リードナーチャリングで顧客育成!基礎と具体的な方法を解説

マーケティングに携わっていると、たびたび耳にする「リードナーチャリング」。

あなたはどういう意味か説明できるでしょうか?

今回はリードナーチャリングの意味や基礎、そして具体的な施策の方法を解説します。

事例も取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

リードナーチャリングとは?

「リードナーチャリング」を英語で書くと「Lead Nurturing」となります。

マーケティングにおける「Lead」とは見込み客のこと、そして「Nurturing」は「育てる」「管理する」という意味です。

つまりリードナーチャリングとは、見込み客を管理し、育てること。

もっと詳細に言えば、見込み客の購買意欲を高めるアプローチを行い、商品やサービスを購入・利用するようになるまで育成することです。

リードナーチャリングは育成のフェーズ

見込み客を獲得し、見込み客を顧客に育成するまでには3つのフェーズがあります。

  1. リードジェネレーション(集客)
    集客を行い、見込み客を集めるフェーズ
  2. リードナーチャリング(育成)
    集めた見込み客を育成するフェーズ
  3. リードクオリフィケーション(絞り込み)
    見込み客の中から、さらに購買意欲の高い見込み客を選別するフェーズ

リードナーチャリングは真ん中のフェーズに該当し、リードジェネレーションとリードクオリフィケーションを結びつける重要な役目を持ちます。

リードナーチャリングを行うことで見込み客の絞り込みを行い、より購買の可能性が高い見込み客へのアプローチを強化し、顧客獲得につなげるのです。

BtoCとBtoBのナーチャリングの違い

リードナーチャリングでは、基本的にBtoCとBtoBでのアプローチはほとんど同じです。

BtoCで取り組む手法はBtoBでも実行可能ですし、その逆も然り。

ただし、リードナーチャリングに媒体を活用する場合はBtoC向け/BtoB向けがあります。

SNSを利用するナーチャリングはBtoCの方が最適ですし、電話でのナーチャリングなら電話を嫌う人も多いため、BtoBの方が向いています。

BtoCかBtoBか、もしくはどの媒体を使いたいのかによって、ナーチャリングの施策を決めていきましょう。

リードナーチャリングの具体的な方法

続いて、リードナーチャリングの具体的な方法やポイントをご紹介します。

5つのステップを把握する

リードナーチャリングを行うためには、まず5つのステップを把握しましょう。

  1. 集客した見込み客の情報をまとめる
  2. その商品はどんなプロセスを経て購入されたのか?を見直す
  3. 見込み客を「サイトに訪れた」「問い合わせページを見た」などにランク分け
  4. 見込み客のランクごとにアプローチする
  5. 購買意欲が高い見込み客にクロージング

実際に見込み客に対してアプローチを行い、購買意欲を高めていくのはステップ4です。

それまでに見込み客の情報をまとめたり、ランク分けしたりなどの準備をしておきましょう。

見込み客のスコアリング

見込み客のスコアリングとは、ステップ3にあたります。

例えばWebサイトに訪れた見込み客の行動をトラッキングし、行動履歴からその見込み客の購買意欲を次のように点数で割り出します。

  • Webサイトに訪れた 10点
  • 商品紹介ページを見た 20点
  • 商品紹介ページを回遊した 1ページにつき5点
  • 一度離脱したが、時間を置いて再度訪れた 40点
  • 問い合わせページを開いた 50点
  • お問い合わせや資料請求をした 60点
  • 資料が届いた後に再度Webサイトを訪れた 70点
    など

このスコアリングで算出したスコアが高いほど購買意欲が高い見込み客ということ。

購買意欲が高い見込み客に絞ってアプローチを行うことで、大幅にコストを削減しつつも、成約率を高めることができます。

メールや電話を活用するインサイドセールス

メールや電話を活用するインサイドセールスによって、顧客を育成する手法があります。

メールならメルマガが主力。

Webサイト等で情報を一部提供し「さらに詳しい内容はメルマガで!」というように、メルマガの登録へ誘導します。

メルマガでは見込み客にとって有用なコンテンツを定期的に提供してくことで、見込み客と何度も接触する機会をつくり、クロージングへと誘導します。

段階的に見込み客の購買意欲を高めるステップメールの手法が有効でしょう。

電話でのインサイドセールスの場合、あまり購買意欲が高くない相手に対してはほとんど効果がないどころか、嫌悪されることも多いです。

電話をするなら「購入寸前だけど、何かが引っかかって踏み出せない」という見込み客に対して行うのが良いでしょう。

電話で直接話すことで見込み客は疑問点を聞きやすいですし、見込み客のニーズも伺えます。

セミナーや展示会の開催

セミナーや展示会は見込み客を集客するフェーズでよく取り入れられていますが、リードナーチャリングでも有効です。

例えば最初のセミナーで集客した見込み客に、次の関連セミナーを紹介する。

そのセミナーにも参加した見込み客であれば、それなりに購買意欲も高いということになります。

また展示会に訪れた見込み客に対し、電話でのインサイドセールスを行うのも効果があります。

一度展示会で顔を合わせた人であれば電話に対する拒否反応はほとんどなく、リードナーチャリングを行いやすいと言えるでしょう。

マーケティングオートメーションがあると便利

マーケティングオートメーション(MA)とは、見込み客の情報を一元管理し、デジタルチャネルでのマーケティングを自動化、可視化するツールのことです。

自作したExcelで見込み客情報を管理するのは大変手間がかかり、精密なデータを取れません。

MAでは一度情報を入力すれば、あとは自動的にトラッキングや分類をしてくれます。

セールスフォース」などが有名です。

リードナーチャリングを効率化できるため、ぜひ導入してみてください。

リードナーチャリングの事例から手法を学ぼう

リードナーチャリングを成功させた事例として、BtoBマーケティング用ソフトウェアを開発・運営しているOktopost社の事例があります。

Oktopost社は1つのツール・手法にこだわらず、さまざまなリードナーチャリングに取り組みました。

  • リターゲティング広告により見込み客と接触する機会を増やし、ザイオンス効果により自社に対して好意や親しみやすさを持ってもらう
  • 無料版の製品を使った見込み客をランク分けし、メルマガでそれぞれのランクにあったメッセージを送信
  • SNSを通して社内の取り組みや有用な情報を発信し、見込み客とコミュニケーション
  • インサイドセールスでは、見込み客の行動や問い合わせに対して柔軟に対応し、積極的にコミュニケーションを取るなど

その結果、リターゲティング広告では見込み客から顧客に成長するまでの期間が125%短縮され、メルマガでは顧客になった見込み客数は2.3倍、売上は230%の増加などの効果がありました。

リードナーチャリングでは、Oktopost社のようにさまざまな手法を取り入れることで、多方面で見込み客にアプローチしていくことも大切です。

リードナーチャリングに関するおすすめの本

リードナーチャリングや、それに付随するリード獲得・MAについて学ぶならぜひ本を読んでみましょう。ここではおすすめの本を3冊ご紹介します。

リードビジネス“打ち手"大全 デジタルマーケで顧客を増やす 最強の戦略 86

リードを集めることにばかり躍起になり、リードを活用しきれていない人におすすめの本です。リードナーチャリングの具体的な手法やクロージングに結びつけるまでのポイントなどが詳しく解説されています。

The Customer Journey 「選ばれるブランド」になる マーケティングの新技法を大解説

あわせて読みたい

リードナーチャリングについて学べば、自ずとカスタマージャーニーの重要性を理解します。

この本ではカスタマージャーニーに焦点を絞って解説されていますが、リードナーチャリングと関連付けながら読むことでより高いナーチャリング効果を期待できるでしょう。

マーケティングオートメーション入門

リードナーチャリングを行うにあたって、MAの導入を検討している人はこちらがおすすめ。

MAの選び方からリードの活用法などが解説されており、特にリードナーチャリングとリードクオリフィケーションの内容はかなり濃いため、参考になるでしょう。

購入へ繋げ、LTVを高めるためのリードナーチャリング

見込み客にアプローチし、商品やサービスを購入してもらう。

しかし、それで終わるのがリードナーチャリングではありません。

リードナーチャリングを行うことで見込み客の企業や商品に対する愛着を育てていき、最終的にはLTV(顧客生涯価値)を高めていけるのです。

リードを活用しきれていない人はリードナーチャリングを実践していくといいでしょう。

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