雑誌編集|キャスティングからアポ入れ 【EDiT.編集塾】

新米EDiT.編集部員が、雑誌の作り方について学びながら紹介していく、EDiT.編集塾。

今回は、キャスティングからアポ入れの流れについて解説します。

雑誌を作る主要メンバーは編集者!……だけではないですよね。モデルやカメラマン、デザイナー、ライターなども大切なスタッフ。

企画にあった「スタッフィング」、「キャスティング」を行い、「アポ入れ」を上手くできてこそ、クオリティの高い編集ページができるのです。

目次

「キャスティング」と「スタッフィング」

「キャスティング」と「スタッフィング」の違いは?

編集者によって区分の仕方が違う場合もありますが、一般的には下記のように分けられます。

キャスティング…表に出る側の人(モデル、タレント、有識者など)の人選。
※編集者やライター、スタイリストがガイド役として自らページに登場する場合はキャスティングと言うことも。

スタッフィング…一緒にページを制作するチームの人、裏方の人(ライター、デザイナー、スタイリスト、ヘアメイクなど)の人選。

どっちを先に決めればいいの?

時と場合によって異なります。

モデルが先に決まれば、専属スタイリストや専属ヘアメイクが自動的に決まることもあるし、ライターなどのスタッフが先に決まれば、その人たちと一緒に誰をブッキングするか考えることもあります。

「どっちを先にするか」は、企画における人選の重要度(モデルありきの企画か、ライター重視の企画かなど)で決めましょう。

「キャスティング」と「スタッフィング」のコツ

まずは企画の「肝」を考える

まずはこの企画は何が一番「肝」になるのかを考えることが大切。

キャスティング、スタッフィングをする前に改めて考えてみましょう。

企画に合うビジュアルを実現できるカメラマンやイラストレーターは誰か、社内にカメラマンが在籍している場合はどのように撮って欲しいかを具体的に指示することが大切です。

登場するタレントやモデルが大切なのか、はたまたスタイリストのスタイリングが大切なのか、カメラマンの写真が肝なのか、それとも企画自体が肝であり知識のあるライターなどのスタッフのスキルが重要なのか、優先順位を考えましょう。

そして、全てのスタッフのセレクトを、一貫して企画と連動させることも重要です。

あとは、自分が興味のある著名人をキャスティングするのもひとつの方法です。

すなわちそれは、普段から自分が著名人に対してアンテナを張っていなければいけないということです。

その時に人気の芸能人やインフルエンサーなども日頃からチェックしておきましょう。

そうすることで、企画に合うキャスティング、スタッフィングができるだけでなく、企画のおもしろさ、そして何より自身のモチベーションにも繋がります!

編集者がひとりで決めなくていい

私たち編集者の目的は読者が喜ぶページを作ることです。

しかし、自分ひとりの考えで、キャスティング、スタッフィングをできる人が良いページを作れる編集者だとは限りません。

特に新人編集者は「自分ひとりで頑張らなきゃ」と全てをひとりで考えがちですが、それは大きな間違いです。

質の高いページを作るためには、同じ制作チームの編集者やカメラマンに相談することも大切です。

いろんな人の知識や経験を活かして、企画に合うキャスティング、スタッフィングを行いましょう。

ただし責任を取るのは編集者であるということを忘れずに。

「アポ入れ」のコツ

「アポ」とは、「アポイントメント(Appointment)」の略であり、日本語の意味で「予約」、「約束」です。

営業マンが使うことが多い言葉ですが、編集者の間ではキャスティング、スタッフィングで決めた人選へのアプローチを「アポ入れ」と言います。

「アポ」の鉄則「電話→メール→電話」! 

アポ入れは電話で行うべきか、それともメールで行うべきか? 答えは両方です!

相手に丁寧な印象を与えるためにも、

①「電話(簡潔に依頼の説明を行い、企画書を送付する旨を伝える)」
②「メール(企画書・取材依頼書の送付)」
③「電話(メールが届いているかの確認)」

の流れで進めましょう。

「アポ入れ」電話の手順

  1. 電話をかける際には時間帯にも配慮しましょう。ランチタイムやディナータイム、営業時間外にかけることは避けましょう。
  2. 要件をスピーディかつ明確に伝えましょう。「ギャラは発生するのか」、「何に掲載するのか」などを端的に、確実に伝えられるように準備しておきましょう。
  3. 電話の最後に担当者の名前とメールアドレス(またはFAX番号)を聞き、電話後すぐに企画書を送りましょう。
  4. 企画書などを送付した後は、メールが届いているかの確認電話をしましょう。

電話連絡は、最初のアプローチです。顔が見えないコミュニケーションなので、話し方次第で印象が決まってしまうこともあります。

丁寧な対応を心掛けましょう!

【チェックリスト】先に決めておくべき依頼内容

①掲載媒体の詳細について

こちらが依頼相手の様々な情報を知ることはとても大切ですが、相手にこちらのことを知ってもらうことも同じく重要です。

依頼した仕事は、WEB掲載なのか、雑誌掲載なのか、二次使用(SNSへの画像転用など)はあるのか、といった詳細を明確にしましょう。

②スケジュールについて

取材や撮影の日時と場所は「希望」という形で伝えておきましょう。

依頼相手が予定を調整しやすいようにしておくこともポイント。

あとは、「NGの日」を聞くことも大切です。「都合の良い日」だけを聞くと、大体が数日しか候補を出してもらえず、スケジュール作りが難しくなることがあります。

③掲載期間について

いつ発行・配信されて、どのくらいの期間で掲載されるのかを提示しましょう。

④条件について

他の企業の広告に出ている芸能人やモデルさんなどは規制を設けられていることがあります。

例えば、メガネメーカーの広告モデルをしてるので他のメガネはかけられない……など。あらかじめ確認しましょう。

⑤スタッフの指定について

依頼した人によっては、スタイリストやヘアメイクなどのスタッフを指定してくる場合もあります。

こちらで起用したいスタイリストやカメラマンなどのスタッフが既に決まっている場合はあらかじめ提示しましょう。

⑥お金について

ギャラはいくら出せるのか、経費をどこまで払えるかをあらかじめ決めておいて提示すると、後々のトラブル防止にもなります。

後から変更点が多いとトラブルの原因になりかねません。

企画進行中の様々な変更に臨機応変な対応をすることも大切ですが、アポ入れの前に、ある程度の依頼内容を決めておくようにすることも大切です。

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