社会人になってから、いくつも参加した会議。それらの会議は、きちんと意味のある会議になっていたでしょうか?もしかしたら、中には「ただ時間をムダにしただけだった……」という会議もあったかもしれません。
自分が会議の主催や進行役を任されたとき、意味のある会議にするために重要なことは、内容よりも事前準備。
今回は、会議の前にやっておきたい事前準備や、必要なもののチェックリストを見ていきましょう!
時間をムダにする3つの会議
ビジネスマンになると何かと会議を開きがちですが、実はそもそも開く必要のない会議もあります。
まずは、時間をムダにしてしまう3つの会議を見ていきましょう。これから開く予定の会議がこのうちどれかに当てはまりそうな場合は、開催自体を見直す必要があります。
報告や情報共有だけの会議
社会人の基本スキル、報告・連絡・相談。中には、会議を開いて担当者を集め、報告や情報共有などを行うこともあるでしょう。いわゆる「定例ミーティング」を毎週設けていることもありますよね。
しかし、報告や情報共有のためだけに人を集めるのは非効率的です。その情報共有は、メールや文書などで済ませられないか考えてみましょう。定例ミーティングで毎週顔を合わせる機会を設けたいなら、15分程度でさっと終わらせるといいですね。
一方で情報共有をしたうえで、何かしら意見を聞きたいなら会議を開くのはOK。要は、「誰も発言せず、聞くだけの会議」は避けるのがポイントです。
目的やゴールが定まっていない会議
会議の目的やゴールはきちんと定められているでしょうか?その会議が何のための話し合いで、最終的にどこに着地したいのかわかっていないと、中身のない発言ばかりになってしまいます。
実は、目的やゴールが定まっていない会議も定例ミーティングによくありがち。
先週の数値的な報告をして、課題を挙げて……とここまではいいのですが、その後のアクションにつながっていない(そして毎週同じような課題が出る)のは、目的・ゴールを決めず「なんとなく」で会議を開いているから。
会議を開く前に、各々の目的を明確にし、ゴールまでの見通しを持っておく必要があるでしょう。
誰も発言・提案のない会議
誰も発言・提案しない、あるいは、発言・提案する人がいつも同じ人ばかりの会議も、実は時間をムダにしています。一定数の人が何も発言しなかったり、むしろ眠気と戦っていたりするのは会議によくあることですが、これらは改善しなければいけません。
発言・提案をしないのは、会議の議題について真剣に考えていないことが原因。そもそも、何を話し合うかも知らないまま会議に参加している人はいませんか?
人は「誰かがやってくれるだろう」という傍観者心理を持っており、特定の人しか発言しない会議はこの心理を増長させてしまいます。誰でも均等に発言する機会のある会議になるように、進行方法を考える必要があるでしょう。
有意義な会議にするために必要な事前準備
では、有意義な会議にするために必要なことは何でしょうか?それは、事前準備です。
ここでは会議の前にやっておくべき事柄をご紹介します。
会議の目的を明確にする
そもそも、会議の目的が定まっていなければ会議を開く意味はありません。
たとえば、会議の目的には次のようなものがあります。
- 意見やアイディアを出すための会議(ブレインストーミング・企画会議など)
- コミュニケーションのための会議(オリエンテーションやキックオフなど)
- 討論・意思決定のための会議(ディスカッションや重役会議など)
会議の前に「WWH」=Why(なぜ) ・What(何を)・ How(どうやって)を決めておくだけでも、いつもより有意義な会議になるでしょう。
アジェンダの作成・配布
会議の目的を参加者にも事前に共有するためにアジェンダを作成して配布しておきましょう。紙でもいいですし、メールやチャットツールでの共有でもかまいません。
このとき、参加者に事前に考えてもらいたいこと(宿題)があれば出しておくといいでしょう。会議がよりスムーズに進み、時間短縮にもなります。
アジェンダがあれば、会議当日もアジェンダに沿って進めればOK。仮に話が脱線してしまっても、アジェンダを見て元の議論に戻ることもできます。
ファシリテーターの準備
ファシリテーターとは、会議の場を取り仕切る人のこと。ファシリテーターは進行役にもなりますし、参加者が発言しやすいような雰囲気を作ったり、話題が逸れたときに元の議論に戻したりなど、会議において重要な役割を持ちます。
そのため、ファシリテーターも事前に準備したおきたいところ。場の取りまとめが得意な人やコミュニケーションが上手な人、よく気が付く人など、ファシリテーターに適した人材に依頼してみましょう。
参加者の選定
参加者が多ければ多いほど、1人が発言するチャンスは減ってしまいます。それに傍観者心理がより強く働いてしまうため、参加者はなるべく絞った方がいいでしょう。
参加者を選定するときには、まず大まかに次の2つに分類しましょう。
- 参加が必要な人
- 参加してもいい人
前者は会議への参加は必須です。担当者やチームリーダー、部門長や役員などが該当しますね。後者は「参加は必須じゃないが、この人には聞いておいてもらいたい」「この人に参加してもらうことで、成長が見込めるかもしれない」といった人を選びます。
その会議に本当に必要な人を集め、参加しなかった人には後から議事録で共有するという形式を取りましょう。
会議室の予約・確保
当たり前だけど思っている以上に重要なのが、会議室の確保です。
会議室を構えているオフィスも多いですが、使用時間が他の会議と被っていたり、何かの作業場と化していたりしませんか?会議をする前に、会議室の予約や必要であれば片付けをして、きちんと環境を整えておきましょう。
テレワーク中の会議でZOOMなどを利用する場合には、事前に会議をスケジューリングし、URLを共有しておくと便利。会議直前に慌てることのないように、すぐに始められる準備をしておきましょう。
会議の進め方・意思決定の方法をイメージする
会議時間が長くなればなるほど集中力は切れ、パフォーマンスが落ちてしまいます。しっかり話し合うことも大切ですが、長期戦にならないようにスムーズに進行することが重要です。
そこで、どのように進行すればムダなく効率良くなるか、会議のプロセスを具体的にイメージしてみましょう。基本的にアジェンダに沿って進めますが、時間配分も一緒に決めておくといいですね。
またいつまでも会議が終わらないという事態を避けるために、意思決定の方法も決めておくといいでしょう。上長や役員が決定するか、多数決で決定するか、もしくは社内アンケートを取るかなど、事前に考えておけば会議を進めやすくなります。
会議に必要なものチェックリスト
最後に、会議に必要なものをリスト形式でまとめました。前項で解説した事柄と合わせて、しっかりと準備しておきましょう!
- 会議の目的・テーマ
- アジェンダ作成・共有(日時・場所・主催者連絡先など記載)
- 会議資料(人数分あるか・不備はないか・根拠となるデータは十分か)
- 配信や投影用の機材(パソコン・プロジェクター・マイクなど)
- 記録するもの(ホワイトボード・ホワイトボードマーカー・議事録ツール)
- 会議室の予約(テーブル、人数分のイス・案内板など)
- ファシリテーター・書記
- (必要であれば)お茶などの飲み物
準備を徹底して意味のある会議にしよう
有意義な会議にするためには、議題はもちろんですが、何よりも事前準備を徹底することが大切。しっかり準備された会議は、終わった後には意味のあるものなっているはずです。
「ただ集まるだけ」「ただ話を聞くだけ」の会議にならないように、ぜひ本記事を参考にしながら会議の準備を進めていきましょう!