近年テレワークが話題になっていますが、その導入率は47%に留まり、まだまだ多いとは言えない現状です3。
「テレワーク導入を検討しているけど、うまくいくか心配」
「周りにテレワークしている企業がなく、前例がない」
といった不安を抱えている企業も多いでしょう。テレワークを導入するなら、他企業の事例から学びたいですよね。
そこで本記事では、テレワーク企業の成功事例をご紹介します。
テレワーク成功による成果とは
テレワーク導入を迷っている人は、正直「本当に効果があるの?」と疑問に思っている人が多いのではないでしょうか?
実際にテレワークを実施してみた企業からは、
- 戦力・人材の確保
- 生産性の向上
- 社員のストレス緩和
- モチベーションアップ
- 仕事依頼の増加
など、企業・社員の両者にとって良い成果が得らたという報告が多数あります。
実際にテレワークをやってみてはじめてわかることも多いでしょう。まずは他社の成功事例を参考にしてみるといいかもしれません。
テレワークの成功事例10選と成功のポイント
テレワークを成功させた企業の事例を10社ご紹介します。合わせて成功の条件や各社の工夫なども解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
複業を促進し、女性活躍を創出|株式会社LiB
女性向けの求人メディア運営や人材紹介等をしている株式会社LiBでは「メンバーシップオプション」制度を導入しました。従来の雇用形態や就業規則にとらわれず、一人ひとりが自由に働ける会社を目指した取り組みです。
この制度では自社の正社員として働けるかたわら、他の仕事もできる“複業”や“パラレルキャリア”が認められます。テレワークも実施し、子育て中の女性や地域在住の女性が活躍する場を創出しています。
参考:”複業”を可能にする新制度「LiBメンバーシップオプション」制度開始。第一弾としてファンタラクティブ代表取締役の井村圭介氏がチーフデザイナーに就任!
社員のワークライフバランスを充実させた|横河電機株式会社
横河電機株式会社では2016年4月よりテレワークを実施。入社4年以内と製造ラインの従業員を除いた社員全員が利用できるという一定の条件を付けながらも、導入に成功しています。
さらに育児時間、時間単位休暇、半日休暇といった他の制度とも合わせて利用できるようにし、柔軟な働き方を実現しました。
その結果、社員のワークライフバランスが充実。仕事以外の生活が充実することで、結果として仕事にも良い影響が出ています。
参考:横河電機株式会社
育児支援と業務の生産性向上に成功|カルビー株式会社
カルビー株式会社は、製造業では難しいと言われていたテレワークを実施している企業です。
まず2007年にフリーアドレスの導入とペーパーレス化を図り、2011年に営業の直行直帰スタイルが定着。そして2013年のテスト導入を経て2014年にはテレワークを正式に導入と、徐々にテレワークに向けた営業体制を取っています。
2013年のテスト時に行ったアンケートでは「子供の送り迎えをしやすくなった」「通勤時間を削減でき時間にゆとりがてきた」といった声が上がり、社員の生産性向上も実感しています。
参考:カルビー株式会社
サポート体制を充実させ働きやすい環境に|サイボウズ株式会社
テレワーク向けのグループウェアを開発しているサイボウズ株式会社でも、自社でテレワークを実施し、製品の開発や改良に役立てています。
まずは2010年よりテスト導入を開始。そこでテレワークならではの課題を洗い出し、徐々に改善し、アップデートを行いました。
その結果2018年には100人100通りの働き方を宣言する「働き方宣言制度」を導入。誰かが急に休むことになっても情報共有ツールで宣言すれば、他の社員がすぐさまサポートできる体制を整えたのです。
その結果安心して休んだり、代わりに誰かをサポートしたりなど、働きやすい環境にブラッシュアップしていきました。
完全在宅勤務を取り入れ人材の確保に成功|株式会社SiM24
コンピュータによる電子機器の解析やシミュレーションを行っている株式会社SiM24は、2016年の総務省主催の「テレワーク先駆者100選」にも選出されている企業です。
完全在宅勤務制度を取り入れ、社員の4分の3がテレワークを実施。そうすることで、様々な理由で出社できない人材を確保しています。実際に家庭に入って発揮されなかったスキルを掘り起こし、高度なシミュレーション解析を実現しているのです。
参考:テレワーク・リモートワークを導入している会社 ~後半~
選択肢を増やし生産性の高まりを実感|株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
コンサルティングや企業向け研修を実施している株式会社リクルートマネジメントソリューションズでは2013年10月よりテレワークを導入しています。
自主的に業務を行う社員には「1日在宅勤型」、顧客との接点を持ち営業を行う社員には「直行前・直帰後型」などを提供し、働き方の選択肢を増やしました。さらに2017年からは全職種を対象にし、育児・介護・本人の疾病に対応できる制度にしています。
社員の選択肢を増やすことで自由で無駄のない働き方ができ、結果として生産性の高まりを実感できたという事例です。
参考:多様な働き方|株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
グローバル環境を整え、ダイバーシティの促進|日産自動車株式会社
日産自動車株式会社も、総務省が推進する「テレワーク先駆者100選」に選出された企業です。
2006年に育児・介護社員のテレワークを認めていましたが、2014年より生産工程以外の全社員に対し、月5日(40時間)を上限としてテレワーク勤務を拡充。グローバルに働ける環境も整えています。
さらにダイバーシティディベロップメントオフィスが中心とした仕事と育児・介護との両立やキャリア形成のサポートも。テレワークにより多様性を認めダイバーシティを促進する企業として注目されています。
iPadを導入し営業マンの仕事を効率化|小岩井乳業株式会社
デバイスを取り入れ、テレワークでも仕事ができるように工夫したのが小岩井乳業株式会社です。
営業部門の担当者や出張社員にiPadを配布し、外出先からでも社内パソコンを操作できるように工夫をしています。そのため直行直帰型の働き方ができ、在宅でも業務が可能に。
社内に戻らずiPadで営業日報を記入したり、部下の日報をスキマ時間に確認できたりするため、特に営業マンの仕事の効率化に成功しています。
コミュニケーションの強化を図りノウハウを蓄積|トロシステムズ株式会社
ネットワークインテグレータ事業を行うトロシステムズ株式会社は、ただテレワークを実施するだけでなく、テレワークのノウハウを社内に蓄積している企業です。
テレワークでありがちなコミュニケーション不足を解消するために、ビデオ会議を日常的に行うビジュアルコミュニケーションを推進。また定期的に社員が顔を合わせる“タッチダウンオフィス”という考え方に基づき、社員にもお客様にも見せられるコンセプトオフィスを整備しています。
また社内でテレワークのノウハウを蓄積したら、モデルケースとして社外に向けた発信活動も特徴です。セミナーを開催し、テレワーク促進に取り組んでいます。
離職率が低下し、リファラル採用が増加|株式会社ガイアックス
ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー事業を手がけている株式会社ガイアックスでは、テレワークを導入することで人と人・人と企業の繋がりが強化されました。
新卒社員もフルリモートで働ける環境を提供していますが「好きな場所で働く」だけを目的とせず「地元に残ってやりたい指名がある」という目的を持ったテレワークを推進しています。
さらに採用活動を透明化。その結果、単純に採用が増えたり優秀な人材を確保できたりのみならず、離職率が低下し、リファラル採用(社員紹介採用)が増加したのです。
参考:多様な働き方を推し進めるガイアックス、 「新卒社員フルリモートワーク」&「採用活動透明化」のストーリーで
テレワーク成功事例から良いところを取り入れていこう
企業独特の制度を作ったり、少しずつ制度を整えたりなど、様々な企業事例がありました。もちろん、その中には語られなかった失敗もたくさんあるでしょう。
これからテレワーク導入を考えている企業は、他社の成功事例から良いエッセンスを吸収できます。他社から良いところを学び、取り入れ、自社のテレワークを成功に導いていってくださいね。