編集者兼デザイナー 2年目の先輩。コンプレックスを武器に、仕事に向き合う

お酒を愛してやまない新米編集者が、先輩とお酒を酌み交わしながら繰り広げる“ぶっちゃけ”トーク。

無礼講ということで、今だから話せるエピソードや気になる質問をお聞きします。

今月は、同じチームの先輩編集者兼デザイナー・大倉さんと乾杯させていただきました。

目次

今月の先輩

今月お話を聞いたのは、入社2年目の編集者兼デザイナー・大倉さん。

編集者でありデザイナーでもあるという、いわばロースターの大谷翔平です。

さらに見た目からは想像できない酒豪っぷりもたまりません。 今月はそんな東北代表の酒豪・大倉さんと、九州代表の酒愛好家・私にて、乾杯!

大倉さんたっての希望で、私セレクトのお店で乾杯! 待ちきれない酒豪(大倉さん)の見切れた手を添えて。

編集者とデザイナーの二刀流の良さ

――社内でも希少な、編集者とデザイナーの二刀流をされているわけですが、その良さっ て何でしょう?

編集者の気持ちもデザイナーの気持ちもわかるから、外部のデザイナーさんに修正お願いする時とかはこういうふうに指示書きすればわかりやすいだろうなとか、できるだけ相手が仕事しやすいように気をつかうことができる点が良かったなって思います。

この間も仕事をご一緒したイラストレーターさんに、指示が具体的でわかりやすいとお礼の言葉を頂いていた大倉さん。

デザインご依頼の際、できるだけ相手の負担にならないようにと、わかりやすく指示書きして進めたり、参考の画像を載せたり、具体的にするように気をつけているそう。

――そもそも、大倉さんが二刀流になった経緯って?

デザイナーとして内定もらった後にどっちもやるのはどうかと言われて。

――その時、どうして「いいです」って言ったんですか?

最初は編集のなんたるかをよく分かってなくて二つ返事してしまいました(笑)

大変さとかも分かんなかったんだけど、なんでもできる方が将来的にも強みになるかなって。

(なかなかできる経験ではないですよね。そんな先輩のもとで働ける自分は、またまた恵まれております……。)

2杯目は広島産レモンサワーで。

ぶっちゃけ、いざやってみてどうですか

――どうですか、いざやってみて、今がっつり編集兼デザイナーって感じですけど。

大変なのは本当に大変なんだけど、よかったなって思うことはあるかな。

デザインだけやってても自分は違ったかなって今は思う。

――近くで見てるからこそ、大変だろうなって思う反面、なかなかできる経験じゃないから羨ましいです。かっこいい、デザインができるって。

でも、自分が編集者兼デザイナーだからって理由で、編集は出来なくていいとかデザインはそんなに頑張んなくていいみたいなの自分の中では嫌なんだよね。

(他のお客さんの注文商品を真似してとうもろこしの唐揚げを注文する私の手が止まります。)

どっちもやってるからこそどっちかが中途半端になるのは嫌、心苦しい。どっちも頑張ろって。

それがキャパオーバーして、みんなに迷惑かける時いっぱいあるんだけど……。

たまに他の人の制作物を見て、入社時から比べてデザインのクオリティが上がってて自分よりすごいなと思ったり、みんなはどんどん成⻑してるのに自分は……って思う時もあるんだけど、そこは負けずに頑張ろうって思う。

(普段なんでも的確にこなす大倉さんの口から、焦りという言葉が出るとは想像もしていませんでした……。)

だからデザイン班が作ったの見て、うわーやばいなって焦る時ある。

でもそこで「自分は編集もやってるから仕方ないか」っては思いたくない。

―ストイック……。

社内デザインコンペとかよくあるんだけど、そういう時はチャンスだなって思って頑張っ てる。

――デザイナーさんの世界ってシビア。デザインのコンペって理論とか説得力だけで言葉にできない部分が加わるじゃないですか、その分納得いかない部分も出てくるだろうし、 どうしようもないこともあるから、リスペクトです。

思い出したように撮った茶割と何か(何杯目か記憶も不確か)

コンプレックスと武器は表裏一体

――でもずるいなって思います! やっぱり企画案とか何にしても魅せ方が上手いんですもん。

私、元々学生の頃から、好きなものとか趣味がないのがコンプレックスなの実は。 「私といったらこれ!」みたいなのがない。

ロースターの皆さんって自分のアイデンティティ的なの持ってるし、好きなものも確立してて。

それがないから苦しい。

あと、自分の会いたい人に会うために頑張ろうとかも思うじゃん、松﨑さんも⻑瀬智也とか。

―はい、結婚する気でいます。

うん、それは無理なんだけど。みんなそういうののために頑張ろうと思ったり、モチベなんだけど、私にとってはどの案件も全部同じ気持ちで挑んでいて、全部フラット。

「好きとか楽しいって気持ちにならないと、それがただの作業になっちゃうし、それって自分もきついんじゃない?」って言われたこともあって。

自分がテンション上がることとかなんだろうって考えながらやってるんだけど、最近思ったのが、逆に好きなものがないからこそ、全部をフラット客観的に見れてるんじゃないかなとも思う。

好きなものが確立してる人って、そっちに寄っちゃうとこもあるだろうし。

だから自分の好みとかじゃなくて、クライアントが本当に好きなものとかやりたいなって思ってることを考えることができて、逆にいいんじゃないかって最近は自分を認められるようになってきた。

―失敗談聞きたいんですけど!

NG。

(大倉さん、お酒が足りなかったようです。 この後、テキーラ飲んでました。
居酒屋で、サシ飲みで、目の前でテキーラ飲む人初めて見ました。)

おすすめフードの紹介! と言いたいのですが、伝えたいのは奥にあるショットグラス。大倉産が飲んだテキーラの残骸です。

デザイナーであり編集でもあり、どちらの立場も理解できる良さが仕事に活きる反面、葛藤に揺れたり焦ったり。

大倉さんの赤裸々な本音をお聞きすることができました。

さて、ギリギリ帰れた私は、靴を履いたまま玄関で寝ていました。 何事も全力な満身創痍の私たち、お疲れ様でした。

撮影・編集・文/松﨑明日海(Roaster)イラスト/谷水佑凪(Roaster)


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