「Bだったら気持ちよく出前が頼めそう」と思うことでしょう。

このように、「てにをは」と呼ばれる助詞によって文章のニュアンスが大きく変わります。

印象を左右する大事な要素なので、適切に使えるようにしましょう。

あえて接続詞を省く

「しかし」「だから」「そのため」など、前の文章と次に続く文章を繋げる役目の接続詞ですが、多用しすぎるとどこか仰々しくてテンポが悪い文章になってしまいます。

例えば「しかし〜。ですが〜」と逆説が続いてしまうと、話が二転三転して読者が置いてけぼりになる場合も。

文章を最後まで読ませるには、読者にストレスを与えないようなリズム感・テンポの良さも大事です。

接続詞を省いても意味が通る場合には、あえて省いてみるとスッキリした文章になることもあります。

わかりやすさを大切にする

Webライティングでは言葉巧みな文章より、シンプルでわかりやすい文章が求められます。

「わかりやすい文章」の条件は次のようなものがあります。

  • 正しい日本語が使えている
  • 専門用語を使わない
  • 難しい漢字はひらがな表記で
  • 読みやすい見た目である
  • きちんと論理展開できている

読みやすい見た目には改行が必要ですし、きちんと論理展開するにはSDS法やPREP法が便利。

つまり、ここまでで解説した基本を押さえておくことで、おのずとわかりやすい文章に仕上がります。

あとは書き手の意識次第。

シンプルさ、わかりやすさを意識しながらライティングしていきましょう。

文章の質を大きく変える3つの要素

誰もが質の高い文章を書きたいと思っていることでしょう。

文章の質を大きく変えるのは次の3つです。

  • タイトル
  • 本文
  • テーマ

それぞれ質を向上させるためのテクニックを紹介します。

タイトル

タイトルは、読者がその文章を読むかどうかを決める重要な要素です。

Web上には大量の文章があり、読者は常に活字に晒されている状態。

そんな中で自分の文章を読んでもらうためには、まずタイトルから読者を引きつけなければいけません。

タイトルはクリックさせることが一番の目的ですが、だからと言って内容とまったく関係のないタイトルをつけるのはNG。

タイトルをつけるときは「文章の内容を20〜30文字で表現するなら、どんなキャッチコピーにするか」を考えてみましょう。

そのとき、文章の書き始めに仮タイトルを決め、全文を完成させた後に改めて内容に合うタイトルに調整すると、より良いタイトルになりますよ。

本文

どんな文章でも必ず「伝えたいこと」が内包されているものです。

前項で解説した基本の書き方は、この「伝えたいこと」をきちんと伝えるための手段でしかありません。

しかし、書き手本人が「伝えたいこと」を把握していないとそのまま文章に反映され、ぼんやりとした文章になってしまいます。

書き上げた後に読者目線になって読み返してみることで、きちんと伝わっているか、どこか言葉足らずになっていないか、などが見えてきます。

読み返しのタイミングは書いた直後ではなく、次の日や最低でも1時間置いた後にすると、客観的に自分の文章が読めるようになるでしょう。

テーマ

実はテーマ選びも文章の質を大きく変える要素の1つです。

例えば、男性が女性の出産に関する記事を書くことは、専門家でもなければ難しいですよね。

逆にヒゲ剃りに関する記事であれば、自信を持って書けることでしょう。

得意じゃないし、好きでもなく、知識も浅く、よく知らないテーマについて書くことほどライティングが苦痛になることはありません。

自分の得意なテーマとそうでないテーマをしっかり見極め、得意なテーマを選んで書くことが大切です。

得意なテーマについて書いた文章は説得力のある記事になるでしょう。

ただし、得意なテーマだからと言っても「知っていることをベラベラ喋る」ような記事は読者には受け入れられません。

きちんと理解してもらうためには、難しい箇所に丁寧な解説を入れたり、逆にあえて簡潔に表現したりなどの工夫が求められます。

Webライティング能力を伸ばす方法

文章を書いていると、自分のWebライティング能力の力不足を感じることもたくさんあります。

もっと良い文章を書けるようになりたい人も多いでしょう。

そこで、Webライティング能力を伸ばす方法も解説しましょう。

Webライティングの本を読んで知識を身につける

書店や本屋に行けばライティング関連の本をたくさん見つけられます。

Webライティングはもちろん、プレゼン資料作り、企画書作成など会社で役立つものから、小説の書き方、ブログの書き方まで。

数ある本の中から、多くのWebライターが読んでいる“バイブル”とも言える本をご紹介しましょう。

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—|Amazon

SEOライティングを強く推すような表紙ですが、中身を見るときちんと生身の読者に向けたWebライティングのテクニックも解説されています。

ストーリー形式で解説されており、とても理解しやすい内容です。

20歳の自分に受けさせたい文章講義

20歳の自分に受けさせたい文章講義|Amazon

いざパソコンの前に座ると書けなくなる…。そんな人におすすめの本です。

自分を客観視しながら、自分の気持ちや考えを文章にしてまとめる方法をわかりやすく解説しています。

Webライティング経験者で「うまく書けない」とスランプに陥っている人も、ぜひ手に取ってみてください。

記者ハンドブック

記者ハンドブック|Amazon

正しい日本語や文章表現について1つひとつ丁寧に解説された、かなり実用的な本です。

Webライターから新聞記者までが活用しています。

デスクの横に置いておき、迷ったらすぐ手に取れるようにしておくといいですね。

Webライティング講座に申し込む

お金はかかりますが、一度でもいいのでWebライティング講座に申し込んでみることも強くおすすめします。

Webライティング講座の良さは、人から直接教えてもらえることだけではありません。

自分の書いた文章をプロが読み、添削して、フィードバックをもらえることが一番の魅力です。

誰かに読んでもらえば自分では気付かないクセを指摘してもらえますし、改善方法も教えてもらえます。

最初は赤ばかりの原稿に落ち込むことも多いですが、Webライティングも失敗を繰り返して成長できるのです。

たくさん文章を書いて練習する

「Webライティング能力を上達させたい」と言いつつ、知識ばかり蓄えていませんか?知識があっても、実際に書かないことには学んだことが身につきません。

いずれ知識すら忘れてしまうでしょう。

ブログでもWebライティングの仕事でもいいので、たくさん文章を書いて練習しましょう。

Webライティングには必要な資格はありませんが、Webライティング能力検定はあります。

その検定に挑戦して、高いスコアを目指してみるのも良いモチベーションになるでしょう。

参考:Webライティング能力検定|一般社団法人日本Webライティング協会

「書く・読まれる・書く」を繰り返していこう

文章を書いてみて、誰かに読まれると、また書きたくなるものです。

Webでは誰でも自分の書いた文章を公開できるからこそ、「書く」と「書く」の間にある「読まれる」がモチベーションアップにも、スキル向上においても重要になります。

「書く・読まれる・書く」…その繰り返しで、Webライティング能力を伸ばしていきましょう!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次