会社案内は文章の書き方で魅力的に変わる!ライティングのポイントと例文を紹介

ホームページやパンフレットに載せる会社案内文、適当に書いていませんか?

会社案内は、会社について紹介する文章。ただ事実や沿革だけをつらつらと書き並べても、読む人の心には響きません。

とはいえ、会社の理念や活動を文章で伝えるのも難しいですよね。

そこで今回は会社案内の文章の書き方と、ライティングで意識したいポイントを解説します。

目次

会社案内の文章にはどんな効果がある?

コーポレートサイトに載せる紹介文であれ、パンフレットの文章であれ、文章の書き方で読む人の印象に残るかどうかが変わります。

では、きちんとポイントを押さえて会社案内文をライティングした場合、宣伝や採用への効果はどのように変わるのでしょうか?

まずはそれぞれ案内文に盛り込みたい要素と、良い案内文ができたときの効果をシミュレーションしてみましょう。

宣伝のための会社案内の場合

会社の宣伝やPRのための文章の場合、その会社がどのような理念やビジョンのもと、どんな活動をしているかを文章で伝えます。

このとき「理念はAです。BとCの活動をしています」と簡潔にしてしまうのは非常にもったいないです。理念やビジョンには必ず創業者や経営者、社員、スタッフたちのパッション(情熱)があるはず。そのパッションを文字に起こすことが大切です。

会社案内文からパッションを感じることができれば、理念や活動内容を多くの人に理解してもらえるだけでなく、メディアからの取材依頼が来ることも期待できます。

より広く認知されれば共感者を増やすことができ、イメージアップやブランディング、そして会社の利益にもつながるでしょう。

採用のための会社案内の場合

採用のための会社案内文の場合、消費者ではなく求職者、場合によっては自社の社員に向けられる文章です。そのため、宣伝のための文章とはまた違った語り口になることを理解しなければいけません。

求職者が仕事に求めるものはなんでしょうか?給与や知名度、社会保障の充実などさまざまですが、やはり“モチベーション”に勝るものはありません。「この会社で働きたい」という動機を、会社案内文に盛り込んでいくのです。

良い案内文ができれば採用が増えるため、優秀な人材の確保に成功します。さらに社員からの好感度が向上し、離職率を低下も狙えるでしょう。

営業のための会社案内の場合

対顧客としての会社案内には、顧客の信頼や安心感を得て契約や購入をしてもらう役割があります。

また、営業の際に会社案内パンフレットを渡したり、営業資料の中に会社案内ページを作ることもあることを想定しなければなりません。顧客の信頼や安心感を得られるポイントをわかりやすく簡潔に文章にしましょう。

営業のための良い会社案内文は、顧客の契約や購入に大きく繋がります。

会社案内の作り方から文章の書き方4ステップ

会社案内文にどんな要素を盛り込めばいいのか、そしてどんな効果を狙ったらいいのかがわかったら、早速ライティングしてみましょう。

ここでは会社案内の文章の書き方を4ステップで解説します。

①「何を伝えるための紹介文」かをはっきりさせよう

その案内文は、何を紹介するものでしょうか?商品紹介であれば、商品の特徴や機能、ストーリーなどを紹介します。商品紹介なら1つ1つが具体的で書きやすいかもしれません。

しかし、ここで書きたいのは会社の紹介文です。前項で「理念」「ビジョン」「パッション」「モチベーション」と解説してきましたが、実はこれらの言葉はとても抽象的で、いざ文字に起こそうとしても詰まってしまう人がほとんどでしょう。

そのため最初はレンズのピントを合わせるように、抽象的な言葉をより具体的にできないかを考えなければいけません。つまり、宣伝目的、採用目的、営業目的のどれかなど「何を伝えるための紹介文か」をはっきりさせるのです。

資料を読み込むよりも、創業者や経営者などにインタビューをして、生の言葉からピックアップし、具体度を上げていくといいでしょう。

読者の「問い」や「疑問」を知る

会社案内には、どんな立場であれ必ず読者がいます。

読者の「問い」に答えていくことが会社案内の目的なので、そもそもこの「問い」を知る必要があります。

読者の立場になって「問い」を挙げていくほか、エゴサーチやアンケート調査などを行うのも効果的です。

インタビューを通して資料を集める

創業者、経営者、スタッフなどへのインタビューを行い、会社案内に載せるための資料を集めましょう。

この資料から「本当に伝えたいこと」が見えてくることもあります。

②記載内容を整理しよう

会社案内文で伝えたいことをまとめられたら、次に記載内容を整理します。

会社案内に記載される項目は意外と多いです。1つひとつの意味を理解していないと、タイトルと本文が合っていない変な会社案内になってしまうので注意しましょう。

会社案内に記載される項目

以下に会社案内によく記載される項目と、それぞれの意味をまとめました。

  • 経営理念:会社の根本的な考え方のこと。いわば、会社の価値観や行動指針、社員1人ひとりの生き方などに関わる。

  • 商品案内:商品の特性やこだわり、ストーリーの案内。取り扱う商品が多い場合には代表商品だけを取り上げて紹介することも。

  • 社員紹介:会社を支える人物たちの紹介。役員や各部署・部門のリーダーたちなどを紹介し、読み手から共感を得る。消費者には“顔が見える”という安心感を持ってもらうことも可能。

  • 社長メッセージ:社長からの直々のメッセージのこと。経営理念を繰り返すだけはNG。社長の写真と共に、直筆の手紙やサインなどを載せることが多い。

  • 会社概要:登記している事業内容や住所のほか、連絡先やお問い合わせ先、支店の所在地、資料など、基本的な情報を記載。

  • 沿革:会社のこれまでの道のりや変遷(移り変わり)のこと。19〇〇年創業、20〇〇年上場など、時系列で書くことが多い。

これらの項目をすべて入れてもいいですし、いくつか省いても構いません。内容が薄くなる項目は省いてしまった方が見栄えが良くなる場合もあります。

必要な資料を手元に準備

先述したインタビューの内容のほか、過去の会社案内や、沿革を記録した資料、写真や動画、公式ホームページに記載の文章などの資料も使えるので準備しましょう。

③アウトラインを作ろう

次にアウトライン(あらすじ、概要)を作ります。

アウトラインは会社案内文の輪郭です。せっかく理念などの内容を言葉にできても、めちゃくちゃな順番で書いてしまっては伝わるものも伝わりません。それを防ぐためのアウトラインです。

さらに、アウトラインはスムーズに文章を書くための補助にもなります。ライティング途中に起こりがちな「次何書けばいいんだ?」「何が言いたいんだっけ?」というつまづきを解消してくれます。

会社案内文を読みやすく、そして内容を理解しやすくするために、文章の構成も大事です。「AはBである。だからCである」といったシンプルかつ論理的な構成も、アウトラインと一緒に作ってみましょう。

各項目に記載する内容を箇条書きでまとめる

アウトラインは会社案内の輪郭になる部分です。

後でスムーズに中身を埋められるように、各項目にどんな内容を記載するのか箇条書きでまとめながら作ると良いです。

文章はテンプレートを使うと簡単

論理的な文章になるように、テンプレートやフレームワークを使うのがおすすめです。

PREP法や、後述する三行作文術の「AはBである。だからCである」が使えないかアウトラインを作る時点で検討してみましょう。

④シンプルでわかりやすい文章を書こう

①〜③まではいわば準備編。そう、会社案内文を書くためには、ここまでの準備が8割を占めています。そして最後の④のステップで文章を書き始めます。

最後の2割でここまでの準備を無駄にしないように、シンプルでわかりやすい文章を書くように心がけましょう。

「文章力」というと、上手で美しい文章をイメージする人が多いかもしれません。しかし、読みやすくてわかりやすく、誰もが理解できるのが本当に良い文章なのです。

読みにくい文章の原因や改善方法は以下の記事でも解説しているので、文章を書くのが苦手な人はぜひ参考にしてみてください。

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前項の4ステップだけで完璧な会社案内文は書けません。そこで、会社案内文を書くときに意識することで、より良い文章にするためのポイントも合わせてご紹介します。

読み手の疑問に答えることを意識する

会社案内文を読みに来る人は、目的で何であれ、必ず疑問を持ってやってきます。

  • どんな会社なの?
  • どんな事業をやっているの?
  • なぜこの事業をやり始めたの?
  • 創業者や役員はどんな人?
  • 何で有名な会社なの?

こうした読み手の疑問に答えることを意識しながら、案内文を書きましょう。

また読み手が案内文を読んでいる途中で、新たな疑問が浮かんでくる場合もあります。その疑問にも答えられるような会社案内文にするといいですね。Webサイトの場合は、1ページが長くなるなら間に他ページのリンクを挿入するのもいいでしょう。

読み終えた後、すべての疑問が解決されている状態が理想的です。

最初に重要なことを書く

会社案内文は起承転結で書く人も多いかもしれません。会社のストーリーを伝えるには、起承転結が一番伝わりやすいでしょう。

しかし、頭の「起」から最後の「結」まで読了する人はほとんどいません。それどころか、画面に長い文章が表示されたらスクロールして読み飛ばす人の方が多いです。

そのため、最初に重要なことを書いて読み手の意識を向けてもらいます。ストーリーを伝える場合でも、冒頭の書き出しやタイトルでもいいので、一番伝えたいことを“結論”として書きましょう。

このように結論から書き出す方法を「PREP法」といいます。以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください。

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例文:三行作文術を取り入れてみる

実は、文章というのは三行あれば完結できます。たった三行で読み手に必要な情報を伝えたり、心を掴んだりする方法を「三行作文術」と言います。

三行作文術のアウトラインは次のようになっています。

  1. AはBである
  2. なぜならCだから
  3. ということはDだよね

A〜Dの空欄を埋めるだけで完結していますよね。三行作文術を使って、例として化粧品会社の会社紹介をしてみましょう。

  1. 株式会社〇〇本当に肌に良いオーガニック成分だけを使った化粧品会社である
  2. なぜなら創業者の妹のアトピーを治すために研究と改良を重ね、実際に妹の肌をキレイにしたから
  3. ということは妹のようにアトピーに悩む他の大勢の人にも効果があるよね

簡潔でありながら、とても納得させられる会社案内文になりました。会社案内文が長くなりがちなら、三行作文術を取り入れてみてください。

会社案内作成のテクニック

取材してもらうためのテクニック

メディアに取材され、テレビや雑誌、新聞などで取り上げられると、一気にお問い合わせやアクセスが増え、集客効果があります。

そこで、メディアに取材してもらうためのテクニックも会社案内文に盛り込んでみましょう。

具体的には、会社案内文のページに社内の様子を掲載してビジュアル面を強化してみたり、キャッチコピーを入れてみたり、会社案内と一緒に報道実績を載せたりなど。

取材されるためのテクニックはこちらの記事で詳しく紹介しています。

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ライターへの外注も検討してみよう

社内でライティングが得意な人がいない場合、ライターへの外注も検討してみることをおすすめします。

普段あまり文章を書かない人と、文章を書くことを仕事にしている人の文章には、やはり違いがあるものです。読み手の心に響く会社案内文にするために、プロのライターから取材を受けて、内容を文章化してもらう方がいいでしょう。

ただ、会社のことを一番理解しているのは会社のスタッフであることを念頭に置き、ライターに丸投げしないように注意しましょう。取材などを通して会社の魅力を引き出してもらい、最終的にはスタッフが文章を確認すると良いです。

ライターはクラウドソーシングサイトやwantedlyなどWebの求人サイト、もしくはSNSからでも見つけられますよ。

ライティングのコツを掴んで会社案内文を書こう!

会社案内文をしっかり書くことで、宣伝や採用などに良い影響を与えてくれます。成長している会社ほど、会社案内文に気合いが入っているものです。

会社案内の書き方ステップの振り返りです。

  1. 「何を伝えるための紹介文」かをはっきりさせよう
  2. 記載内容を整理しよう
  3. アウトラインを作ろう
  4. シンプルでわかりやすい文章を書こう

ライティングでは読み手のニーズを汲み取ることが大切です。ライティングのステップやコツを掴んで、より良い会社案内の文章を書いてみてください!

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