「職場の人間関係に悩む……」「仕事へのプレッシャーから落ち込むことが多くなった……」といったように仕事でストレスが溜まることは、時にあることです。ストレスは過度に溜め込まず、上手く付き合うことが大切です。
今回は、仕事でストレスを感じた時の症状やサイン、ストレスに効果的な解消法などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
仕事にストレスを感じる原因
平成30年労働安全衛生調査|厚生労働省によると現在の仕事に強いストレスを感じる原因は「仕事の質・量」(59.4%)が最も多い回答になっています。次に多い回答は「仕事の失敗、責任の発生等」(34.0%)、続いて「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」(31.3%)の回答という結果になっています。
ここからは、仕事にストレスを感じる上記3つの原因について詳しく見ていきましょう。
仕事の質・量
仕事の質や量に満足できないと、大きなストレスを感じてしまいます。転職や転勤、部署移動で仕事内容が大きく変わり、希望する業務を担当できない場合などは仕事に退屈を感じ、不満が溜まりやすくなるでしょう。
また、大きなプロジェクトを任され強いプレッシャーを感じる時や、反対に単調な仕事が続き退屈を感じる時などもストレスを抱えやすくなります。
そして、休憩時間をとる時間もなく仕事をこなす、多くの業務量をかかえ、残業量が大幅に増えるといった業務量の増加もストレスの要因になります。
しかし、同じ業務量でも「まだまだ仕事をこなせる」と感じる人や「仕事の量が多すぎる」と感じる人もいるでしょう。
適切な業務量は、個人の経験やスキルによって大きく左右されるものです。ストレスを感じないためにも、自身がこなせる業務量を知ることが大切になります。
仕事の失敗、責任の発生等
仕事の失敗が続くと落ち込むことが増え、ストレスを抱えやすくなってしまいます。そして、仕事の失敗を次に生かすことができないと、負のループにはまり、そこから抜け出せなくなってしまうのです。
また、「毎月の売上目標を達成しなければならない」「部下のミスをカバーしなければならない」といったように責任が自身に重くのしかかると、ストレスになってしまうこともあります。
仕事の失敗や責任はしっかり受け止め反省しながら、気持ちを上手く切り替えていく必要があるでしょう。
対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)
職場の対人関係に悩み、ストレスを抱える人もいます。上司からセクハラやパワハラを受けて悩んでいる、仕事を一方的に押し付けてくる同僚がいる、ミスばかりする部下がいるなど人間関係の悩みはさまざまです。
どの悩みにも共通しているのが、職場でよりよい信頼関係を築けていないことです。
よりよい信頼関係がないと同僚に愚痴を言ったり、上司に悩みを相談したりと自身の思いを打ち明けることが難しくなってしまいます。悩みや愚痴を心の中に溜め込むことで疲労し、心身ともに不調をきたしてしまうのです。
仕事にストレスを感じた時の症状・サイン
仕事にストレスを抱えると、どのような症状が出るのでしょうか? ここからは、仕事にストレスを感じた時の症状やサインについて詳しく見ていきましょう。
夜眠れない、すぐに目が覚める
夜眠れない、すぐに目が覚めるといった睡眠の不調は、過度にストレスを感じているサインです。睡眠不足や不眠は日中の生活にまで影響を及ぼし、うつ病や動脈硬化などの病気を引き起こす原因になることもあります。
「最近よく眠れない」「寝てもすっきりしない」といった症状を見逃さず、質の高い睡眠をとれるよう改善していくことが大切です。
体調不良が増える
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、「だるさや疲れ」など体調不良を引き起こします。
特に慢性的なだるさが続く場合は、うつ病などの精神疾患を患う可能性もあるため注意が必要です。しっかり休息をとるなど、体調不良を放置しないようにしましょう。
仕事でミスが多くなる
ストレスを感じると、仕事でミスが多くなります。注意力が散漫になり、物事に集中できないなど仕事以外の家事などでもケアレスミスが増えます。
ルーティン業務や掃除、洗濯といったいつもこなしている簡単なタスクでミスが増えると、過度なストレスを感じているサインかもしれません。
遅刻や欠席、早退が増える
仕事で遅刻や欠席、早退が増えると、注意が必要です。
- 朝決まった時間に起きれなくて遅刻を繰り返す
- 身体がだるく仕事を休みがちになる、仕事へ行くと体調が悪くなり
- 途中で早退してしまうといった症状が続いた場合は
ストレスのサインである可能性が高いでしょう。
不安感や焦燥感にかられる
いてもたってもいられないほどの不安感や意味もなく焦燥感にかられるのは、強いストレスを感じているサインです。
不安や焦りがいつまでも続くと、自律神経失調症を引き起こすこともあります。休息をとる、心療内科を受診するなど、早めの対策が必要です。
飲酒量が増える
飲酒量が急激に増えると強いストレスを感じ、精神的な問題を抱えている場合もあります。
大量の飲酒は根本的な解決にはならず、精神的に混乱状態に陥る可能性もあります。飲酒に頼りすぎず、他のストレス解消法を実行するのがおすすめです。
仕事のストレス解消に実践したい7つの方法
仕事のストレスの解消には、実践したい7つの方法があります。以下の7つの方法を積極的に行い、「リラックスできる」「楽しい」といった時間を作ることが大切です。
家族や友人に気持ちを打ち明ける
家族や友人に気持ちを打ち明けると、「気持ちが楽になった」「すっきりした」という感情になることも多くなります。
悩みや問題が解決しなくても、人に話すだけで辛い気持ちが軽減されることもあるでしょう。信頼のおける身近な人に愚痴ったり、相談するのがおすすめです。
興味ある物事にチャレンジする
読書や映画鑑賞、運動、スポーツ観戦、楽器演奏など興味ある物事にチャレンジするのもよいでしょう。休日に楽しめる趣味があると、仕事を頑張る活力になります。さまざまな物事に積極的に取り組み、自分に合う趣味を見つけていきましょう。
睡眠の質を上げる
ストレス解消には、睡眠の質を上げることも大切です。よく眠れなかったり、夜中に目が覚めてしまうと次の日に疲れがとれず、ストレスが溜まっていきます。
就寝の1時間前からパソコンやスマホを見ない、就寝の3時間前には夕食を済ませておく、リラックス効果のある音楽を聴く、アロマオイルを焚く、温かい飲み物を飲むなど睡眠の質を上げる方法を実践するのがおすすめです。
身体を動かす
身体を動かすと、気持ちがリセットされ、すっきりすることも多くあるでしょう。身体を動かすといっても激しい運動ではなく、簡単な運動でも構いません。まずは、ストレッチやヨガ、筋トレ、ジョギングなど自身にできそうな運動から始めてみるとよいかもしれません。
遊びに出かける
友人を誘って、スポーツやレジャーなどに出かけるのもおすすめです。一人時間も大切ですが、たまには気の合う友人と遊び、リフレッシュするのもよいでしょう。友人との時間は、仕事の悩みも忘れ、束の間の楽しい有意義な時間になります。
よく笑う
よく笑うことは、ストレスからくるイライラを解消し、免疫力を高め、病気の撃退にも効果的です。友人とおしゃべりをする、バラエティ番組を見るなど笑える時間やリラックスできる時間を積極的に作り、免疫力を高めていきましょう。
日光浴をする
日光浴は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌します。セロトニンは幸福感や満足感を得られ、ストレス解消にも効果的です。ベランダや庭で太陽の光を浴びる、日中に散歩するなど積極的に日光浴の時間を作るのがおすすめです。
ストレスに限界に感じたら、転職も視野に
ストレス解消法を実践してもなかなかストレスがとれないと感じる時は、転職を視野に入れるのもよいでしょう。強いストレスを継続的に感じる場合、うつ病などの精神疾患を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
そして、転職を検討する前に職場の上司に相談し、部署移動の希望を出すなど社内で問題を改善できるよう動いていくことも大切。それでも問題が解決に向かわない場合は、思い切って環境を変えるのもよいでしょう。新しい職場に就くことでストレスが解消され、仕事に意欲的に打ち込めるようになることもあります。
まとめ
仕事でストレスを感じると、体調不良が増える、仕事でミスが多くなる、遅刻や欠席、早退が増えるといった症状が出やすくなります。
ストレス解消には、興味ある物事にチャレンジする、身体を動かす、よく笑うなど効果的な解消法を実践するのがおすすめです。また、ストレスに限界を感じたら、思い切って職場を変えるのも一つの有効な手段になります。
有効な解消法を実践しながらストレスと上手に付き合い、健康的でポジティブな日々を送っていきましょう。