インサイトを踏まえたマーケティングのメリットと3つの成功事例

目次

インサイトとは

インサイトとは「人々(=消費者)が持つ無意識な心理」のこと。

ことマーケティングにおいては、商品開発や雑誌の企画、広告プロモーションを仕掛ける際、人々が持つインサイトを理解し、消費行動を促すアプローチができるかどうかが、施策が成功するかを左右する大きなポイントになりえます。

マーケティングにおいて人々のインサイトを理解する2つのメリット

インサイトの考え方をマーケティングに活かすメリットを2つ紹介します。

①潜在顧客の発見に繋がる

インサイトを分析した結果、それまではターゲットだと認識していなかったターゲットの存在が明らかになる可能性があります。

今までは年配の男性がメインターゲットだと思っていた自社製品だが、インサイトを分析した結果、10代~20代の女性にも関心を持っている層が存在することが分かった!

もし上記のような事実が分かったとなれば、若い女性に向けた新しい企画や戦略を練ることも可能になるでしょう。

②サービスのファンを産み出せる

インサイトを掴むことは、その人にとっての「良き理解者」になることに近しいです。

私は誰かに対して「やっぱりこの人は私のことを理解してくれているな」と感じたとき、その相手に他者とは違う特別な感情(ある種のファンのような感情)を抱きますが、この特別感の構造は「人:人」→「モノ:人」となっても同じ。

末永く自社のサービスを愛してくれるファンを獲得するためにも、人々のインサイトを理解し、それに基づいた施策を実施していくことはとても重要です。

インサイトを理解するカギは人の「行動」にある

人々のインサイトを見抜くために最も注目すべきは「行動」。

人の心理は自覚・無自覚を問わず、必ず何かしらの行動となって現れます。

人の行動を徹底的に観察して「なぜか」を考えよう

インサイトを分析する前提として、人々がどんな行動をしているか観察し、可能ならば数値でも把握しておくことが大切。

例えば

  • ポケットティッシュを必ずもらうのはどんな人か
  • エスカレーターを使う人と階段を使う人は何が違うか
  • 平日の夜にフィットネスジムに来ている人の特徴

といった些細なことがらが、大きなインサイトの発見につながる可能性もあります。

インサイトをマーケティングに生かした3つの事例

インサイトを実際にマーケティングに生かしたいくつかの事例を紹介します。

①ラーメン 一蘭の「味集中カウンター」

今では多くの人が知るラーメン一蘭。

「一人では視線が気になって入りにくいんだけれど、実はラーメンが食べたい」という考えを持つ人々の層に注目し、「味集中カウンター」と呼ばれる一席一席に仕切りのある独自構造の店舗を展開。

注文時もすだれごしで顔が見えないスタッフにオーダー用紙を提出するシステムをとっており、待ちの列ができていない限りは入店から退店まで一人の人間の顔も見ないことすらあります。

今では「おひとりさま」という言葉も使われますが、1993年創業の一蘭は、一人でラーメンを楽しみたい人のインサイトを掴んだ先駆け的な存在とも言えるでしょう。

②SUNTORY プレミアムモルツ

矢沢永吉さんのCMがとても印象的なプレミアムモルツ。

コスパの良い発泡酒が猛威を振るう中、「特別裕福ではないけど、たまには家で美味しいビールが飲みたい!」というインサイトを持っていた層に向けてマーケティングをおこなった結果、これが大ヒット。味や製法にこだわりを持ったビールを指す「プレミアムビール」という造語も生まれました。

③Net Flix 2019GWの広告

2019年、前代未聞の10連休が大きな話題となったゴールデンウィークに向けて、Netflixが打った広告がコチラ。

「10連休は海外旅行に行かなきゃ損!」という声が多く上がった中、待ったをかけるように「休日は本当はおうちでゆっくりしたいよね…」というインサイトを持った層を狙いすました広告です。

インサイト分析をマーケティングに生かし、消費者の心をつかもう

インサイトを踏まえたマーケティング施策は上手く成功すれば、深くユーザーの心に刺さり、「ファンになってくれる」「商品を買ってくれる」消費者を増やすことに繋がります。

日常のふとした瞬間に、インサイトを発掘する瞬間は眠っているかもしれません。

常に「なぜか」を意識的に考える機会を作り、なにかマーケティングに生かせる発見は無いか、日頃から考える習慣をつけましょう!

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