新型コロナウイルス感染症の影響で、急速に広まったテレワーク。「この業務、テレワークで完結できる!」と気付いた人も多いのではないでしょうか?
しかしテレワークにもどうしても避けられない課題があります。それは「集中力が続かない」というもの。かといって、毎日カフェやコワーキングスペースに出かけるのにもお金がかかります。
そこで今回は、家でのテレワークに集中するための環境の作り方や、集中して取り組むコツをご紹介します。
テレワークだと集中力が続かない理由は?
オフィスと同じ業務をしているはずなのに、テレワークになると集中力が続かない…。なぜなら、仕事内容は同じでもオフィスと家とではまったく環境が違うからです。
テレワークで集中力が続かない人は、自分が次のどれかに当てはまっていないかを確認してみましょう。
「家=リラックスする場所」という認識が強い
これまでオフィス勤務だった人のほとんどが、家ではご飯を食べたり、ゴロゴロしたり、テレビを見たりとリラックスした時間を過ごしていたことでしょう。
長年家とオフィスとを分けて生活していると「家=リラックスする場所」という認識が強くなります。
そのため家にいると仕事をする気が起きず、勤務時間なのに休日のような感覚で過ごしてしまうのです。
子供や家族に邪魔をされる・気配を感じる
家族と同居の場合、一番の問題が家族からの干渉です。子供に「遊んで」とせがまれる、妻や夫に用事を頼まれる…こうした邪魔が入ってしまうのはテレワークでは避けられない問題です。
また家族が気を利かせて話しかけないでくれていても、気配を感じると集中力が途切れてしまう場合もあります。自分の集中力を高めるだけでなく、家族対策も必要となりそうです。
時間に余裕があると錯覚する
テレワークには出勤もなければ始業・終業時間も定められていないことが多く、言ってしまえば1日の時間を自由に使えます。そのため、時間に余裕があると錯覚する人も多いです。
例えば16時、オフィスならあと1〜2時間で終業であるためその日の業務を早く終わらせないといけません。その焦りが集中力を生み出します。
しかし家での16時は「今日が終わるまでにあと8時間」「また夜にやればいい」と思ってしまいがち。その結果ダラダラ過ごしてしまったり、逆に夜更かしやオーバーワークになったりするのです。
テレワークに集中できる環境の作り方4選
実は「集中するぞ!」と気合いを入れて集中できるほど、テレワークは甘くはありません。まずは自分のテレワーク環境を集中できる環境に整えることが先決です。
ここではテレワークに集中できる環境の作り方をご紹介します。
仕事するため“だけ”のスペースを作る
家の中にはソファスペース、ベッドスペース、キッチンスペースなどがあり、それぞれ用途が異なります。ソファで寝たら体は痛くなり、キッチンでは座ってリラックスできないなど、用途とは違う使い方はできませんよね。
仕事も同じで、ソファやベッドでは集中力が切れやすく、ダイニングテーブルでも家族の気配を感じやすく集中できません。
そこで、家の中に一箇所、仕事するため“だけ”のスペースを作りましょう。デスクやパソコン、その他仕事に必要なものを揃えます。オフィスと同じような環境が望ましいです。
また仕事スペースには、人が通らない場所を確保すること。狭くても良いので(むしろ狭い方が集中力が上がる場合もあります)、どこか片隅に仕事スペースを作りましょう。
デスク周りを整え、物の定位置を決める
テレワークをする前に、まずはデスク周りを整えましょう。ただし整えるのは最初の1回だけだと心得てください。物の定位置を決め、それ以外の場所に物を置かないようにします。
いざ仕事を始めようと思っても、散らかっていたら毎回片付けから取り組まないといけませんよね。片付けているうちに、気付けばやる気も集中力も低下します。
物の定位置を決めれば、使い終わったら定位置に戻すだけですから毎回片付ける必要がありません。最初の1回だけきちんと整理し、常に定位置から仕事をスタートできる環境にしましょう。
家族にスケジュールを共有する
家族から邪魔される問題を解決するためには、何よりも家族にスケジュールを共有することが大切です。
中には家族に仕事の話をしない人もいるかもしれませんが、1つ屋根の下で一緒に過ごす時間が増えるならスケジュール共有は必須です。
「何時〜何時まで仕事しているので、用事は休憩中にね」「○日の△時からはビデオ会議だから、入ってこないでね」と伝えるだけでも、家族に理解してもらえるでしょう。
また子供に「話しかけても良いとき」「話しかけちゃいけないとき」を理解してもらうために、仕事スペースの近くや部屋のドアなどにプレートをかける方法も。プレートにイラストや色で「良い」「ダメ」を表現すれば、小さな子供にもわかりやすくて効果抜群です。
集中力を上げるグッズを取り入れる
実はグッズを取り入れるだけでも集中力を上げることが可能です。
画像引用:Amazon
特におすすめのグッズはプライバシーテントです。
元は屋外等での着替え用テントでしたが、最近はテレワーク用の広いプライバシーテントが販売されています。デスクの上からすっぽりかぶせるだけで、集中できる空間が完成します。
画像引用:Amazon
パーテーションも集中できる環境づくりに役立ちます。外からの視界を遮ってワーク空間が作れるだけでなく、自分の視界を遮ることで余計なものが目に入らないようになり、集中力アップできますよ。
ポイントは習慣化!テレワークに集中して取り組む5つのコツ
環境を整えたら、次は集中して取り組むための習慣化です。ここではちょっとした工夫を習慣化させることで集中力を持続する、5つのコツをご紹介します。
着替えてオン・オフを切り替える
テレワークでビデオ会議もないのなら、わざわざ寝間着から着替える必要はありませんよね。しかし実際には、着替えてから仕事に取り掛かった方がオン・オフを切り替えられるのです。
この「着替えることでスイッチを切り替える」習慣は、日本で教育を受けた人なら誰でも持っています。なぜなら、学生時代に寝間着から制服に着替えて毎日学校に行っていた記憶があるからです。
寝間着はリラックスできる服装ではありますが、きちんと着替えることを習慣化しましょう。
仕事前にルーティンを取り入れる
スポーツ選手が出番の前にルーティンを取り入れているのは、心のざわつきを抑え集中力を高めるためです。仕事でも、始める前にルーティンを取り入れることで集中できるようになります。
ルーティンは自分が心地よいと思うものがおすすめ。一杯のコーヒーを飲む、ジョギングする、シャワーを浴びるなど、朝に取り入れやすいルーティンがいいですね。
ただし数日間ルーティンを入れただけではすぐに集中力は高くなりません。最低でも2週間は続けていきましょう。
時間を区切って作業する
長時間続けての作業は集中力が低下するだけでなく、仕事の質も落ちやすいものです。1時間に1回は休憩時間を入れるなどして、時間を区切りながら作業しましょう。
25分間の集中、5分間の休憩を繰り返すポモドーロテクニックもおすすめ。タイマーなどを使って強制的にでも区切るようにすると、次に取りかかるときにはすぐに集中できます。
数日や数週間にわたるプロジェクトの場合には、自分で細かい締め切りを設けて「続けない」ことを意識するのもいいですね。
起床時間・就寝時間を変えない
通勤がないから、周りに人の目がないからといって、起床時間・就寝時間を変えると生活リズムが狂います。最大限の集中力を発揮して仕事の質を高めることができるのは、生活リズムが一定のときなのです。
特に朝起きてから昼までは集中力が最も高まっている時間帯。そして朝スッキリ起きて仕事に向き合うには、前日の夜にしっかり寝なければいけません。
一定の生活リズムで過ごすようにし、テレワークでも健康的な生活を心がけましょう。
適度に運動する時間を作る
家にこもると歩数も立っている時間も減り、逆に座ったり寝転んだりする時間が増えるため運動不足になりがちです。運動不足が原因で体に不調が起きることも。
そこで、休憩時間などを使って適度に運動する時間を作りましょう。軽くスクワットするだけでも、全身の血流が良くなり頭に血液が届くため、集中力が高まります。
他にも立って仕事をしたり、バランスボールに乗ったりなど、体を動かしながらの仕事もおすすめです。
家でのテレワークは集中力を上げて生産性を高めよう
テレワークでどうしても集中できないときは、まずは環境づくりから工夫してみましょう。環境が整えばやる気も高まりますし、自分の集中力を最大まで引き出せます。
集中力を上げて生産性が高まれば、仕事も早く終わるかもしれません。その余った時間を勉強や家族との時間などに有効活用できるのもテレワークの醍醐味です!
テレワークに集中できる環境を整備して、仕事の質を高めていきましょう。