【業種別】見本にできる!働き方改革に取り組む企業の好事例集

働き改革関連法案が2019年4月より施行開始され、より本格的に働き方改革に取り組み始めた企業も多いでしょう。

しかしその一方で「何を優先すべきなのか」「自社が取り入れるべき施策はどれか」と悩むことも増えたかと思います。

そこで今回は、働き方改革の好事例を業種別にまとめました。該当する業種の取り組みを真似してみるのはもちろん、それ以外の業種の事例もぜひ参考にしてみてください。

目次

【IT企業】の働き方改革事例

97%が常時リモートワークで働く:株式会社キャスター

キャスター株式会社では「リモートワークを当たり前にする」というミッションを掲げ、そのミッション通りに97%がリモートワークをしています。

スタッフの成果を働き方(正社員やパート)・就業場所で区別されないよう、目標数値を掲げ、数値の達成状況で評価を決めるようにしているのです。

宮崎県に本社を置いていますがリモートワークにかかる「見えない」不安を解消するため、全国に自社オフィス「キャスタースクエア」を展開。

在宅勤務だけでなくサテライトオフィス勤務も選択肢にあるため、スタッフの97%が安心してリモートワークに取り組んでいるのが成果に繋がっています。

参考:テレワーク推進企業等 厚生労働大臣 表彰

最長6年間の育児・介護休暇を取得可能に:サイボウズ株式会社

離職率が28%を記録したことをきっかけに、いち早く働き方改革に取り組んだサイボウズ株式会社。

中でも特筆すべきは、最長6年間の育児・介護休暇を取得できる制度です。妊娠判明時から取得できる「産前休暇」は「育児・介護短時間勤務制度」と共に2006年より導入されています。

さらに女性だけでなく男性へも育児休暇の取得を推奨。スタッフのワークライフバランスを支える制度になりました。その結果、現在の離職率は4〜5%まで抑えられています。

参考:ワークスタイル|サイボウズ株式会社

「ろくじろう」制度で生産性アップ:株式会社ZOZO

ファッション通販サイトを運営する株式会社ZOZOでは、スタッフの働きすぎを防止し生産性を高めるため「ろくじろう」制度を導入しました。

これは「6時間労働が許される」という意味。と言っても「6時間働いたら帰れる」のではなく「6時間働いても良い」、つまり「6時間以内に仕事が終われば帰っても良い」というユニークな制度です。

この制度は「8時間勤務が当たり前」という常識を覆しました。

参考:「当たり前を疑う。」1日6時間労働導入の狙い

【サービス業】の働き方改革事例

残業ゼロと食材ロス削減をつなげる取り組み:国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」

どうしても残業が長引きがちな飲食業。そこで国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」では、1日100食限定にすることで残業時間の削減と同時に食材ロスの削減に成功しました。

1日100食を売り切り、値段は主婦でも出しやすい価格に据え置き。その代わり接客のクオリティを上げるなどの工夫に取り組んでいます。

顧客ファーストなだけでなく従業員ファーストを考えることで、従業員と顧客の満足度を双方高めることができました。

参考:佰食屋とは - 国産ステーキ丼専門店

様々なワークスタイルを受け入れ:ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社では次から次に働き方改革のための制度を導入し、様々なワークスタイルを受け入れる体制を取っています。

例えばスーパーフレックスタイム制度では、各自の業務状況に応じて自由に始業時刻・就業時刻を変更可能。在宅勤務制度の拡充とサテライトオフィスを導入し、生産性の最大化にも取り組んでいます。

他にもプレミアムフライデーや定時退社などにも積極的。副業を解禁するなどして、スタッフのニーズに応える施策を実施しています。

参考:SoftBank流働き方改革

認可外保育補助によりスタッフを経済的にサポート:株式会社メルカリ

フリマアプリを運営する株式会社メルカリでは、小さな子供を持ちながら働く親世代のために認可外保育所補助制度を導入しました。

認可保育所と認可外保育所では保育料金に数万円もの差があります。もし認可外保育所に子供を預けた場合、保育料の差額を株式会社メルカリが負担する経済支援制度です。

この制度のおかげで安心して育児できるだけでなく、出産にも前向きになることを狙っています。

参考:Go Boldな働き方を送信!「merci box」に認可外保育補助が追加されました

【製造業】の働き方改革事例

個々に働きかけ仕事と生活の質を向上:中外製薬

働き方改革の施策を取り入れても、スタッフの意識が変わらなければ大きな効果は得られません。そこで中外製薬では、2013年より仕組み作りと共にスタッフの意識改革にも取り組み始めました。

具体的には、各部門で長時間労働削減に向けてKPIを決め部門ごとに推進策を策定。またフレックス休日やアニバーサリー休暇などを設定し、社内で積極的に取得するように呼びかけるなどしています。

スタッフや管理職、そして経営陣まで個々に働きかけることで、全従業員の仕事と生活の質の向上につながっています。

参考:中外製薬株式会社:働き方・休み方改善取得事例

女性活躍のための育児休暇制度を充実:花王株式会社

花王株式会社では1980年代から女性の働き方問題の解決にどこよりも早く取り組み始めています。

育児休暇を法定以上の「満1歳の4月末まで」とし、女性スタッフの育児休暇取得率は100%を達成。また復職前には「復職前セミナー」へパートナー同伴での参加を推奨し、復職する際の意識やパートナーと共に取り組むべきことなどを啓発しています。

他にも社内託児施設を設けたり、男性の育児休暇取得を推奨するなど、女性活躍のための制度を充実させた事例です。

参考:花王株式会社:働き方・休み方改善取組制度

【設計・建設業】の働き方改革事例

続けやすい環境で「離職ゼロ」を実現:長岡塗装店

塗装業は若者に人気のない職業で、長時間労働や離職率の高さなどが課題となっています。そんな中長岡塗装店では、仕事を続けやすい環境の提供や前向きな採用などを行うことで「離職ゼロ」を実現しています。

例えば、塗装技術のある高齢者や女性の積極的な採用や、正社員化の推奨などを進めています。若手の資格取得をバックアップし“手に職”をつけられるようにサポート。

他にも保育料の3分の1を会社が補助したり、育児休暇とは別に子供が熱を出した際に対応できる看護休暇を30分単位で取得可能にするなどの支援を行っています。

参考:長岡塗装店〜3K・5Kの現場を変えた経営改革

フリーアドレスで楽しめる空間を提供:ダイヤオフィスシステム株式会社

オフィスデザインや設計などを行うダイヤオフィスシステム株式会社では、自社オフィスでも楽しんで働ける空間を提供しています。

ダイヤオフィスシステム株式会社ではフリーアドレス制を採用。この制度の面白いところは、オフィス内にコンセプトの違った席が多数用意されているところです。

  • 一般的なPCデスク席
  • 集中ブース席
  • ファミレス席
  • カウンター席
  • スタンディングデスク

好きな席に移動しながら仕事できるため、業務内容や気分に合わせた働き方ができるようになっています。

参考:ダイヤオフィスシステムの働き方改革|テレワークで残業時間を3時間削減

【観光・宿泊業】の働き方改革事例

老舗旅館でも「週休二日」を実現:陣屋

旅館やホテルでは珍しい「休館日」を設けることでスタッフの働き方を改革したのが、創業100年を超える老舗旅館「陣屋」です。

休みを設けたことによる変化で一番気になるのが売り上げですが、なんと休館日を設けても利益が落ちることはありませんでした。

宿泊客が繁忙期以外に分散することでサービスの質は落ちず、スタッフに週休二日を約束できるようになったことで従業員の満足度も向上したのです。

さらにクラウド型ホテル管理システム「陣屋コネクト」を同業他社に販売したことで新たな収入口を増やし、グループ全体の売上は10億円を達成しています。

参考:第2回日本サービス大賞「総務大臣賞」を受賞しました!

中抜け勤務と残業を改善し拘束時間を短縮:あぶらや燈千

宿泊客のチェックインとチェックアウトに合わせてサービスを行う「中抜け勤務」だと拘束時間が長くなりがちな宿泊業。体力的な点から離職率が高いことが課題です。

そこであぶらや燈千では、スキルマップを使用しスタッフのスキルを確認。するとほとんどのスタッフが接客業務・清掃・調理などマルチスキルであったことから、マルチタスク体制に切り替えました。

1人のスタッフがマルチ業務を行うことで、中抜け勤務と残業時間を改善。結果、拘束時間が短くなり、交代制で効率的に営業できるようになっています。

参考:宿泊業の生産性向上事例集2

働き方改革によりスタッフの満足度も生産性も向上する

働き方改革を実施し、スタッフの休日や就業時間を減らすことに不安を持っている企業担当者もいるでしょう。しかし実際には「従業員満足度も生産性も向上した」と良い効果を実感している企業は多いのです。

ぜひ他社の事例を参考にし、自社に取り入れられそうな施策があれば積極的に取り入れてみてくださいね。

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