テレワーク中に日報って必要?成果が見える日報の書き方とは

新型コロナウイルスの影響で必要に迫られ、テレワークや在宅勤務を導入する企業が増えています。

ニューノーマルな働き方として急速に広まっているテレワークですが、業務管理のために日報の提出を義務付ける企業も。

しかし、「日報を書くのがめんどくさい」「日報に書くことがない」というのが、従業員の本音ではないでしょうか?

今回はテレワーク中の日報の必要性と日報の書き方、そしてスムーズに日報を書くポイントをお伝えしましょう。

目次

テレワークや在宅勤務にこそ日報が必要な理由

出社して働いていれば、上司に直接働きぶりを見てもらえるものの、日報を書いて提出する企業も多いです。上司は常に従業員を監視できるわけではないため、日報によって自ら業務状況を報告してもらう必要があります。

一方で、テレワークや在宅勤務では、なおさら従業員が働いている様子は見えません。だからこそ、上司などマネジメントをする立場としては「働きぶりを知るために日報を提出して欲しい」のです。

では、従業員の立場で見たときに、テレワーク中の日報にはどんな役割があるのでしょうか?

業務の進捗報告のため

日報とは言い換えれば「毎日の業務報告」です。

その日何時間働いたのかはタイムカード等の打刻で把握できますが、どんな業務をしたのか、プロジェクトがどこまで進んだのかなど、「業務の内容」や「進捗状況」まではわかりません。

そこで日報を使い、上司やリーダーに自分の業務の進捗状況を報告します。日報を読んだ上司は進捗を把握するだけでなく、遅れていれば一部の業務を巻き取ったり、余裕がありそうならば少し振り分けたりなどの判断をします。

チーム全体でスムーズに業務を進めるために、日報による業務の進捗報告は必須です。

「時間」ではなく「成果」で評価してもらうため

働き方改革が進められる前は「時間」によって評価される時代でした。朝早く出社し、遅くまで残業している人が、成果にかかわらず評価されていたのです。

しかしテレワークでは、「時間」よりも「成果」が求められます。先述したように時間はタイムカードで管理できますが、成果は成果物や日報でした伝えられません。

日報は「成果を伝え、評価してもらう」という重大な役割を担っているのです。

また日報は人事評価にも使われますので、適当に書いていると人事評価に影響するおそれがあります。

自分の課題や行動目標を明確化するため

「見てもらうための日報」ではなく「自分の振り返りをするための日報」という視点を持ってみましょう。

日報はいわば「記録」です。日報(=記録)を書くのと書かないのとでは、業務に対する意識や向き合い方、そして将来への備え方が大きく変わります。

日報にその日の業務や所感、気付きなどをまとめることで、自分の課題が明確になるでしょう。課題がわかれば改善方法も、次の行動目標も自ずと導かれるはず。

これらを明確化することで、自分自身がより成長できるのです。

日報をコミュニケーションツールとして活用するため

上司にとっては従業員の働きぶりがわからない一方で、従業員自身も同僚の働きぶりがわかりません。

その結果「私だけががんばっているのでは?」「こんなに努力して意味があるの?」と不安や不信感が募り、モチベーションの低下、成果物の質の低下につながります。

テレワーク中のコミュニケーションツールとしてチャットツールを利用している企業も多いものの、チャットツールではどうしても会話が流れてしまうもの。そこで、データをストックできる日報はコミュニケーション ツールとして一役買って出てくれます。

上司は日報にコメントをつけて返す、チーム内の全員が自由に見れるように共有するなどすれば、組織としての意識を持ってテレワークに臨めるのです。

テレワーク・在宅勤務中の日報の書き方

では、テレワーク・在宅勤務中の日報はどのように書けばいいのでしょうか?また、出社勤務時の日報とは違う点があるのかも気になりますよね。

ここでは、テレワーク向けの日報の書き方をご紹介します。

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テレワーク日報に入れる項目

日報はスケジュール型・箇条書き型などのテンプレートによって多少項目が異なりますが、基本的に次の4項目は必ず入れます。

  • 業務内容
  • 所感
  • 特記事項
  • 上司のコメント欄

これらだけでも日報としての最低限の役割をこなしてくれますが、自己管理やコミュニケーションツールとして日報を活用するために、次の項目も加えると良いでしょう。

  • 今日の目標
    毎日目標を定めて仕事をすることで、目的意識を持って取り組めます
  • 今日の学び
    仕事でもプライベートでも、何か学んだこと、気付いたことがあればメモ代わりに残します
  • 今日のニュース
    仕事でもプライベートでも、何かニュースがあれば上司やチームに共有してみましょう
  • ニュースに対する所感
    ニュースに対して感じたことがあれば言語化する工夫を。コミュニケーションを生み出します

目標・学び・ニュースはほんの些細なことでもOK。日々の気付きをメモするクセをつけると、あとで見返したときに面白い発見があるものです。

「業務内容」と「所感」の区別

「業務内容」と「所感」を混同してしまわないように注意!

業務内容とは、その日に行った仕事の内容です(春夏企画の資料作成、ABC社とのミーティングなど)。よって、事実・実際にあったことをベースになるべく詳細に書きます。

所感とは、その日の気付き・課題点のこと。「感」という字がありますが、単なる感想(疲れた、楽しかったなど)とは異なり、次のアクションに繋がる改善案までを考えます。

「業務内容」は“起こったこと”を書きますが、所感では起こったことに対する“感じたこととネクストアクション”を書きましょう。

なるべく定量的に書く

定性的・抽象的でつかみどころない日報では、上司も評価をしにくいもの。自分の成果を上司に見せるために、テレワークの日報はなるべく数値化し、定量的に書きましょう。

【悪い例】

  • 資料作成に思った以上に時間がかかってしまったので、次からは過去の資料を参考にしよう。
  • 昨日よりも多くのデータ入力ができた。

【良い例】

  • 資料作成にかける時間を2時間に設定したところ、4時間かかってしまった。次は2020年の資料より直接グラフデータを抜き出し、2021年版に修正して使用する。
  • 昨日のデータ入力件数100件に対し、今日は150件と作業効率が50%アップした。

定量的に書くことで分析する能力が身に付き、ビジネスでも役に立つでしょう。

テンプレートや日報ツールも活用しよう

イチから日報を作るのは時間も手間もかかります。また日報を受け取る側も、毎日たくさんの日報を管理するのは大変です。そこで、日報のテンプレートや日報ツールも活用しましょう。

日報のテンプレートは「Note PM」や「bizocean」などで公開されています。社内にあるテンプレートを使用している場合は、今日の学びやニュースなどの項目を追加してみるのもいいでしょう。

日報ツールで使いやすいのは「kintone」です。業務や部署に合わせて書式を変えられ、バラバラになりがちな日報の提出先を一元化しつつ、適切に振り分けて管理できます。

また「banto」は、Slackに日報を提出したり、Slack内で共有したりできる日報ツール。社内やチーム内でのコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

テレワーク日報が「めんどくさい、書くことがない」を解消する方法

日報には意味があるとはいっても、「日報を書くのってどうしてもめんどくさいんだよな……」と面倒くさがりの人も多いでしょう。

そこで、多くの人が悩んでいる「めんどくさい、書くことがない」を解消する方法をご紹介します。

最後にまとめて書くよりその都度書き記していく

日報を「めんどくさい」と感じる理由は、一気にまとめて書こうとするからかもしれません。

業務中は頭の中で様々なことを考え、感じているはず。午前10時に「こうすれば改善できるのでは?」と思い付いたとしても、午後6時にはすっかり忘れ去っていることも。

そこで、日報は1日の最後にまとめて書くのではなく、その都度書き記していく方法に切り替えてみましょう。日報をメモとして使い、最後に文章としてまとめれば良いわけです。

1日の終わりにはメモがびっしりあるはずですから、10分もあれば日報を書き終えられます。

些細な気付きや発見も残すクセを

日報というと「もっと大きなことを書こう」としてしまいがち。しかし、毎日大きなイベントや発見があるわけでもないですし、毎日代わり映えしない日々を過ごすことの方が多いですよね。

ただ、そんな毎日の中でも小さな気付きはあるもの。

  • 資料を白紙から作ったが、結局前の資料と同じだった
  • よく使う文字列を辞書登録したら便利なのではないか
  • ランチを食べ過ぎたら眠くなって、集中力が落ちた

このような些細な気付き・発見であっても、メモに残すクセをつけましょう。たくさんメモが残っていれば日報のネタには困らないはずです。

また、些細なことでも成長につながるもの。ランチを食べ過ぎたら次からは少量にするなど、意識・無意識かかわらず次の行動が変わっていきます。

完璧な日報を目指さない

日報は上司に報告をするために提出しますが、上司に褒められるために提出するものではありません。褒められることを目的にして完璧な日報を目指そうとすると、すぐに疲れてしまいます。

まじめな人ほど完璧な日報を書こうと意気込みやすいので、肩の力を抜いて6割くらいの完成度を目指せばOK。上司も日報を隅々まで見る余裕がないことも多いため、簡潔な日報で構いません。

書き慣れていくうちに要領を掴めるようになり、少しずつ日報のクオリティも磨かれるでしょう。

過去の日報を振り返る

どうしても日報を書く筆が進まないのなら、過去の日報を振り返ってみましょう。過去の自分が感じたこと、気付いたこと、課題だったことを読んでいるうちに「そういえば今日は……」と今日の日報に書くネタが見つかるでしょう。

実は日報は振り返りも大事で、振り返ることで自分がどれだけ成長できたのかがすぐにわかります。

もし過去の日報に、今日の課題とまったく同じ課題が書かれていたら、そこは改善できていない証拠。改めて、次の行動目標が明確になりますよね。

テレワーク中こそ「日報は自分のために書くもの」という意識を

テレワーク中は、近くに上司も同僚もいません。自分を監視する人もいなければ、モチベーションを高めてくれる仲間もいないのです。

そんなテレワーク中こそ「日報は自分のために書くもの」という意識を持ちましょう。

自分の成長を促す日報を書き、日々少しずつ改善していけば、やがて大きな評価となって返ってくるでしょう。

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