SEO対策をしてもなかなか上位に行けない……。その理由は、現在1ページ目にいる上位サイトと自社サイトとの“ギャップ”が大きいからかもしれません。
そんなギャップを補うために行いたいのが、競合サイトの分析です。本記事では、競合サイトの見つけ方から分析をするうえでの比較指標を解説します。
併せて分析ツールもご紹介します。いざ、競合サイトの分析をしてみましょう!
競合サイトの分析はなぜ必要?
SEOのアルゴリズムは近年ますます精度を高めています。ただキーワードを散りばめただけのページは評価されにくく、代わりにコンテンツの質に重点を置いたページは高い評価を受けるようになりました。
では、どうすればコンテンツの質が高いページを作れるのか?そのヒントが、競合サイトの分析に隠されているのです。
競合サイトを分析する目的は、もちろん競合より良いページを作るためですが、もっと深掘りすると2つの目的があります。
- 競合の戦略を推測し、自社の独自性や差別化戦略を打ち出すため
- ユーザーのニーズを把握し、自社のWebサイト運営に活かすため
すでにSEO的に高評価を受けている競合サイトに勝つためには、競合サイトが対策していない部分や、対策が甘い部分を攻めていく必要があるでしょう。
そうした対策されていない部分にこそ、ビジネスチャンスを見つけられるかもしれませんね。
競合サイトの見つけ方
「そもそも、自社の競合サイトがわからない」
「このサイトを競合サイトとして設定していいのかわからない」
そういったサイト運営者もいるでしょう。まずは競合サイトを見つける方法を見ていきましょう。
実際にキーワードを検索する
上位表示を狙いたいSEOキーワードを実際に検索することで、簡単に競合サイトを見つけられます。
上位にあるWebサイトは、すでにGoogleから高い評価を受けているサイト。その上位サイトがまさに競合となるサイトだと言えるでしょう。
特に複数のキーワードで検索してみて、上位での登場回数が多いサイトには要注目。自社サイトと似通ったページが多いということですから、特にマーキングしておきたいサイトとなります。
「そのページは競合となり得るけど、サイト全体を見ると分野が違うようだ」……こうした場合でも、サイトではなくページ単体を競合に設定しても構いません。
ただし、検索するときにはプライベートブラウザに設定した状態で検索すること。パーソナライズされた状態で検索すると、本来の順位とは違う結果が表示される可能性があります。
ニュースアプリ・まとめサービス等をチェックする
ニュースアプリやまとめサービスには、あらゆるサイトの記事が集約されています。SmartNewsやグノシー、少し毛色は違いますがPR TIMESなどをチェックしてみましょう。
カテゴリーに絞って調べれば、競合サイトを一気に見つけやすいです。
例えばファッション系のサイトを運営しているなら、「ファッション」のカテゴリーに注目。
SmartNewsの「ファッション」カテゴリーの中には、Donami や CanCam.jp 、mer(メル)といったサイトの記事があり、それらを競合サイトとして設定できるでしょう。
競合調査で比較するための指標とは
競合サイトを調査・分析するときにはあらかじめ指標を決めておき、自社サイトとの比較をしていきます。その数値やコンテンツの差は、いわばギャップ。ギャップを補い、競合サイトよりも秀でるための施策を考え実行していくのです。
ここでは、競合サイトの分析で着目するべき4つの指標をご紹介します。これらの指標は後に紹介する分析ツールにも出てくるものです。ぜひ覚えていきましょう。
アクセス数(PV・UU)
アクセス数やアクセス規模は必ずチェックしておきたい指標です。アクセス数といってもいくつか種類があり、ここでは特に注目すべき2つの指標をご紹介します。
PV:ページビュー。そのサイトやページが閲覧された回数。同一ユーザーによる重複あり。
UU:ユニークユーザー。そのサイトにやって来たユーザーの数。同一ユーザーによる重複なし。
PV数が多ければ繰り返しサイトに訪れるリピーターが多いということ。UU数が多ければ、それだけ大勢の人がサイトに訪れているということです。
競合のアクセス数の具体的な数字まではわからなくても、競合分析ツールを使用すれば大まかな規模は把握できます。指標の一つとして覚えておきましょう。
検索キーワード
競合サイトがどんなキーワードで流入を集めているのかにも注目しましょう。
あなたが「ファッション 通販」で検索して見つけたサイトでも、もしかしたらユーザーは「スカート 通販」「ワンピース コーデ」といったキーワードで検索しているかもしれません。自分では気付けなったキーワードを見つけられるのも、競合分析のメリットでしょう。
実際に流入があったキーワード=ユーザーからのニーズが高いキーワードですから、ぜひとも次のSEO対策に取り入れていきましょう。
流入経路
ユーザーがどこからサイトにやって来たのか?その流入経路を把握することは、対策を強化すべきメディアやデバイスを把握することでもあります。
実はPCとスマホに表示される検索結果は必ずしも同じだとは限りません。PCからの流入は多いのにスマホからの流入が少ない場合は、モバイルユーザビリティが低い可能性があるでしょう。
また、競合サイトはSNSから流入が多く自社サイトのSNS流入が極端に少ない場合には「SNS運営を強化する」「SNSよりも検索流入に力を入れる」と方向性が真逆の戦略を打ち出せます。
このように、自社サイトはもちろん競合サイトの流入経路を比較することで、次なるプロモーションの一手を打ち出せるのです。
滞在時間
ページ、ひいてはサイト内でのユーザーの滞在時間にも意識を向けておきましょう。
Googleはユーザーの滞在時間が長いサイトを評価する仕組みがあります。「滞在時間が長い=じっくり読んでいる=ユーザーにとって有益なコンテンツ」と判断しているためです。
実際にページ内を隅々まで読むユーザーは少なく、求める回答がなければ離脱して、また別のページを開きます。一方で、求める回答がしっかりと書かれてあり、他にも気になるコンテンツがあれば滞在時間は伸びるでしょう。
競合サイトの滞在時間が長い場合、そのコンテンツの中にユーザーニーズを満たす要素があるということですから、競合サイトのページをじっくり見て分析しましょう。
競合サイトの分析ツール5選
競合サイトを外から眺めるだけでは、十分な分析ができません。しっかりと数値化された状態で分析するためには、分析ツールが必須です。
ここでは、おすすめの分析ツールを5つご紹介しましょう。
SimilarWeb
参考:SimilarWeb
難しいツールは使いこなす自信がない、という方におすすめなのが「SimilarWeb」です。
競合サイトのアクセス数・滞在時間・検索キーワードなどの基本となる指標を割り出せるほか、「サイト訪問前にユーザーが訪れていたサイト」や「競合の広告出稿状況」など、細かな分析ができます。
制限付きですが無料のプランもあり、簡単な分析であれば無料プランでも十分役に立つでしょう。Googleの拡張機能もあるため、インストールしておけばすぐに分析結果を見ることができます。
なお、トラフィック数の少ないページはデータが表示されません。
ahrefs
参考:ahrefs
競合分析ツールの中でも、SEM(サーチ・エンジン・マーケティング)寄りの分析ツールが「ahrefs」です。
24時間ごとにWebページをクロールしているため、常に最新データを出せるのがポイント。ページごとに分析するのではなく、サイト全体を分析して上位表示されているコンテンツや他サイトからの被リンク情報をすぐに確認できます。
さらに、SNSで話題になっているコンテンツを調べられるのも魅力。SNSを運用している・SNSとサイトの併用を考えているときには、ぜひ利用したい機能ですね。
eMark+
参考:eMark+
「eMark+」は同意のうえ登録した30万人規模のモニター会員からログを収集し、インターネット上の行動データからさまざまな分析を行うというユニークな分析ツールです。
さまざまなサイトへのアクセス状況(流入経路・検索キーワード)がわかるのはもちろん、ユーザー属性の分析にも強く、ターゲットごとの精密な分析ができるでしょう。
基本的には有料ですが、「eMark+ Free」に登録すれば無料でランキング・ユーザー推移・ユーザー属性の3つの機能を利用できますよ。
WEBSITE GRADER
「Website Grader」は細かい数値を出すというよりも、4つの指標でそのサイトの品質を評価する分析ツールです。
- SEO:適切な施策が行われているか
- Security:サイトの安全性は高いか
- Performance:サイトパフォーマンスは高いか
- Mobile:モバイルに対応しているか
SEO対策において、これら4つはどれも重要な指標の一つ。競合サイトを分析するのはもちろん、自社サイトの品質も分析し、少しでも評価を高める施策を行っていきたいですね。
SEOチェキ!
参考:SEOチェキ!
「SEOチェキ!」は、完全無料で使えるSEOチェックツールです。アクセス数などの細かな数値はわかりませんが、サイト表示スピードやインデックス数、頻出単語、キーワードごとの検索順位などの情報を調べられます。
どれも一つひとつ自分で調べればわかる情報ばかりではありますが、URLを入れるだけですぐに結果を返してくれる点が魅力。
簡易的な分析をしたい人はブックマークしておき、いつでも開けるようにしておくといいかもしれません。
Webサイト運営は競合の存在も意識しよう
インターネット上に多くのWebサイトがひしめき合っている今、ターゲットやSEOキーワードだけでなく、競合を意識したサイト運営が重要となっています。
定期的に競合サイトを分析して自社サイトとの比較をしながら、その状況に応じたPDCAを回していきましょう!