会議の内容やその会議で決まったことなどを記録する議事録。会議中はメモを取らなければいけないし、議事録にまとめなければいけない……と面倒に感じている人も多いのではないでしょうか?
そんな議事録作成を効率化してくれるのが、議事録作成ツールです。今回は議事録の目的からツールの選び方、そしてツールを使うときの注意点までを解説します。
議事録とは?
議事録とは、会議の内容を記録した書類のことです。いわば備忘録なのですが、「メモ」ではなく「書類」なので、関係者へ配布したり、上司に提出したりすることもあります。
議事録を残す目的
議事録を残す目的は、関係者各位へ会議の内容を共有すること。会議で話し合われた議題や決定事項を記載し、関係者各位に共有することで、共通認識を持ちます。
また言葉だけでやり取りする会議では「言った言わない」の問題が持ち上がることも。議事録はそうした問題が起こることを防止する役割もあります。
作成した議事録は、場合によっては契約締結などの役割を担う場合も。
そのため、とりわけ大事な会議において議事録を残すことは、地味ですがとても重要なことなのです。
NGな議事録、OKな議事録
議事録がきちんと役割を果たすためには、書き方も大切。
まずNGな議事録は次の通りです。
- 文字起こしのように発言をそのまま記載している
- 日付・時間帯が書かれていない
- 形式に則っているが重要な要点が書かれていない
- 会議から議事録の提出までに24時間以上経過している
重要な議事録に日付や重要事項が書かれていないのは論外。また、人の短期記憶は1日で67%忘れると言われているため、提出までのスピード感も大事です。
逆に、理想的な議事録とは次のポイントを押さえたものになります。
- 5W1Hで書かれている
- 会議の目的・議題・決定事項がひと目でわかる
- 見やすく読みやすい体裁になっている
- 次のアクションが明確
どんな会議で誰が何をどうしたのか、そして今後どうするのかがまとめられた議事録を作成しましょう。
議事録作成ツールの選び方
議事録作成はとても時間がかかるもの。それを手助けしてくれるものが、議事録作成ツールです。
いきなり議事録作成ツールを選ぶ前に、選び方のポイントや基準をご紹介します。
AI機能搭載で使うほど精度が高まる
まず議事録作成ツールに欲しいのは、AI音声認識機能。音声を認識して正確にテキスト入力をしてくれるのは最低限押さえておきたい機能です。
それに加え、AIを搭載することで繰り返し使われる単語を覚えたり、同音異義語を区別できたりといった、“成長する議事録作成ツール”が理想的。
使えば使うほど精度が高まるため、議事録作成がだんだんラクに、スピーディになっていきます。
固有名詞や専門用語を登録できる
会議中は会社特有の固有名詞があったり、業界ならではなの専門用語があったりと、日常会話では使われないような言葉が飛び交うことも多いですよね。これらが誤変換されたときにいちいち修正するのは面倒です。
そこで、固有名詞や専門用語を登録できる議事録作成ツールを選ぶのがおすすめ。先述したAIの機能と語句登録機能を使えば、ストレスなく議事録を作成できるでしょう。
会議後のサポート機能が充実している
音声認識をして議事録を自動で作成できるのはもちろんのこと、チームへの共有やタスク割り当てなど、会議後のサポート機能が充実していると便利です。
議事録を自動作成できたはいいものの、そこから共有資料を作ったり、メンバー一人ひとりの仕事を決めたりするのが手作業なら、時間はそれほど節約できませんよね。
議事録作成ツールを比較するときには、どんなサポート機能があるのかにも注目してみてください。
議事録作成ツール6選
GIJI
GIJIは議事録作成に特化したツールです。直感的なUIになっているため誰でも簡単に議事録を作成できます。
また各メンバーとリアルタイムで共有でき、全員と共有しながら編集も可能。それぞれのフォルダに議事録を保存し、ラベル付けをすることで参照しやすくしています。
議事録作成に必要十分な機能を備え、操作性の高いツールです。
【料金プラン】
Free/Community:0円
Standard:1ユーザー300円/月
On-Premises」1ユーザー500円/月
スマート書記
スマート書記は自動文字起こしサービスのため、かなり精度の高い音声認識機能を持っています。人それぞれの音声を識別してくれた理、多言語も同時翻訳してくれる優れたものです。
それだけでなく、文字起こしされたテキストの編集も簡単で快適。誤変換があればその部分だけをピンポイントに編集可能。累計1000社以上の導入実績があるのも頷けます。
【料金プラン】
スタンダード:10万円/月
セキュリティ:12万円/月
Qiita Team
議事録だけでなく、日報や報告書などビジネスに必要な書類を作成して共有できるツールです。目的に合わせたテンプレートが用意されており、フィードにすぐ共有できます。
またSlackやChatWorkなど他のツールとも連携可能。メンバー同士の共有や意見交換がもっとやりやすくなるでしょう。
【料金プラン】
Personal:500円/月
Micro:1,520円/月
Small:4,900円/月
Medium:7,050円/月
Large:15,300円/月
Extra:15,300円/月~
参考:生産性を向上させる情報共有ツール -キータチーム(Qiita Team)-
Zinrai TalkVisible
ZinraiはAI音声認識エンジン「AmiVoice」と富士通のAI連携させた、発言録作成ツールです。会議などの狭い空間ではもちろん、講演会や記者会見など人の多い広い空間、そしてオンラインを使用した拠点間会議でも利用できるのがポイント。
発話者を識別した文字起こしができ、そのテキストを専用のエディタで確認しながら編集できます。
【料金プラン】
要お問い合わせ
参考:Zinrai TalkVisible - FUJITSU-
Evernote
メモツールとして仕事・プライベート問わず利用されているEvernoteは、音声認識・文字起こし機能がついており、議事録作成ツールとしても利用できます。
議事録に画像や参考資料も添付できるため、ホワイトボードの画像を撮って貼り付けるという使い方も。必要な情報を1つのフォルダ、1つのノートにまとめ、関係者への共有も簡単です。
【料金プラン】
ベーシック:無料
プレミアム:600円/月
Business:1ユーザー1100円/月
Simplenote
備忘録、アイデア、予定などのマークダウン形式で入力できるメモツールです。もちろん音声入力機能もあるため、会議中の録音・文字起こしもできます。
またノートをフォルダではなくタグで管理するため、溜まってきた議事録を検索しやすいのも特徴のひとつ。
メモを編集するとバックアップされ、他のデバイスともすぐに同期されるため、万が一の事態にも備えられます。
【料金プラン】
完全無料
参考:Simplenote
議事録作成ツールを運用するときの注意点
議事録作成ツールはとても便利なものですが、正直なところ完璧なツールはありません。そこで、議事録作成ツールを運用するときの注意点も押さえておきましょう。
完璧な音声認識はできない
議事録作成ツールは会議中の音声を拾い、テキストに変換してくれるものですが、完璧な音声認識はできないことを覚えておきましょう。
人の声や話した内容を100%認識できるわけではありませんし、会議中の紙をめくる音、くしゃみをする音などのノイズも“音”として誤認識してしまうこともあります。
それもふまえたうえで精度の高いツールを使ったり、あるいは静かな環境で会議を開いたりといった工夫も必要になるでしょう。
最終的に人の目での確認も必要
100%の精度で音声認識ができるわけではないため、議事録作成ツールが自動作成した議事録をそのまま使うのはおすすめしません。最終的には、人の目で確認する必要もあります。
議事録ができたら一度最初から最後までしっかりと目を通し、必要ならば修正・校正・加筆などを行います。より正確な議事録にするために、担当者自身も会議中はメモを取っておくといいでしょう。
バックアップも用意しておく
議事録作成ツールも機械ですから、不具合が生じる可能性もあると考えられます。
不具合やデータの破損に備えて、議事録作成ツール以外の機器(ボイスレコーダーなど)で同時に録音しておくといいかもしれません。バックアップが取れるなら、別のフォルダに保存しておくのもいいでしょう。
また会議中は会社の未来を変える議題を話し合うこともありますから、セキュリティ面にも常に注意を払っておきましょう。
議事録作成ツールで時間のかかる業務を効率化
議事録は重要な役割を持つとわかっていても、どうしても面倒に感じてしまったり、逆に作成に力が入りすぎて提出が遅くなったりするもの。
そこそこのクオリティを保ちながらより効率化するなら、議事録作成ツールの導入を検討してみましょう。
議事録作成を効率化した分、空いた時間を他の重要な業務に使えるようになるはずです。