OJTとは? 教育手法のメリット・デメリットをわかりやすく解説

2020 2/13
OJTとは? 教育手法のメリット・デメリットをわかりやすく解説

OJT(on the job training)は特に人材採用や社内教育といった場面でよく聞く言葉です。メジャーな社員教育手法ですが、成果に繋がりにくいと感じる人も多くいるようです。

実はOJTには具体的な手法が存在しています。適切な社員育成手法により、早期退職やモチベーション低下を防ぐことが可能になります。詳しく見ていきましょう。

目次

OJT(on the job training)とは

OJT(on the job training)は現任訓練ともいいます。

新人や未経験者に対して、上司や先輩が指導役となって実際の仕事を通して必要な知識や技術を教育する研修方法です。

OJTを導入している会社はどれくらい?

平成30年に厚生労働省が企業向けに行なった「能力開発基本調査1」によると、平成29年度に計画的なOJTを実施した事業所は65.3%です。

正社員に対する教育訓練は「OJTを重視する」「重視するに近い」企業は73.6%、正社員以外の労働者に対する教育訓練でも「OJTを重視する」「重視するに近い」企業は76.8%となっており、日本企業の7割以上が重視する教育方法と言えるでしょう。

Off-JTとOJTの違い

Off-JTとはOff the Job Traininngの略で、仕事の現場から離れ、社内研修や外部研修機関で受ける教育訓練を指します。

新卒社員が集団で受ける新入社員研修や、外部講師を招聘しての管理職研修、特殊な建設機械を扱うためのメーカー研修など、現場の仕事から切り離した環境で集中して教育を受けることもまた重要です。

Off-JTで体型的な知識を身につけ、OJTで実際の仕事を通して理解を深めながら実力を身につけていくことが、理想的な教育の流れといえるのではないでしょうか。

OJTの教育手法

「能力開発基本調査」では、能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は76.8%で、問題の内訳は「指導する人材が不足している」(54.4%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(53.5%)、「人材育成を行う時間がない」(47.8%)が主な理由としてあげられています。

しかし、基本的なOJTの教育手法を会社全体で共有することで、現場の指導役社員の負担を減らし効果的な新人教育が可能になります。

OJTには4つのステップと3つのポイントが存在します。

基本の流れを押さえていきましょう。

4つのステップ

OJTは、第一次世界大戦下のアメリカの造船所で、作業員の訓練プログラム作成の責任者に任命されたチャールズ・R・アレンが開発した4段階職業指導法がもとになっています。

  1. Show…やって見せる
  2. Tell…解説・説明する
  3. Do…実際にやらせてみせる
  4. Check…評価・追加指導を行う

これらのステップを実際の業務ごとに細かく当てはめて行います。

一つの業務だけ教えて「後は同じようにやって」と放置したり、最後のCheckが不十分になると、教育を受ける側は「ちゃんと教えてもらえない」と受け止めてしまい、ストレスやモチベーション低下に繋がるので注意が必要です。

OJT3つのポイント

OJTを実施するにあたり、新人と指導役だけではなく、組織全体で押さえておきたい3つのポイントがあります。

  • 意図的…どのような目的でトレーニングを行うのか認識する
  • 計画的…十分な計画を立ててからトレーニングを行う
  • 継続的…1度きりではなく、反復的・段階的にトレーニングを実行する

特に「計画的」であることは非常に重要です。

研修を受ける新人側だけでなく、研修に時間を費やす指導役社員が抱える本来業務をどうするかという部分まで計画の中で検討・対処しておかないと、OJTの質と現場の士気の双方が低下します。

OJTのメリット・デメリット

OJTには導入するメリットとデメリットが存在します。事例をもとに見ていきましょう。

OJTのメリット

OJTでは、新人に対して現場で一緒に働く先輩にあたる社員が指導役を担当することが多く、実際の仕事を通して実践的な知識・スキルが身につくのが大きなメリットです。

たとえば、営業に同行して実際の商談に一緒に取り組む、同じパソコンを見ながら一緒に業務を進めるなど、座学の研修では学べない実践的なノウハウは大きいでしょう。

また、業務を通してフィードバックをすぐに受けられる、指導役社員を通して社内・取引先との人間関係を早期に構築できるのも大きな利点です。

OJTのデメリット

日本では多くの会社がOJTを取り入れつつも、実際は「新人研修の余力がない」「現場まかせ」という実態である場合も多く、指導役の担当者の負担が大きくなっています。

本来業務に加えて新人教育の負担が増えると、その指導役社員だけがオーバーワークになり、結果として本来業務も新人教育も共にパフォーマンスが低下してしまいます。

これはOJTのデメリットといえます。

また、指導役の担当者によっては、指導のつもりが強い叱責やパワハラに繋がってしまう場合もあります。

そのような理不尽を「上司ガチャ」と呼んで、早期転職を検討する若い世代も増えています。

OJTの指導役社員への教育

現場でOJTを担当する指導役社員は「新人教育のプロ」ではありません。

教育担当としての研修を受けていない場合も多く、指導能力・指導方法に大きなばらつきがあります。

指導力のない担当者に放置された部下と、指導力の高い担当者のもとで教育を受けた部下では、その後の成長も評価も大きく差がついてしまいます。

OJT担当者より上位の管理者は、現場でOJTを担当する指導役社員を適切にマネジメントする必要があります。

  • 指導方法の研修
  • 本来業務の軽減
  • 指導業務に対する評価・インセンティブ

といった運用面で整備しなければならない項目もあります。

単なる現場任せではなく、組織全体で計画的にOJTに取り組むことで、新人の定着のみならず指導役社員の能力アップも期待できるのです。

  1. 参考:厚生労働省資料
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