説明が下手な人に共通する特徴と改善に役立つ2つのフレームワーク

「仕事の進捗を同僚や上司に説明をするのが苦手」

そんな「説明が下手な人」にはいくつかの特徴があります。

当記事では、説明が下手な人に共通する特徴や、相手に分かりやすく説明するためのコツをご紹介します。

目次

説明が下手な人には特徴がある

仕事で業務の進捗状況などを説明している際

何を言いたいのか分からない

などと言われた経験はありませんか?

私も、説明のたびに相手に聞き返されてうんざりしていたものです。

自分では丁寧に説明しているつもりなのに、理解されないともどかしいですよね。

もしかして、ちゃんと話を聞いてもらえてない?

と、ついつい相手が悪いのではないかと考えてしまいがちです。

しかし、実際には自覚がないだけで、自分の説明の仕方に問題がある可能性が高いのです

そんな「説明が苦手」「説明が下手」な人には、共通する特徴があります。

説明が下手な人に共通する6つの特徴

説明が下手な人には、次のような共通する特徴があります。

  1. 相手に必要のない情報を伝えている
  2. 伝えたい内容をまとめてきれていない
  3. 早口過ぎて相手が聞き取れていない
  4. 自分だけが分かる言葉を使っている
  5. 内容を全部伝えようとしている
  6. 言わなくても分かると思っている

以下で詳しく解説します。

|1.相手に必要のない情報を伝えている

説明が下手な人は、自分が伝えたいことだけを口にする傾向があります。

商品の購入を検討している客と、商品を売りたい店員を想像すると分かりやすいかもしれません。

客側は「商品を購入することで、生活にどんな変化が生まれるか」を知りたがっています。

それに対して店員側が「商品の機能や性能の素晴らしさ」を説明したとしましょう。

商品を購入することで得られるベネフィットを知りたい客に、商品のメリットを語っても意味はありません。

このように、説明の下手な人は相手の求める情報ではなく、自分の伝えたい内容だけを話しがちです。

2.伝えたい内容をまとめてきれていない

情報を整理しないままで喋ってしまうのも、説明が苦手な人の特徴です。

説明が上手い人は、喋る内容を整理し順序立ててから説明に入ります。

しかし、説明が下手な人は、頭に浮かんだことをそのまま喋ってしまいます

伝えたい内容をまとめきれていないため、何が言いたいのかが相手に伝わりません。

3.早口過ぎて相手が聞き取れていない

もともと早口な人は、喋る速度に注意が必要です。

早口で喋られると、内容を聞き取るのが難しくなります。

もっとゆっくり喋って

何を言ってるのかわからない

と、指摘を受けてしまいがちです。

また、緊張や焦りから口調が早くなる人も要注意。

  • 人前で話すのが苦手
  • ミスの報告を求められている
  • 嫌いな人との会話

など、緊張する場面で口調が早くなると、相手に説明が伝わりません。

4.自分だけが分かる言葉を使っている

相手を選ばずに専門用語などを使う人は、説明が下手だと思われています。

同じ程度の知識がある者同士であれば、専門用語を使うことで会話がスムーズに運びます。

しかし、専門外の人にまで理解が難しい専門用語は使わないほうが無難です。

何度も聞き返されたり、その都度意味を説明するなど、結局仕事が遅れる原因になります。

5.内容を全部伝えようとしている

説明が苦手な人は、無駄な部分も全て伝えようとする傾向があります。

要点を押さえて簡潔に説明できるのが説明の上手い人の特徴です。

説明する必要のない箇所は、あえて省略することもあります。

それに対して説明が苦手な人は、1から10まで全て伝えようとします。

その結果、話が長くなり、要点や伝えるべきポイントがボヤけてしまいます。

説明が終わった後に

で?結局何の話なの?

と、質問される人は、説明が長すぎるのかもしれません。

6.言わなくても分かると思っている

伝えるべき内容まで省略すると「説明が下手」と思われます。

説明が上手な人は、無駄な部分を削って必要な箇所を伝えます。

しかし、説明が下手な人は

こんなのは伝えなくても知っていて当たり前

などと考えて、伝えるべき内容を省いてしまうのです。

「説明が下手」を改善すべき3つの理由

説明が下手な人は、可能な限り改善する必要があります。

なぜなら、説明が下手なままだと次のような弊害が生まれるからです。

  1. 「仕事ができない人」と思われる
  2. 相手との関係を悪化させてしまう
  3. 仕事が遅れるなど支障が出る

以下で詳しく解説します。

1.「仕事ができない人」と思われる

ビジネスにおいて説明は、仕事を円滑に進めるために必要なスキルです。

説明が下手なだけで「仕事ができない人」と思われかねません。

上司からの評価が低いと、出世などにも響いてしまいます。

自分の利益のためにも、説明の仕方を改善すべきです。

2.相手との関係を悪化させてしまう

要領を得ない説明は、相手の時間を奪いかねません。

説明が下手な人は要点を押さえた話し方ができないため、説明をしたら聞き返されるを繰り返すことになります。

仕事で忙しいのに説明を延々聞かされて、結局何が言いたいのか分からないのでは誰でもイライラするものです。

結果、同僚や上司との関係は悪化してしまいます。

3.業務が遅れるなど支障が出る

説明が正しく伝わらないと、トラブルに繋がる恐れがあります。

業務を正常に進めるには、情報が正しく共有されなければいけません。

説明が下手なことが原因で、相手が情報を正しく受け取ることができない恐れがあります。

その結果、業務が遅れるなど支障が出てしまいます。

「説明が下手」を改善する7つのコツ

「説明が下手だから…」と諦める必要はありません。

少しのコツを押さえるだけで、説明下手は改善が可能です。

誰かに説明をする際は、次のことを意識してみましょう。

  1. 相手の要求に応える
  2. 伝えたい内容を要約する
  3. 説明する順番を意識する
  4. 誰でも分かる言葉を使う
  5. 「間」を上手に取る
  6. 聞き取りやすい声で話す
  7. フレームワークを活用する

以下で詳しく解説します。

1.相手の疑問を解消する

相手はなにかしらの疑問があり、その答えを求めて質問をしています。

そこで、まずは相手の疑問を解消する答えを与えることを意識しましょう。

説明が下手な人は、相手の疑問を解消する答えを提示しない傾向にあります。

長々と話を聞かされて、結局答えが得られないとイライラしますよね。

無駄な話は省き、相手の疑問を解消する答えを提示することを心がけましょう

2.伝えたい内容を要約する

相手の求める答えを伝えるには、説明の内容を要約できなければいけません。

そのために役立つのが「5W1H」です。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

5W1Hに当てはめることで、内容の整理や要約が容易になります。

3.説明する順番を意識する

説明する順番を意識するだけで、内容が格段に伝わりやすくなります。

説明が下手な人は、効率的に話す順番を知らない場合がほとんどです。

相手が知りたがっている答えを後回しにすると、内容がボヤけてしまいがちです。

そこで、最初に結論から伝えて、相手の疑問を解消するといいでしょう。

知りたいことを最初に伝えることで、相手もイライラせずにすみます。

ただし、結論から説明するのには向いていないケースもあります。

例えば、あなたは詳細を知っているけど、相手は内容を知らない場合です。

このようなケースでいきなり結論を伝えると

それって何の話だっけ?

と、会話が噛み合いません。

相手が詳細を把握できていないようであれば、お互いの認識をすり合わせることから始めましょう。

4.誰でも分かる言葉を使う

あなたと相手の間で業務に関する知識に差があるようであれば、専門用語の使用は極力控えましょう。

難しい言葉を使うことで、相手から聞き返されたり、意味を説明するなど手間がかかります。

説明をスムーズに行うためにも、相手に合わせた言葉選びをしましょう。

5.「間」を上手に取る

話と話の間を上手に取ることで、あなたの説明を理解してもらいやすくなります。

説明することに不慣れな人は、用意した原稿を一気に読みがちです。

誰でも緊張する場からは一刻も早く離れたいと思うもの。

その焦りから、自然と口調も早くなってしまいます。

しかし、内容を理解してもらうために説明をしているはずなのに、相手が聞き取れないのでは本末転倒です。

そこで、説明の途中に間を作り、相手が理解する時間を設けましょう。

例えば、説明の要点を伝えたら少し間を取り、相手が理解した様子を見せたら話し始める、といった具合です。

6.聞き取りやすい声で話す

説明する側は、相手が聞き取りやすい声で話しましょう。

例えば、あなたが誰かに説明を求めたとします。

相手は終始うつむき気味で、ボソボソと小さな声で話しています。

緊張しているのか早口になっているため、まったく聞き取れません。

このような説明では、欲しい情報を知ることはできませんよね。

説明をする際は、相手が聞き取りやすい声で話すことを意識しましょう。

7.フレームワークを活用する

説明が下手な人は、話す順番が定まっておらず内容が飛び飛びになりがちです。

そこで、内容を当てはめるだけで説明が伝わりやすくなる「フレームワーク」を活用しましょう。

フレームワークは「型」や「枠組み」を意味しています。

ビジネスでは主に、思考の整理や問題の解決や分析など幅広く使われています。

説明をする際もフレームワークに当てはめるだけで、伝わりやすい構成を作ることが可能です。

説明の改善に役立つ2つのフレームワーク

説明が苦手な人は、話す順番を決めるだけで大幅に改善できます。

そこでおすすめしたいのが、次の2つのフレームワークです。

  1. PREP法
  2. SDS法

以下では説明下手の改善に役立つ2つのフレームワークについて詳しく解説します。

PREP法

PREP法は、最初に結論から述べる手法です。次に結論に至った理由、具体例と続き、最後にもう一度結論を繰り返します。

  1. Point(結論)
  2. Reason(理由)
  3. Example(具体例)
  4. Point(結論)

聞き手は結論を後回しにされるほどストレスを感じます。話が長くなり内容がボヤけてくると、さらにイライラが増してしまいます。

PREP法は、最初に結論から述べるため、相手にストレスを与えずにすみます。結論の後に理由や具体例を説明することで、内容の全体像も掴みやすいというメリットもあります。

「ダイエットが続かない理由」をPREP法を使って説明すると、次のようになります。

  1. 結論

自分の置かれた環境が原因で、ダイエットを始めて3日で挫折しました。

  1. 理由

お菓子やスイーツなどの甘い物が目に入りやすく、我慢できなかったからです。

  1. 具体例

例えば、妹が私の目の前でお菓子を食べていたり、スイーツ作りにハマっている母親が味見を求めてきます。

  1. 結論

甘い物の誘惑が多いため、ダイエットが長続きしませんでした。

SDS法

SDS法は、最初に要点を述べてから詳細を説明し、最後にもう一度要点で締めます。

  1. Summary(要点)
  2. Details(詳細)
  3. Summary(要点)

主にニュースなどで使われる手法で、聞き手に情報を端的に伝えたい場合に効果的です。

「ダイエットが続かない理由」を、SDS法で説明すると次のようになります。

  1. 要点

私の置かれている環境では、ダイエットを長続きさせることは困難です。

  1. 詳細

私がダイエット中なのを知っていながら、妹が目の前でお菓子を食べるからです。加えて、スイーツ作りにハマっている母親が、なぜか私に味見を求めてきます。

せっかく甘いものを我慢していたのに、1度口にしてしまうと「もう良いや」と諦めの気持ちが勝ってしまいます。

  1. 要点

今度こそ痩せたいと思っていたのに、妹や母親のせいでダイエットは長続きしません。

コツを学ぶだけで「説明が下手」は改善できる

当記事では今回、説明が下手な人に共通する特徴や、改善のコツをご紹介しました。

説明が下手な人には

  1. 相手に必要のない情報を伝えている
  2. 伝えたい内容をまとめてきれていない
  3. 早口過ぎて相手が聞き取れていない
  4. 自分だけが分かる言葉を使っている
  5. 内容を全部伝えようとしている
  6. 言わなくても分かると思っている

といった特徴があります。

特に説明する内容を把握していなかったり、伝える順番が定まっていないというケースが多いように見受けられます。

これらを改善するために効果的なのが「PREP法」や「SDS法」といったフレームワークです。

説明したい内容をフレームワークに当てはめるだけで、相手に伝えやすく理解してもらえやすい構成を作ることが可能です。

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