「うちの商品について、顧客はどう感じているんだろう?」「自社は顧客にとってどんな企業なんだろう?」…そう疑問を持ったことはありませんか?
企業の立場で自社の商品や会社について詳しく知っていても、実際に商品を利用する顧客の意見は見えにくいものです。
そこで顧客のリアルな声を集めるのに役立つのがアンケート。今回はマーケティングに活かすためのアンケート調査のやり方や費用などについて解説します。
マーケティングや論文にも有効なアンケート調査
「アンケート」は誰もが聞いたことがある言葉ですが、日本語でわかりやすく言えば「質問調査」という意味になります。
アンケート調査は直接顧客の意見を聞く方法として、昔から行われてきたマーケティング手法です。実はマーケティングだけでなく、大学生や研究者の論文にも頻繁にアンケートが活用されています。
対象者に質問を投げかけ、その回答を集めていくのが基本。紙でのアンケートはもちろん、最近はWebアンケートやSNSアンケートなども普及し、より手軽にアンケートを集められるようになっています。
「アンケート」と「調査」の違いとは
ところで、「調査」と「アンケート」って同じように聞こえますよね。この2つの違いや意味合いをもう一度詳しく見てみましょう。
アンケートは「質問」をすることで、対象者の属性(年齢や職業など)、意見、要望などを集めることができます。
一方で調査とは、ある事柄を明らかにする、疑問を解決するために何かを調べること。調査の中にはWebで検索したり、自分の足で下見に行ったりなど、様々な方法が含まれています。
つまり調査の中の1つの方法として、アンケートがあるということなのです。
アンケートを使った調査方法・手順
「顧客の意見を聞いて商品・サービスに反映させるために、アンケートをしましょう!」と突然言われても、まず何をどうすればいいのか迷いませんか?
そこで、アンケート調査の手順やポイントなどを解説します。ぜひあなたのアンケート調査に役立ててください!
調査目的を明確にする
アンケートの肝は「何を質問するか」にあります。顧客に聞きたいことはたくさんあるかもしれませんが、長すぎるアンケートは面倒ですよね。
そこで、質問事項を絞り込み、的確な質問をするために調査目的をハッキリとさせておきましょう。いきなり調査票を作るのではなく、目的を掲げ、ゴールを設定したうえで質問を考えるのです。
どこで誰をターゲットにするか
続いて、「そのアンケートは誰に答えてもらいたいのか?」も重要ポイント。アンケートのターゲットを決めたら、街頭アンケートか、Webアンケートかなど、どこで回答(サンプル)を集めるかも考えます。
例えば地域に根ざした地元のお店であれば、Webで県外の人にアンケートを取ってもビジネスには活かしにくいでしょう。それなら駅前でターゲット層らしき人を狙って、街頭アンケートに答えてもらうのが正解です。
逆に全国各地に商品を流通させているなら、ターゲット層がチェックしそうなWebサービスやSNSからWebアンケートに誘導し、回答をもらいましょう。
調査票を作成!調査設計のポイント
目的・ターゲット・調査の場所を決めたらいよいよ調査票の作成です。その際、次の4つのポイントを意識しましょう。
フォーマットと設問数
まずはアンケートのフォーマットと、大体の設問数を決めます。
Webアンケートなら無料のアンケートサービスを活用すれば簡単にフォーマット作成ができますが、紙でのアンケートでは回答欄の大きさや、質問の流れなどに工夫が必要です。
また、見落としがちなのが設問数。設問が多すぎると回答率が下がる傾向にあります。特に子供を連れた母親や忙しいビジネスマンなどを対象にする場合、必要最低限の設問のみとしましょう。
個人の特定
そのアンケートでは個人の特定は必要でしょうか?例えば後から満足度の低いお客様へのヒアリングやダイレクトマーケティングを行ったり、抽選や謝礼の送付などが必要な場合には、名前・電話番号・住所などの記入が必要となるでしょう。
しかし、顧客は自分の個人情報を開示するのに抵抗があり、何よりも長い住所を書くのが面倒だという人もいます。
あくまでサンプル集めがメインで、個人の特定が不要な場合はそういった設問は省いてしまってOKです。
言い回し・言葉遣い
アンケートの設問では、言い回し・言葉遣いも重要です。
「○○はどう思いますか?」よりも「○○についてどう感じますか?」
「○○を教えてください」というときには「差し支えなければ○○を教えてください」
という方が丁寧な印象があります。アンケートの設問からでも企業のイメージは左右されやすいので、イメージダウンするような言葉を使わないようにしましょう。
謝礼
アンケートの回答率を上げるには、謝礼を用意するのがおすすめ。顧客はアンケートに答える際に、その分の時間を割いています。また、顧客の意見でビジネスの改善に繋がることもあるので、そのお礼として何か用意しておきたいですよね。
謝礼にはティッシュや日用品など使いやすいものが良いでしょう。豪華な謝礼を用意する場合には「抽選でテーマーパークチケットプレゼント」という形を取るのも回答率が上がりやすいです。
役立てるための分析方法
調査票や謝礼を用意したらいよいよアンケート調査実施です。しかし、集まったサンプルはきちんとビジネスに役立っているでしょうか?最後に、アンケートをマーケティングに活かすための分析方法「クロス集計」をご紹介します。
クロス集計とは、アンケートの設問1つに対して細かく分析する方法です。
例えばある設問の「はい」の回答数が100だとしたら、そのうち男性が20、女性が80と集計されました。ここから「女性の方が○○である」という分析ができますよね。
さらに80の女性の年齢層を分け、「20代よりも30代の方が○○である」という分析もできます。
設問の回答を突き詰めていくことで、次のマーケティング戦略も思い付きやすくなるのです。
アンケート調査会社に外注するときの費用の相場
アンケート調査を自社で行う場合には、それほど費用をかけずに実施できるでしょう。しかし1000件以上のサンプルを集めたいときや、時間的な余裕がないときは、アンケート調査会社に外注することも可能です。
その際の相場は設問数・目標サンプル数・調査方法、場所(Web、街頭など)・納品物で変わります。
例えば15問、600サンプル、関東4県、データから集計表まで納品で実施する場合、約35万円から。料金を安く抑えたい場合には、10問、100サンプルで9万円でも発注可能です。
どこまで依頼するかで料金の変動が大きいため、事前に見積もりを取ると良いでしょう。
英語でアンケート調査をしたいときにも便利
外国人を対象として、英語でのアンケート調査も用意したいときってありますよね。しかし英語力に自信がない場合、アンケート調査会社に依頼してしまうのもアリです。
アンケート調査会社はアンケートに関するノウハウを熟知しており、目的を果たすためにはどんな設問をすればいいのかを教えてくれます。費用はかかりますが得られる結果は大きいため、ぜひ検討してみてくださいね。
調査サイトでアンケートのサンプルが手に入る!
アンケートで必要なサンプルを集めるのは時間がかかるもの。アンケート調査をする時間的・金銭的余裕がなければ、無料の調査サイトのアンケートを参考にしてみるという方法もあります。
例えば大手会社「マクロミル」では、自社で行ったアンケートの集計結果を公表しています。
また「調査のチカラ」では、1つのサイトの中にあらゆる外部サイトのアンケートデータがまとめられており、ポータルサイトとして活用できます。
こうした調査サイトのデータでも、しっかりと分析することでマーケティングに活かすことが可能です!
アンケート調査結果をビジネスにどう活かす?
アンケート調査を行うことで、顧客に直接自社の商品に関する意見や企業イメージを聞いたり、取り組んでほしい要望を教えてもらうことができます。それを活かすためには、調査票を作成する過程が大切です。
しかし、せっかく良いアンケートができたのにビジネスに活かせないままではもったいないですよね。アンケート調査を行うなら、目標と合わせて「どう活かすか?」も一緒に考えて実施してみてください!