テレワークで生産性を上げる方法
テレワークを導入すると、生産性が向上する。そのはずが、実際は低下してしまっているなんてこと起きていませんか?テレワークの失敗しがちなポイントと向き合えば、社員のモチベーションも上げることが出来るかもしれません。ここでは、3つの失敗例とそれぞれの解決策を提案していきます。今後、急速に定着していきそうなテレワーク。上手く活用して生産性をUPさせましょう!
そもそもテレワークとは?
そもそも「テレワーク=在宅勤務」と間違った概念で認識してしまう場合があります。テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことであり、自宅以外でもカフェやフリースペースなどで働くことが出来るのです。
生産性が上がらない3つの失敗例
テレワークを導入すると、社員一人一人の生産性が上がるというお話を聞いたことはありませんか?実際に生産性をあげることが出来ている企業もたくさんあるのです。しかし、テレワークを導入したにも関わらず、生産性が上がっていないということも…。生産性が上がらないのには理由があります。ここからは3つの失敗例を紹介していきます。
①社員同士のコミュニケーション不足
まずは、社員同士のコミュニケーションが不足して、マイナスな結果に繋がってしまうということ。コミュニケーションには大きく3つのタイプがあるでしょう。
1.業務上でのちょっとした相談。テレワークだと相手の返事が遅く問題解決に時間がかかってしまう。
2.休憩にもなる私事のおしゃべり。オフィスでは、休憩にもなる私事のおしゃべりが出来ていて、リフレッシュになりメリハリをつけて働けていた。しかし、リモートワークになってからは黙々と作業を続けるだけで、モチベーションが下がってしまう。
3.新入社員と上司のコミュニケーション。双方間でのコミュニケーション不足により、新入社員は業務の進め方に悩み、上司は新入社員をしっかり育成出来ずにいる。
このようにコミュニケーションを十分に取らなければ、作業に様々な面から支障が出てしまうのです。コミュニケーションをとることは、生産性を上げるためにとても重要なことなのです。
(解決策1)ツールを使って意思疎通を計る
テレワークにおいてもコミュニケーションはしっかり行いましょう。
①業務上のコミュニケーションは「Slack」で。
業務上のコミュニケーションは、便利ツール「Slack」で行いましょう!プロジェクトを進めていく中で、便利なポイントがいくつかあるのです。
●Slackの 便利なポイント
・チーム別、プロジェクト別、顧客別など、組織に適したスタイルでチャンネルを作成することができる。
・メールでの長いやり取りと違い、チームメンバーでは必要に応じてチャンネルに参加し退出することができる。
・PDF、画像、動画など、さまざまなファイルを Slack にドラッグ&ドロップできる。
・メッセージやチャンネルに投稿されたあらゆる内容がすべて検索可能。過去の意思決定の背景をつかんだり、現在対応中の問題に似た内容を調べてその解決方法を確認することができる。
②社員に感謝の気持ちを伝えてモチベーションUP!
「communitio(コミュニティオ)」という企業独自の名称をつけたオリジナル社内通貨を発行できるサービスを活用して、社員のモチベーションを向上させてみませんか?コミュニティオ内にある「Team Sticker」で感謝や賞賛の気持ちを社員に伝え、良い行動の習慣化と社員のモチベーションの最大化を計りましょう!
●communitioの便利なポイント
・「ミッション達成に貢献したら1000コイン」「良い提案をしたら500コイン」「時間通りに出社したら10コイン」など、内容も付与額も自由。=社員の良いことをする習慣化、仕事に積極的になる、モチベーションに繋がる。
・専用アプリを使い社内食堂やオフィスコンビニなどで仮想通貨を利用できる。提携レストランやオフィスコンビニなどでの支払いはQRコード決済方式でスムーズ。
・上司・同僚・部下との送受も可能。送受は専用アプリのほか、Slackなどのサードパーティ経由でも送ることもできます。
●Team Stickerの便利なポイント
・Microsoft Teamsのチャット上で「感謝」や「称賛」の気持ちを表すステッカーをつけたメッセージカードを送り合うことができる。
・投稿された全てのメッセージカードはタイムラインに表示され、他部署や他拠点のグッドアクションを全社で共有することができる。=(上司側)企業内の隠れた人材、部門をつなぐキーマンを可視化することができる=(社員側)努力を評価してもらえるので、モチベーションが上がる。
・誰かが送ったメッセージカードに対して第三者が共感を表すこともできる。=従業員同士で気軽にコミュニケーションをとることができる。
・ステッカーの獲得数や送付数により、インセンティブとして社内通貨(communitio)を付与することが可能。従業員のTeamStickerへの参加動機を強力にバックアップ。
(解決策2)業務報告を義務付けて社員の毎日のTODOを明確にする
また、社員一人一人の毎日のTODOを明確にすることも重要です。複数の業務が重なった時に、今日中に終わらせることができるかなど社員の自己管理にも繋がります。そして、社員が明確な目的意識のもと、仕事に取り組むことができます。上司側は、組織内の進捗状況を可視化でき管理しやすくなります。
業務がスムーズに進んでいない社員に対して声を掛けたり、タスクをこなしている社員を褒めたりとコミュニケーションにも繋がります。
●「Trello(トレロ)」でスマートに社内の業務を管理する
●Trelloの便利なポイント
・Googleアカウントでのログインと、ID・パスワードでのログイン(ID・パスワードの保存あり)の2種類のログイン方法があり、一度ログインすればその後はフリーでアクセス可能。
・案件発生(未着手)から、提案中-対応・選定中―実施準備中―実施中―完了までの進捗が一目でわかる。
・案件別、社員別など様々な分け方でボードを作成することができる。
・無料で使用可能。
(解決策3)テレワークに上限を設定して社員の孤立を防ぐ
毎日テレワークを導入していると、社員の孤立に繋がってしまうかもしれません。週2~3日だけテレワークOK、それ以外の日は出社するなどのルールを設定してミーティングやコミュニケーションを継続的に実施しましょう。直接会って話し合うことで、業務に対する目標を共有し明確にできるのでモチベーションに繋がり、生産性もUPするかもしれません。
②テレワーク慣れしている人としていない人の間でのトラブル
2つ目の失敗は、テレワークを理解している社員と、理解していない社員の間でのトラブルが発生してしまうということ。例えば、上司がいつも紙媒体で書類を求めて来て、デジタルの中でアナログ要素が抜けず結局出社することになってしまうなど。全社員がテレワークにおいて便利なツールがあることを理解しておく必要があります。
テレワークを始める前に、全社員にデジタル文書の閲覧・記入・保管の方法を学ぶ機会や時間を設けてこうした問題を解決するのも大切です。
(解決策)ペーパーレスにもってこいの「NotePM」を使用する
「NotePM」とは、社内マニュアル・業務ノウハウ・製品設計書・議事録など、ナレッジ情報を一元管理する 社内wikiツールです。●NotePMの便利ポイント
・WEB上で簡単にドキュメントが書ける高機能エディタやテンプレート機能。ITツールに慣れていない人でもすぐ使える。
・フォルダ構造で情報を整理しやすく、Word・Excel・PDFなど、ファイルの中身も全文検索。ほしい情報がすぐ見つかる。
・組織規模に応じて柔軟に権限設定できる。参照専用やゲスト権限など、社外メンバーとの共有にも便利。
・コメント機能付き。日報や議事録のフィードバックや書類に対する質問など気軽にコミュニケーションができる。
・既読情報付き。「あのドキュメントは見た?」の確認が不要になる。
・スマホやタブレットでも同様の作業ができる。
・国際化対応。外国人メンバーや時差のある海外拠点メンバーにも使いやすい。
③見えないところで無理に残業をして自由な時間が妨げられている
テレワークは目の行き届かないことも多く、終業したと日報で報告した後に残業をしてしまう社員もいます。残業をしてその疲れが翌日にも響き、結果として生産性が低下してしまうことも…。見えないところであっても、残業をさせない工夫が必要です。
(解決策1)企業側→「裁量労働制」という働き方にシフトチェンジする
企業側は、残業という概念が少ない「裁量労働制」という働き方にシフトチェンジしてみるのも一つの手です。
裁量労働制とは、仕事の仕方や時間配分などについて、会社から指示されるのではなく、労働者本人が決定できる制度のことです。決められた時間に出勤し、何時まで働くというルールはなく時間に縛られずに働くことが可能。また、実際の勤務時間が何時間であろうと、労使協定で定めた時間分は労働したものとみなして、賃金計算が行なわれます。
(引用:エン転職サイト・「裁量労働制とは?」
裁量労働制には、「①専門業務型」と「②企画業務型」の2種類があります。
①の専門業務型は「費やした時間=成果」ではない職種に適応することが出来ます。1日8時間働いたからといって成果を出すことが出来るとは限らず、数日で良い案を出して成果が出せるという時間で制限出来ない職業に適応されます。
②の企画業務型は、企業経営・事業運営に直接影響するような企画立案・調査・分析などの仕事を行なう職種で、会社の管理職などに適応されます。
裁量労働制にしても、深夜・休日手当は出ます。しかしこれを狙って働くのは会社側から指導を受けるでしょう。
(解決策2)働く側→長時間労働になってしまう原因を解決する
①「Timer Tub」を使用して、タスクに時間制限を設ける。
「Timer Tub」を使用して、一つ一つのタスクに時間制限を設定しましょう。ダラダラ仕事しなくなり、自己管理が出来るようになります。複数のページを開いていても、タブ欄に残り時間が表示されるのも一押しポイントです!
② 締め切りのないタスクは、自分でスケジュールを設定する。
締め切りのないタスクは、自ら今週分、今月分などスケジュールを設定して上司に提出することをオススメします。この日までに完成させないといけないから、今日は◯◯をしなきゃ…!と自己管理が出来ます。スケジュールを設定することで、毎日のTODOリストも詳しく明確なものになります。
生産性が上がる3つの理由
失敗談もありますが、テレワークを導入して実際に生産性が上がった企業も数多くあります。ここからは、どうして生産性が上がるのか3つの理由を紹介します。
①社員が好きな環境で働けて集中して作業が出来るから
一つ目は、社員一人一人が自分の好きな場所で働くことが出来ること。自宅とは限らず、自分が集中出来る場所に移動して働くテレワーカーが増加しています。オフィスでは周囲の目が気になったり、他の人と比べすぎてストレスになったりするという悩みもテレワークで解決出来ます。
一人で集中出来る分、自己管理や遠隔でのコミュニケーションが重要になります。上記で紹介した方法でテレワークのメリット・デメリットと上手に付き合い生産性を向上させましょう!
②通勤時間が省けて、すぐに始業・終業することが出来るから
二つ目の理由は、電車やバスなどの通勤に時間を使わず、すぐに作業出来るから。毎朝早起きして、長時間の満員電車に乗ったり、公共機関の遅延で始業時間が遅れてしまったりという通勤に関する問題も関係無くなります。起床してすぐに作業に移ることも出来ます。終業した後も、すぐに食事やお風呂に使ってリラックス出来ますよね。
自分で時間をしっかり管理して毎日のTODOを明確にし達成していけば、生産性もUPさせることが出来ます。
③子育てや介護などとの両立が出来、優秀な人材確保にも繋がるから
最後の理由は、子育てや介護などとの両立が出来ること。また、そういった理由で退職をしてしまう優秀な人材を退職させずにすむことです。育児や介護による離職数の減少を防ぎましょう。介護が理由で、遠方に引っ越すことになった優秀な社員も、テレワークなら手離さずにすみます。
また、これから優秀な新しい人材を確保するのにも、テレワークを導入することは大切になってきます。会社のイメージアップにも繋がりますし、新しい人材の確保において、「女性だけでなく男性も育児に積極的に参加できる環境かどうか」は重要なキーポイントです。
EDiTとしての見解とまとめ
オフィスワークだろうと、テレワークだろうと生産性を上げるために必要なのは、社員一人一人のモチベーション。遠い場所で社員が働いていても、共に協力しているということを感謝の気持ちを伝えるツールやコミュニケーションツールを活用して伝えるべきですね。
また、テレワークで生産性を向上させるには、企業側の対策と、社員一人一人の対策が必要です。
●企業側のチェックポイント
・現状のテレワークシステムで社員が働きやすくなっているか。
・業務管理や労務管理が整備されているか。
・セキュリティの確保はされているか。
・テレワークが原因で起きている社員間のトラブルはないか。
・社員を正当に評価できているか(「communitio」などを活用しましょう。)
・人材育成は成功しているか(コミュニケーションしやすい組織になるよう改善しましょう。)
・定期的に、問題の有無、費用対効果、改善事項の抽出などを点検する。(試行をしながら段階的に拡大するようにしましょう)
●社員側のチェックポイント
・毎日のTODOを明確にしているか、達成出来ているか。
・一つ一つのタスクに時間制限を設けられているか。
・他の社員とコミュニケーションを取れているか。
・残業を無理にしていないか。
・正当な評価がされているか。
現状のテレワークで、上記のチェックポイントに該当することがないか確認してみてくださいね。該当するものがあれば、それを会社全体で改善していきましょう。そうすることで、結果として生産性の向上にも繋がるはずです。