結局、メモを取るべきなのか?メリット・デメリット比較と習慣の身に付け方

あなたは仕事中にメモを取っていますか?人の話を聞きながら一生懸命メモしている人、逆に、メモを取るのが苦手な人も多いかもしれません。

また「メモもしないで本当にわかってるのか!」「メモばかり取ってないで集中しろ!」なんて、真逆の理由で怒られることも……。

結局、メモは取るべきなのでしょうか?今回はメモを取るメリット・デメリットを比較してみましょう。

目次

メモを取る理由と重要性とは

そもそも「メモ」とは日本語で「覚書」のことで、何かを忘れたときのために、あらかじめ書き残しておくものです。

ただ最近では、メモを取る・残すことに関する研究や調査が進んでおり、メモは備忘録以上の意味合いを持つようになりました。

では、メモを取ることはなぜ重要なのでしょうか?

記憶だけに頼るのは危険

人の脳は物事をすぐに忘れるようにできています。日常生活ではさほど困らないかもしれませんが、ビジネスでは大損害を出すような事態になりかねません。

「私は記憶力が良いからメモは必要ない」と自負している人でも、自分の記憶だけに頼るのは危険。

だからこそしっかりとメモを残して、記録を取っておきます。どこかに記録があれば、それをきっかけにして記憶が蘇り、次にするべき行動がわかります。

メモは一度頭の中に入れた事柄を、頭の外に「置いておく」ことができるので、頭の中の容量を確保できるというイメージです。

「メモを取る人は仕事できない」って本当?

ビジネスではメモを取ることが重要だとされている一方で「メモを取る人は仕事できない」と言われることも。

ただしこれは一概に「メモを取る人は“全員”仕事できない」というわけではありません。中には、メモを徹底活用して、ビジネスで大成功している人も多いのです。

では、なぜ「仕事できない」と言われてしまうのでしょうか?

その理由は、メモを取ることがその人の“目的”になってしまっているからです。メモを取ることはあくまで“手段”であり、メモを活用してはじめて目的を達成できます。

何も考えずにただ手を動かしただけ。書いたメモは振り返りもせずにゴミ箱行き。

そんな状態では、メモは何の意味もないのです。

メモを取るメリット

メモを取ることには5つのメリットがあります。

1ヶ月1冊のペースでメモ用ノートを消費している筆者の経験を交えて、それぞれのメリットをご紹介しましょう。

備忘録になる

備忘録とは、忘れてしまったときに備えて要点をまとめたノートやメモのこと。メモはそれ自体に備忘録としての役割を持ちます。

わざわざ文章としてメモを取らなくても、単語が書かれてあるだけで記憶を呼び出すトリガーとしては十分です。単語がたくさん書かれたメモを振り返ることで、そのメモを残したときの出来事を思い出せます。

また備忘録があることで、後から不安になることもありません。

あの人なんて言ってたっけ?納期はいつだっけ?誰に連絡すればいいんだっけ?……そうした疑問が頭をよぎったときは、メモを見返せばOK。

仕事も私生活もストレスが減り、快適になるはずです。

頭の中を整理できる

メモを取ることで耳から入ってきた情報が「文字」や「図」として可視化されることがポイント。

さらに人は、聞いたこと、見たことから、無意識に情報を取捨選択し、重要だと思うキーワードを選んでメモに記録します。そして自分の手で書き残しながら、記憶に定着させます。

この脳内で起こる一連の動作により、その場で頭の中を整理できるのです。

筆者は私生活でも、モヤモヤして頭の中が大渋滞を起こしていると感じたときにはメモを取るようにしています。ぼんやり考えていることを可視化するだけでもスッキリしますよ。

新しいアイディアが生まれる

あるとき突然、まさに天から降ってきたかのようにアイディアを思いつくことはありませんか?しかしせっかく思いついたアイディアでも時間が経てば忘れるもの。

アイディアが降ってきたらすかさずメモを取っておけば、すぐに取り組めなくても、後から取り組む機会がやって来るはずです。アイディアはメモするクセをつけて、メモ帳をアイディアストック帳として活用しましょう。

またメモを眺めているときも、突然ピンと来るアイディアが生まれることがあります。もちろん新しいアイディアもメモに残しておき、アイディア実現に向けて夢を膨らませていきましょう!

相手に信頼感を与えられる

メモは自分を満足させるだけでなく、相手からも信頼を寄せてもらえるツールだとご存知でしょうか?

上司や先輩に仕事を教えてもらっているときや取引先との商談中など、きちんとメモを取ることで「ちゃんと聞いているな」「安心して任せられそうだ」と、相手に信頼感を与えられるのです。

相手が信頼を寄せてくれることで、その後の商談がうまくまとまったり、高く評価されて昇進につながったりと良いことばかりです。

ビジネスシーンにおいて相手にどんな印象を与えるかも勝負ポイントになるので、積極的にメモを活用していきましょう。

ドキュメントの下書きとして使える

ただ大雑把に書いただけのメモであっても、後からドキュメントの下書きとして活用できます。

たとえば筆者は仕事柄インタビューすることもあるのですが、録音はしているものの、メモも手放せません。

話に登場したキーワードや言葉を断片的にメモに残します。そして後から見返すと、一見バラバラのキーワードが繋がって見え、それぞれの関係性がすぐにわかるので、不思議なものです。

インタビューをもとにドキュメントで記事化するとき、このメモが大いに役に立ってくれます。

他のビジネスシーンでも、書類作成時にメモを見返しながら作成すると、ただ記憶に頼るだけよりもスムーズにドキュメントを作成できるでしょう。

メモを取るデメリット

メモを取ることにはたくさんのメリットがある一方で、多少なりともデメリットはあるものです。

ここでは、メモをするときに気を付けたいデメリットを2つご紹介します。

メモを“書くこと”に集中してしまう

メモを取ることは、どうしても時間がかかる作業です。紙に書く場合はもちろん、スマホのメモアプリに書く場合も、スマホを取り出してアプリを開いてフリック入力するという手間がかかります。

そうしているうちに、気付けばメモを“書くこと”に集中してしまい、肝心の内容が頭に入ってきません。内容を理解できなければ、思考の整理もできないでしょう。

メモを取るときのポイントとして、文章を書くのではなく、キーワードや図解を書くことを意識しましょう。

キレイなメモを残すことが目的ではなく、備忘録や理解することがメモ目的なので、字が汚くても自分が読めればOKなのです。

メモを取っただけで満足してしまう

メモを活用できていない人のほとんどが、後から自分のメモを見返していません。つまり、その場でメモを取っただけで満足してしまうのです。

見返さないので備忘録としての役割を果たせないのはもちろん、何も考えず文字だけ書いている場合も多く、ほとんどメモの意味がありません。

最初のうちはメモの取り方の要領がわからないかもしれませんが、「取ること」よりも「活用すること」が大事。メモを取って満足せず、しっかり活用していきましょう。

メモを取る習慣の身に付け方

今まであまりメモを取らなかった人は、気付けばメモすることを忘れてしまいます。では、どうすればメモを習慣化できるのでしょうか?

最後に、筆者がメモを取る習慣を身に付けた方法をご紹介します。

自分の「メモを取る意味」を見出す

メモを取ることを自分の習慣にしたいのであれば、まずはメモを取る意味を改めて考える必要があるかもしれません。

人によって、メモをする目的は違います。

  • すぐに忘れてしまうから
  • 何度も同じ質問をしてしまうから
  • 自分の思考を整理したいから
  • 企画やアイデア出しに使いたいから

筆者の場合メモをしなくても記憶力に頼って生きて来れましたが、頭の中が常に考え事でいっぱいの状態でした。

その状態だと仕事の集中力が途切れやすかったり、ステップアップできなかったりと課題を感じていたため、思考の整理を目的にメモを取るように。

筆者のように「メモしなくても生きていける」タイプの人でも、上記で解説したメモのメリットをもとに、自分の「メモを取る意味」を考えてみるといいでしょう。

一冊のノートで管理する

メモはできるだけ一冊のノートにまとめましょう。

ノートを複数に分けると、そのメモを探す手間がかかってしまいます。そして探すのが面倒で、メモを取る習慣、そしてメモを見返す習慣も定着しません、

有意義なメモを取るためには、意外とスピード感も大事なんですね。

また最近はスマホで簡単にメモを取れるようになっていますが、筆者のおすすめは紙のノート。

人はスマホやPCで文字を打つ動作よりも、手を動かして「書く」動作の方がより多くの神経を刺激できるます。メモアプリよりアナログなノートの方が、思考の整理や記憶の定着に向いているのです。

日付けを入れる

メモには日付けを入れることも意識しましょう。

日付けは定量的なものです。対して、メモに残す言葉は定性的なものがほとんど。そこに日付けを書き加えることで、自分がいつ・どのタイミングで・どんなことをメモしたのか、より鮮明に思い出せるようになります。

筆者はスケジュール帳も活用し、メモ帳と連動させています。

メモ帳に「1/10」と書いてあればスケジュール帳の1月10日を開き、その日の出来事をチェック。そのおかげで、たまに自分でも意味不明なメモを見つけても、スケジュール帳を開くとメモの暗号が解けるようになりました。

自分の思ったこと・感じたことを書く

メモにはただ事実を記録するだけでなく、自分の思ったこと・感じたことも書いていきましょう。

出来事はあくまでもファクトですが、思ったこと・感じたことは自分の感情に基づくもの。感情が大きく動いた出来事ほど強く記憶に残りやすく、あとで見返したときの再現度も高くなります。

メモをするときは感情的になっていても、後で改めて読むときは冷静になっているはず。自分の思考を第三者視点で冷静に分析すると、人間的に成長できるかもしれません。

定期的に見返す

メモを取ったら必ず定期的に見返しましょう。すでに済ませて不要になったメモでも捨てたりせず、最低でも1年間は手元に残しておくこと。

過去のメモと最近のメモを見比べてみると、自分の成長度合いが見えるためです。自分が成長していることを実感できたその瞬間に、メモを取ることが楽しくなります。

一冊のノートにメモを取り、メモが時間と紙資源のムダにならないように、定期的に読み返してみましょう!

メモを取ることにはメリットが多い!

「メモを取るくらいなら動け」という意見もありますが、これもあながち間違いではありません。メモを取るだけで満足して活用できないなら、最初から動いた方が効率が良いためです。

ただ、正しく行えば、メモを取ることにはたくさんのメリットがあります。ぜひ、自分なりのメモの取り方や活用方法を考えてみてくださいね。

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