ステマとは?ステルスマーケティングのリスクと避けるべき理由

Webマーケティング、中でもインフルエンサーなどを起用したクチコミマーケティングの展開にあたって注意しなければならないのが「ステマ」の存在です。

流行語にもなったことで知名度はそれなりに高い「ステマ」について、今回はその手法や法体制といった詳しい情報をご紹介。とくにステマのリスクについて詳しく説明するので、マーケティング担当の方はぜひ参考にしてみてください。

 

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ステマとはどんなもの?

 

モラルに反するステルスマーケティングとは

ステマとは「ステルスマーケティング(Stealth Marketing)」の略語であり、アンダーカバーマーケティング(Undercover Marketing)とも呼ばれるマーケティング手法のひとつです。日本語では「やらせ」や「サクラ」が近いものとして挙げられるでしょう。

ステマは2012年のネット流行語大賞で金賞を受賞するなど、知名度も高くなってきた言葉ですが、これは同時にステマが社会問題のひとつになりつつあることも示しています。

と言うのもステマとは、実際には金銭の授受などの関係がある宣伝活動・販促活動であるにも関わらず、それを隠してあたかも無関係かつ中立な第三者を装って、製品やサービスを褒めたり勧めたりするというマーケティング手法だからです。

この「隠して」、つまりステルスな部分が、きわめてモラルに反するものとして消費者や社会に受け止められているのがステマという存在なのです。

 

ステマのおもな手法

やらせやサクラという言葉があることからもわかるとおり、ステマに相当する行為自体は昔から存在しますが、現在のステマはおもにインターネット上のサービスを利用して展開されます。

おもなステマの手法としては

  • カスタマーレビューなど、ユーザーが評価を投稿できるシステムを利用する
  • 芸能人やインフルエンサーがSNSやブログなどで紹介する
  • クチコミサイトに投稿する
  • アフィリエイトを利用する

などが挙げられます。

有名なステマの実例としては、飲食店のランキング・クチコミサイトである食べログで、投稿システムを悪用した業者によるステマが行われた「食べログ事件」や、ソニー・ピクチャーズがデビッド・マニングという架空人物に映画を絶賛する評論を書かせた「デビッド・マニング事件」などがあります。

 

ステマが行われる理由

消費者や社会には嫌悪されるにも関わらずステマが行われるのは、“発覚さえしなければ”非常に効果的かつ低コストで実施できるマーケティング手法だからです。SNSなどを通じてバイラルを起こしやすいのも魅力的に映ることでしょう。

また、必ずしも積極的に騙そうという悪意があるとは限らず、単に倫理観やリテラシーが低いために「便利で効果もありそう」と、危機意識を持たずに手を出してしまうケースもあります。

ただし、社会全体がステマを反モラル行為と見做し、マーケティングにも倫理が求められる時代にあっては、倫理観の欠如はそれだけで大きな問題を引き起こすことになります。

 

ステマの危険性と避けるべき理由

結論から言えば、マーケティングに関わる人は絶対にステマをやるべきではありません。その理由を見ていきましょう。

 

消費者を騙す行為になる

まず、ステマとは基本的に「偽装した客観的評価」を元にしたマーケティングです。

それを隠して宣伝を展開する以上、これは消費者を騙す行為に他ならず、ユーザーに対する重大な裏切りと言えるでしょう。

 

炎上などのリスクが高すぎる

そして、「皆の評価が高いから」「あの人も愛用しているから」という理由で選んだ消費者にとって、それらがウソだったと発覚したらどうなるでしょうか。

インターネットでのバイラルを期待できるということは逆に、「裏切られた、騙された」と感じた消費者による悪い評価も、またたく間に広まる可能性があることを意味します。

これがすなわち「炎上」であり、ステマはぱっと見のメリット以上に、こうした炎上のリスクが高すぎるのです。

 

自社、ブランド、さらには業界全体の信頼性が低下する

いったんステマが発覚して炎上すれば、消費者からの信頼は一気に失われ、購買にも大きな影響が出てしまいます。それまで築き上げてきたブランド価値や、企業そのものへの信頼も、目先の利益のためにすべて失いかねません

さらに、自社だけでなく業界全体への不信感が募る可能性もあり、そうなれば信頼を回復したり、売上を回復するのも、非常に難しいことでしょう。

このように、倫理的な面からも、リスク管理の面からも、そして利益追求の面からも、ステマは危険性が高く絶対に避けるべき行為なのです。

 

ステマは違法になるの?

 

日本ではケースバイケース

じつは日本では、ステマそのものを明確かつ直接的に規制する法律は未だに制定されていません。

しかしながら、ステマという行為が違法という認識はされているため、実際には案件ごとに既存の法律を適用して違法扱いにしているのが現状です。

おもなところでは、景品表示法の優良誤認に該当するものと判断したり、人を欺く行為として軽犯罪法に該当するものと判断される可能性があります

その他、不正競争防止法や医薬品医療機器等法など、ケースバイケースで法律を適用していますが、基本的には違法になると考えて良いでしょう。

 

海外では明確に法規制されている国も

一方、海外ではすでに明確な法規制が行われている国もあります。

たとえば、米国では連邦取引委員会(FTC)が2009年の「広告における推奨及び証言の利用に関する指導1」改定でステマを規制。EUでは「不公正商習慣指令」、英国では「不公正取引からの消費者保護に関する規制法2」にしたがってステマが規制されています。

 

違法でなくても、倫理や信用を優先

日本および各国での法規制について紹介しましたが、企業としての倫理や信用を優先すれば、仮に違法でなくてもステマは避けるべきでしょう。

また、現状ではケースバイケースで既存の法律を適用している日本国内でも、いずれはステマを明確に規制する法体制が整備される可能性が考えられます

 

ステマを行わないためにはどうすれば良い?

マーケティングに携わる人にとって心配なのが、意図せずにステマになってしまうという展開ではないでしょうか。最後に、ステマを行わないようにするための注意点や方針をご紹介します。

 

インフルエンサーの起用には十分に注意

クチコミマーケティングの有用性は広く知られるところであり、昨今はとくにインフルエンサーマーケティングの活用にも注目が集まっています。

一方で、インフルエンサー自身はマーケティングのルールに詳しくないことも多いため、ここで認識ズレや情報伝達の齟齬などがあると、意図せずにステマになってしまう可能性が高いのです。

後述するガイドラインやルールを、広告主である企業側とインフルエンサーの双方でしっかりと認識・共有するように注意しましょう。

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ガイドラインを参考にする

クチコミマーケティング業界の健全育成や啓発を目的に設立された「WOMマーケティング協議会」では、インフルエンサーマーケティングを含むクチコミマーケティング全般に適用できる指針として「WOMJガイドライン3」を公開しています。

このガイドラインの主軸は

  • 関係性を明示する(広告主とインフルエンサーなどの関係性)
  • 偽装行為を禁止する

という点から構成されています。

どのようなケースで関係性明示が必要になるのか、あるいは不要なのか。明示するときにはどのような形で記すべきかなどが具体的に示されています。

たとえば、SNSで投稿する際のハッシュタグの付け方など、そのまま実務に使えるガイドが掲載されているので非常に参考になるでしょう

また、ガイドラインだけでなくFAQも掲載されているので、マーケティングの初心者にもわかりやすくなっています。

 

投稿などのルールを策定して徹底する

上述のWOMJガイドラインはインフルエンサーマーケティングの参考になりますが、あくまでクチコミマーケティング全般に適用されるものです。

実際に施策を展開するにあたっては、自社の施策内容に合わせて具体的な投稿ルールを決めるようにしましょう。

その上で、起用したインフルエンサーに丁寧に伝えてルールを守ってもらうだけでなく、抜けがないようにチェックする体制も整えることが重要です。

十分な備えをして、ステマの危険性を排除しつつクチコミマーケティングのメリットを享受できるようにしましょう。

  1. 参考:https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2009/10/ftc-publishes-final-guides-governing-endorsements-testimonials
  2. 参考:https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/284442/oft1008.pdf
  3. 参考:WOMJガイドライン|WOMマーケティング協議会

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