・なかなか言葉が出てこない
・適切な表現がわからなくて「すごい」や「ヤバい」を多用してしまう
このような人は「語彙力」に問題があるかもしれません。
語彙力とは、多くの単語使いこなす力のこと。語彙力を高めると、シーンに合わせて最適な表現をすることができ、相手に話を伝わりやすくします。
本記事では語彙力を鍛える10の方法について紹介。ぜひ参考にし、語彙力を高めましょう。
語彙力とは
そもそも語彙力とはどのような意味なのでしょうか。辞書によると、以下のような解説があります。
その人がもっている単語の知識と、それを使いこなす能力。
(引用:goo国語辞書)
語彙力とは「どれだけ単語を知っているか」だけではなく「知っている単語を使いこなせるか」という力も求められるもの。
つまり、単に言葉を知っているだけでは語彙力が高いと言えません。知っている言葉を、会話や文章などの適切な部分で使いこなせる能力が必要なのです。
語彙力が高いと、自分の気持ちや考えをさまざまな表現を用いてうまく伝えられます。そのため相手に細かいところまで伝わりやすく、話の説得力を高めて相手を納得させる効果も期待できるでしょう。
たとえば訪問営業をされた際に、営業担当者に「この商品、すごいんですよ!」と言われても商品の魅力は伝わらず、購入意欲は高まりませんよね。
どんな点がすごいのか、どんな魅力があるのか。これを適切に伝えられるのは、営業担当者の語彙力次第。語彙力があるかないかで、営業が成功するかも左右するのです。
このように、語彙力があると表現の幅が広がり相手に伝わりやすくなります。
語彙力が低い人の特徴
「自分の語彙力はどのくらいなのかわからない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
語彙力が低いとされる人の特徴を3点紹介するので、もしご自分に当てはまるようなら語彙力のトレーニングをおすすめします。
言い回しや表現がワンパターン化している
語彙力がない人とは、知っている言葉の数が少ない、もしくは言葉を知っていてもどうやって使うのかをわかっていないことが多い傾向です。知っている言葉や使える言葉が少ないため、いつも同じような言い回しや表現を使いがち。
たとえば文章を書く際にも「~します」「~できます」と同じ文末を繰り返してしまい、リズムが悪く単調な印象を与えてしまいます。
語彙力がなく言い回しがワンパターン化してしまうと、同じような表現方法を多用することになり、うまく伝わらなくなるのです。
指示語や形容詞をよく使う
語彙力が低い人は、とっさのときに適切な単語が思い浮かばないため、指示語や形容詞を使うことが多い特徴もあります。
指示語とは「これ」「あれ」など、いわゆる「こそあど言葉」といわれる言葉です。
たとえば「これをあれしておいて」と言われても何をどうすればいいのか分かりません。しかし、意外にもこそあど言葉だけで会話をしようとする人も多いのです。
また、語彙力が低い人が使いがちな形容詞の最たる例が「ヤバい」です。「ヤバい」は困ったときにも感動したときにも嬉しいときにも使える言葉ではありますが、いつもそれだけだと本当の気持ちが伝わりません。
ほかにも「すごい」「ハンパない」なども、会話ではよく使われる言葉です。
しかし、このような言葉だけ使っていると語彙力が低いと思われてしまいます。
文章を書いたり読んだりするのが苦手
語彙力がない人の中には、文章を書いたり読んだりすることが苦手だという人が少なくありません。
普段の会話では話し言葉が使われていますが、文章で使われる書き言葉は話し言葉にはない言い回しが多々あります。
そのため使い慣れていない書き言葉を覚えなければならず、話し言葉よりも語彙力が求められます。
語彙力がなくボキャブラリーが少ないと、読書をしても登場人物の心情を把握したり話の展開についていったりするのが難しくなります。
またビジネスでも、書き言葉を使った文章の作成や読取りのシーンは避けられません。語彙力がないと、取引先へのメール文を作成したり、資料を読み解いたりすることが困難になり、仕事にも影響するリスクがあるのです。
語彙力を鍛える方法1|言葉に触れる機会を増やす
語彙力が低いからといって諦める必要はありません。日々の生活の中で語彙力を鍛える習慣を取り入れることで、語彙力は徐々に高まります。
先述の通り、語彙力とは知っている言葉の数と使いこなせるテクニックから成っています。つまり、どちらの力も伸ばしていくことで、自然と語彙力が高まるのです。
それでは、まずは知っている言葉の数を増やす「インプット」の方法について紹介していきましょう。
本や新聞を読む
活字に触れる機会を増やすことで、書き言葉を覚えられます。書き言葉を覚えるには、本や新聞を読む習慣を身につけるのが効果的。
読書が苦手な人や新聞を読む習慣がない人は、まずは自分が興味のあるジャンルから始めると良いでしょう。
本であればエッセイや小説、新聞であればスポーツ新聞など、能動的に読めるジャンルから始めることで自然と習慣が身につきます。
WEB記事やSNSを閲覧する
本や新聞では普段はあまり使わない書き言葉を覚えられますが、よりカジュアルな表現方法を学びたい人はWEB記事やSNSもおすすめ。
インターネット上の情報は本や新聞よりもくだけた言い回しが使われていることが多いため、語彙力の引き出しを増やせるでしょう。スマホさえあればいつでも閲覧できる手軽さもメリットです。
テレビやラジオを視聴する
話し言葉をインプットするには、テレビやラジオの視聴が有効。
テレビ番組の司会者やニュースのコメンテーターなどは、さまざまな表現を活用して話を進めます。普段は何気なく見ているテレビでも、意識すると「この言い回し、わかりやすいな」「こんな表現方法もあるんだな」といった発見があるでしょう。
また、ラジオはテレビのような視覚的要素がないので、テレビよりも語彙力が要求されます。ラジオのパーソナリティは言葉だけで感情を表したり説明したりするので、言い換えや言い回しを学ぶには最適です。
分からない言葉はすぐに調べる
意識的に言葉に触れていると、分からない言葉や今までなんとなく使っていた言葉を見聞きする機会も増えてきます。
このようなときスルーするのではなく、言葉の意味をすぐに調べるようにしましょう。
言葉の正しい意味を理解することは、正しい活用にもつながります。言葉と意味をセットで覚えてくださいね。
語彙力を鍛える方法2|言葉を使う機会を増やす
言葉をインプットしたら、アウトプットする機会も必要です。
語彙力は知っている言葉を正しく使える力も求められるので、ここから紹介する方法で覚えた言葉を積極的に使っていきましょう。
いろいろな人と話をする
会話で自分の気持ちや状況を正しく伝えることは、簡単そうに見えますが実は難しい作業です。会話をする機会を増やし、適切な話し言葉を使って相手に伝わりやすく話す工夫をしましょう。
また、話す相手も重要です。なぜなら、話す相手によって使う言葉も異なるからです。
家族と話すとき、友だちと話すとき、同僚と話すとき、上司と話すとき、取引先と話すとき…すべてのシーンで同じような言葉を使う人は多くないですよね。
さまざまな相手と話をする機会を設け、相手に応じて正確な話し言葉を使えるよう努めましょう。
実況中継をしてみる
一人暮らしをしている人や在宅勤務をしている人は、なかなか人と話す機会がないかもしれません。
そのようなときは実況中継をしてみるのも一案です。たとえば、自宅の窓から見える野良猫の様子を実況中継したり、食事をする際に料理の感想をレポートしたりします。
最初は言葉に詰まったり同じような表現を使ったりしてしまいますが、慣れてくるとスラスラと話せるようになるでしょう。
指示語や形容詞を使わないようにする
普段の会話では、意識的に指示語や形容詞を使わないようにするのもトレーニングの一つ。
言葉が出てこないときは指示語や形容詞を使いたくなりますが、グッとこらえて別の表現に言い換えてみましょう。正確な言葉で伝える力が身につきます。
文章を書く
書き言葉のアウトプットには、文章を書く機会を増やすのが一番。
物語やエッセイを書くのはハードルが高いですが、日記をつけるくらいなら手軽に始められます。
また、仕事でも意識的に文章を書く機会を増やせます。仕事の日報をいつもより多めに書いたり、メールを作成するときはテンプレートを使わずに自分でメール文を作ったりすると、文章を書くのに慣れてくるでしょう。
語彙力を鍛える方法3|スキマ時間でのトレーニング
意識的にインプット・アウトプットをして語彙力を鍛える時間を設けることも大切ですが、通勤中や移動中などのスキマ時間を活用して語彙力を鍛えることもできます。
スキマ時間におすすめのトレーニング方法は、以下の2つです。
語彙力に関する本を読む
語彙力を高める本や語彙力トレーニングに関する本を読みましょう。
おすすめの書籍は、以下の3冊です。
これらの本は、使える言葉とともに利用シーンなども紹介されています。すぐにでも取り入れられる言葉が多数掲載されているので、読んで損はないでしょう。
アプリを活用する
語彙力を鍛えるためのアプリも開発されています。クイズ形式のアプリが多いので、ゲーム感覚で語彙力トレーニングが可能。
普段の生活に取り入れ、楽しみながら語彙力を高めましょう。
語彙力を鍛えて表現豊かに!
語彙力を鍛えると表現の引き出しが増え、自分の気持ちや状況を適切に伝えられるようになります。
さまざまな言葉を操って豊かな表現で伝えることは、できる大人のたしなみ。
語彙力を鍛えて表現を豊かにし、仕事や日常生活を円滑にしましょう。