仕事の上手な教え方とは?4つの基本と失敗しないためのポイントを解説

職場で新人に仕事を教える際、「どのように指導したら上手く伝わるのだろう……」「仕事を人に教えるのは難しい……」といった感想を抱く人も少なくありません。

今回は、仕事の上手な教え方の4つ基本と失敗しないためのポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

仕事の上手な教え方の4つの基本

仕事を上手く教えるには、4つの基本をおさえることが大切。実際、新人指導が上手く行っている職場などでは、この基本を軸に指導にあたるケースが非常に多くなっています。4つの基本は、誰でもすぐに実践可能。ここからは、教え方の基本について詳しく見ていきましょう。

①全体像と業務の説明

基本の一つ目は、仕事の全体像と業務内容の説明です。新人指導においてよくある失敗が、新人が担当する業務内容のみを説明してしまうことです。

新人は、これからどのような仕事をするのか、自身が担当する業務はどのような形で会社に貢献しているのかなど、仕事における基本的なことを当然ながら把握していません。指導者は自身にとって当たり前であることも、新人は知らないという前提のもとに指導する必要があります。

説明の際は、全体像を伝えてから詳細な業務内容を解説するのがおすすめ。全体像を先に把握できると、担当業務が会社の中でどのような役割を果たしているのかを理解しやすくなります。

全体像の説明では、各部署についての細かな内容は省き、仕事の流れを伝えていきましょう。全ての内容を具体的に説明してしまうと、情報量が多いことで新人がかえって混乱してしまう可能性もあり、注意が必要です。反対に、担当部署の業務内容の説明は、できるだけ具体的に説明するようにします。

②実演

全体像や業務内容の説明が終わると、今度は指導者が実演します。マニュアルを用いた説明だけではイメージがつきにくいことも多く、この時点での新人の理解度はまだまだ低いといえるでしょう。

目の前で実演することで、業務内容がより具体的なイメージになります。実演の際は、大切なポイントを伝えながら説明を行い、メモを取ってもらうようにしましょう。また、疑問点があれば、その都度質問してもらいます。不安点や疑問点はその場で解消できるようにするのが、望ましいです。

③経験

今度は、新人に経験してもらいます。業務を経験する際は、マニュアルを見ながら行い、覚えた内容を都度確認すること意識してもらいましょう。指導者は、この時点で完璧を目指さないようにすることが大切。

まずはやってみることが重要であり、最初にミスをするのはある程度仕方がないと考えなければなりません。大切なのは、同じミスを繰り返さないことです。新人のやる気ができるような声かけを行い、くれぐれも感情的にならないよう注意します。

④評価、フォロー

基本の4つ目は、評価、フォローです。評価する際は、先に良かった点を伝え、次に改善点を説明します。

人は誰でも悪い点ばかりを指摘されると、やる気を失うもの。先に良かった点を伝え、素直に褒めることで、さらに頑張ろうとやる気や向上心が沸いてきます。良かった点については、「どこかどのように良かった」というようにできるだけ具体的に伝えることを意識します。

改善点についても詳細に説明し、「この失敗を次につなげよう」などフォローの言葉も欠かせません。

仕事の教え方で失敗しないための3つのポイント

仕事を教える際は失敗しないためのポイントを理解しておくことも大切。ここからは、3つのポイントを詳しく紹介します。

伝わる説明を意識

伝わる説明を意識しましょう。業界の専門用語ばかりを用いて説明してしまうというのは、仕事の指導においてよくある失敗要因の一つです。業界の専門用語は新人にとって聞き慣れない言葉も多く、説明しても理解できないといったことがしばし起こります。指導者は、自身の普段使っている言葉を見直し、適宜相手に伝わるような説明に変更するなどの工夫が必要です。

ここでは、IT業界の専門用語を例に挙げて見ていきましょう。以下のように専門用語の言葉を変えることで、格段に伝わりやすい説明になります。

 

  • ローンチ=新しいサービスや商品を市場で販売する

例:「この商品のローンチは〇〇頃を予定」→「この商品の販売開始は〇〇頃を予定」

 

  • フィックス=不具合の修正、最終調整、確定

例:「プログラムのバグをフィックスします。」→「プログラムのバグを修正します。」

インプットとアウトプットの実践

インプットとアウトプットの実践も重要視したいポイントです。新人に教える際は、説明を見たり、聞いたりするだけではなく、教えた内容を自分で考えて取り組んでもらうようにしましょう。インプットだけでは知識の定着にはつながらないため、インプットの後にアウトプットを行うことが大切になります。

インプットとアウトプットの指導の一例

  1. 説明を聞いてもらい、メモを取ってもらう
  2. メモをもとに自身で業務に取り組んでもらう
  3. フィードバッグをする
  4. フィードバッグを反映させ、もう一度業務に取り組んでもらう

上記のように得た情報や知識を実際に使うことで、自身の中に記憶として定着し、実践の場で使えるようになります。

相手の立場から物事を見る

指導者は、相手の立場から物事を見る必要があります。相手の立場から物事を見るというのは、相手がどこまで理解しているのかを把握し、そのレベルに合わせた教え方をするということでもあります。

一方的で高圧的な説明をするのではなく、相手の理解度や習熟度に合わせて教え方を柔軟に変化させ、ポイントに絞った分かりやすい説明をするのがよいでしょう。相手の話しに耳を傾け、相手を理解しようする姿勢が何よりも大切になります。

仕事を上手く教えるために日頃から意識したいこと

仕事を上手く教えるには、日常的にどのようなことを行えばよいのでしょうか? ここからは、仕事を上手く教えるために日頃から意識したいことを詳しく解説します。

関連分野の本を読む

人材育成やコーチング、部下の育て方など関連分野の本を読むのもおすすめ。本を読むことで、自身に足りないものを補うことができ、有益な情報や知識を取り入れられます。

また、本から得た知識は積極的に使うことを意識しましょう。実践の場で使うことで、自身の問題点や改善点が見えるなど、得た知識がより高い効果を発揮してくれます。

ロジカルに物事を考える

普段からロジカルに物事を考えるよう意識します。ロジカルシンキングとは、日本語で言い換えると論理的思考のこと。論理的思考は、物事を体系的に整理し、一つ一つを分解して考えて理解することでそこから結論を導き出します。ロジカルシンキングが身に付くと、問題解決能力や提案力、コミュニケーション能力などが向上し、指導に必要な能力が備わります。

ロジカルシンキングを身に付けるためには、話し方を変えてみたり、普段の生活の中で疑問に思うことに関心を寄せるなど日常に少しの工夫をすることが大切。

会話の中での抽象的な言葉を、具体的な言葉に言い換える。身の回りで疑問に思う物事の本質を捉えるために、自分なりに調べ、物事の主張と根拠を導き出すなど、日々のトレーニングが重要になります。

まとめ

仕事を上手く教えるには、①全体像と業務の説明 ②実演 ③経験 ④評価、フォローの4つの基本をおさえることが大切です。また、伝わる説明を心掛け、インプット、アウトプットを実践するなど、業務内容が理解しやすくなり、知識が定着するような工夫も必要になります。

皆さんも、ぜひこちらの内容を参考に仕事の教え方を工夫してみていはいかがでしょうか?

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