仕事上のやり取りはメールで済まされることが増えてきましたが、毎日上司に日報を提出する会社もまだまだ多いです。
日報を書くのが苦手な人は、机の前に何十分・何時間も悩んだ経験もあるのではないでしょうか?
また、リモートワークが中心になり関係者全員参加のミーティングが開催しにくい状態だと、メンバーの動きを把握するのに日報が活用できるため、これまで必要なかった人でも日報の提出を求められることも。
これまで書いて来なかったのにいきなり「日報」と言われて何を書くか迷ってしまう人や、めんどくさいと感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、日報を簡単にスラスラと書くためのポイントや例文をご紹介します。
あなたの日報に対する苦手意識を克服するために役立ててみてください。
どうして日報を書くのか?日報の目的とは
日報とは、毎日の業務報告のことです。実際に日報の書き方を紹介していく前に、どうして日報を書かなければならないのでしょうか。
まずは、その目的を確認、理解した上で取り組みましょう。
上司に仕事内容や進捗を把握してもらうため
上司が、実際に部下の顔を見て業務内容を確認できない場合において、日報は非常に役立つツールになります。
上司は、部下が日々何をして、何ができていて、何ができていないのか、心配しています。
日報によって業務内容を確認してもらうことで、上司に安心してもらうだけでなく、業務について的確なアドバイスがもらえることもあるでしょう。
自分の成長のため
日々、業務内容を振り返り整理する日報は、自分のひとつひとつの業務について深く考えるきっかけになります。
昨日と比較して、できるようになったこと、新しくできた課題などを分析してみましょう。
日報によって自らの仕事の仕方を把握し改善していくことで、結果的に効率良く仕事ができるようになり、自身の成長につながります。
直属の上司以外の社員にも自分の仕事内容を知ってもらうため
日報を見るのは、直属の上司だけではありません。
日々の日報を他の上司や社員にも確認してもらうことにより、自分の強みや仕事を認めてもらえることもあるでしょう。
何のために日報を書くのか。目的意識を持って取り組むようにしましょう!
新入社員は押さえよう!基本の日報の書き方
一重に日報と言っても、Wordなどを使った電子日報や紙に直筆で書くアナログな日報まで、その会社によって形式が異なります。どんな日報の形であれ、今まで日報を書いた経験がない新入社員は日報の書き方に迷うかもしれません。
さっそく、基本の日報の書き方をマスターしましょう。
日報の項目や構成
日報に必ず入れる項目は「業務内容」と「所感」の2つです。それに加えて「特記事項」や読んだ人が記入する「コメント欄」が入ることもあります。
- 業務内容
その日どんな仕事をしたのか、どんな成果を出したのかなど、1日の業務内容を書きます。 - 所感
業務の中で気付いたことや問題点、課題などを書きます。 - 特記事項
不安に思っていることや相談したいことなど、業務内容・所感に当てはまらない事項を書きます。 - コメント欄
上司など読んだ人が記入する部分になるため、空欄にして提出します。返ってきた日報のコメント欄で上司からのアドバイスや改善点を読んで、次の業務に活かしましょう。
また日報の構成も、スケジュール帳のように時系列型で業務内容を書くもの、端的に箇条書きで書くもの、シンプルにそれぞれの項目用の枠がついたものなどがあります。
どんな構成でも①業務内容→②所感→③特記事項→④コメント欄の順番にすると書きやすく、読み手もわかりやすいです。ひな形があれば、そのひな形に沿って書いていけばいいでしょう。
チャットで日報の提出を求められる場合
最近のリモートワークの導入により、チャットツール上で日報の提出を求められている人も多いでしょう。
基本的に上司・関係者が把握したいのはあなたが「何をしたか」「業務の成果」「明日以降は何をするか」の3点。
上記の基本項目はこれらの報告を体系的に処理するためのものですので、チャット上での報告であれば形式にとらわれなくても良いでしょう。
ただし、リモートワーク導入直後の企業ではオフィスで全員が集まって作業するよりも効率が落ちてしまうことは少なくないので、どうしたら改善できるかを全員が意識して報告した方が今後の業務改善にも繋がります。
今後の自分の負担を減らすためにも、リモートワーク特有の課題は共有しておきたいところです。
業務内容を書くポイント
業務内容はその日の業務を書くだけなので難しく考える必要はありません。しかし「ミーティング」「資料作成」と書くよりも「春夏の新商品開発ミーティング」「〇〇社へのアピール資料作成」など具体的に書いた方が、後から見返したときにも役立つでしょう。
- どれくらいの時間行ったか
- どれくらいまで進んだか
など、数字や固有名詞を使ってさらに具体的に記載することで、上司もあなたの仕事量を的確に把握できます。
ただし長文でダラダラと書くと内容を把握しにくくなるため、あくまで箇条書きで端的に書くようにしましょう。
所感を書くポイント
所感にはその日気付いたことや課題点などを書きますが、やりがちな失敗が、感想文になってしまうことです。
NG例
「ミーティングの時間が30分長引いたので疲れた」
「プレゼンで内容を忘れてしまって恥ずかしかった」
…これは感想です。
OK例
「ミーティングの時間をオーバーしてしまうので、もっとスムーズに進行するには司会が必要かもしれない」
「プレゼンでのド忘れを防ぐために、自分の資料にはカンペをつける」
…このように、課題と自分が思う改善点を書くのが所感のポイントです。
所感では日報の書き手の力量が試される部分ですから、自分や組織の今後に役立つ内容を書くように意識してみましょう。
1日の業務の終わりに日報を書く場合、その日の所感が出てこないこともあります。そんなときには日中思いついたときに軽くメモしておき、メモを見ながら日報にまとめれば机の前で何十分も頭を悩ますことはありません。
日報の例文とテンプレート
ここで様々な業種の日報の例文をご紹介します。例文をそのままテンプレートとしても使えるので、ぜひ参考にしてみてください。
事務職の業務日報
事務職は1日社内にいることが多く、周りの様子を観察できるのが特徴です。そこで日報には自分のことだけでなく、他の社員の手助けになるようなことを所感に書くと良いでしょう。
また社内での共有事項を伝えることも多い役職。口頭で伝えるだけでなく、日報に記載して残しておくことでリマインドすることができます。
営業職の営業日報
営業職は売上目標を設定していることも多いため、業務内容に加えて数字の進捗を入れると過去の実績と比較ができます。
さらに所感では「よかった点」「改善点」の2項目を準備し、自分を客観的に見て評価できるようにしておくといいでしょう。
建設業作業日報
建設業は複数の現場を管理するため、作業日報の提出が欠かせません。マネージャーがしっかり管理できるよう、より具体的に日報を書く必要があります。
労務管理を徹底するために、日報には始業時間と終業時間、残業時間を記載しましょう。作業内容は箇条書きで細かく書いていくことで、自分も日報の読み手もどこまで作業が進んだかを把握できます。
アパレル・販売系の現金日報
アパレルなどの販売職では現金日報(現金出納帳)を付けます。これは現金の動きを明確化して店舗での利益を出すだけでなく、横領などの不正を防ぐ効果もあるのです。
記載すべき項目は
- 現金の動き(残高、預け入れ、引き出し)
- 預金の動き(定期預金、当座預金、普通預金)
- その他のお金の動き(小切手、手形)
- 特記事項
の4つです。
テンプレートを用意しているところが多いため、そのテンプレートに沿って間違いの無いように日報を書いていきましょう。
メールで日報を送るときの例文
最近はメールで上司に日報を送る企業が増えてきました。ただし上司は日々大量のメールを受け取るため、日報を送信する際にはそれが日報だとわかるような文面にする必要があります。
例えば件名にはいつ、誰の日報なのか日付や名前を入れ、他のメールと区別できるように【 】等の記号で囲みます。本文は無駄を省いて短く、わかりやすく書きましょう。
件名:【4/20日報】日報太郎
本文:
〇〇課長
本日の作業日報、報告いたします。
ご確認ください。
(日報の文書ファイルを貼り付けるか、ここに日報の内容を直接記載する)
以上
営業部 日報太郎
頑張りが伝わる日報の書き方で正当な評価と自己成長
業績の見えにくい仕事をしていると「頑張っているわりに評価されていないな」と感じることはありませんか?そんな努力に見合わない評価は、日報の書き方を変えることで正当な評価に変わることもあります。
また日報は高い評価を得るだけではなく、自分の成長を助けるツールでもあることを忘れてはいけません。その意識を持って日報に取り組むことで、数年後には大きく成長できるでしょう。