編集者3年目の先輩。プレッシャーと責任からトイレに駆け込んで泣いた日も

お酒を愛してやまない新米編集者が、先輩とお酒を酌み交わしながら繰り広げる“ぶっちゃけ”トーク。

無礼講ということで、今だから話せる失敗エピソードや気になる質問をお聞きします。

今月は、同じチームの先輩編集者・宮垣さんと乾杯させていただきました。

目次

今月の先輩は、編集者・宮垣さん

今月お話を聞いたのはベーグルやかわいいものを愛し、日々推しに癒やされている入社3年目の編集者、宮垣さん。

どんなに忙しくても朗らかで丁寧で、心がきれいでブレなくて、ついつい近くにいたくなってしまう魅力をお持ちの方。

今月はそんな宮垣先輩と、乾杯!

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さすが先輩……スタイリング慣れしており、私がモタモタしてる間に完成しておりました……すみません!!
(各々の好みで選んだおつまみ、写真映えなど頭にもよぎりませんでした)

ずっと聞きたかったこと

――宮垣さんって、思いやりあふれるワードチョイスで一言添える気配りとか、いつも細部まで行き届いた配慮が見受けられます。何かそうなったきっかけとかがあるのですか?

入社した頃は人との関わり方があまりわかってなくて、態度とかも悪かったと思う(笑)

――謙遜ではなくですか!?

そうです、今よりは配慮が欠けてた。

気をつけなきゃと思ったきっかけは、新卒で入った時に直属の上司だった藤岡さん。

お忙しい方だったし、ストレスがかかることも多かったはずなのにすごく優しくて、いつもニコニコしてて、どんだけタイトなスケジュールでも常に穏やか。

私がテンパってても大丈夫ですよみたいな、そんな心配することじゃないですよ〜みたいな。

1年目、何をするにも不安を感じる時期にいつも安心感を与えてくれた上司のようになりたい、と宮垣さん。

まさに今、新米の私がテンパっている時、「大丈夫ですよ〜」とお声かけして下さり……

何度も心救われております。)

――失礼ですけど、宮垣さんあんまりイライラすること自体ない方なのかなと……そういうの顔にも全く出ないし……

イライラする時ももちろんありますよ(笑) でも、イライラを表に出してもいいことないから抑えてます。

また藤岡さんの話ですけど、藤岡さんがディレクションする現場って、どんな撮影でもすっごい穏やかなんですよ。

メイク企画とかファッション企画って、限られた時間でいっぱい撮らなきゃいけないし、いろんな人が関わるからバタバタして大変なんです。

だけど、藤岡さんは誰に対してもおっとりしてて、丁寧。藤岡さんがいると和らぐ。

そんな藤岡さんのことをすごく観察して、自分もイライラとは無縁の編集者になろうと頑張っています(笑)

(そんな藤岡さんがこの前退職されて、陰で涙を流していた宮垣さん。藤岡さん、この記事見ていらっしゃいますか……。

編集者によって現場の雰囲気って変わります。

今のチームリーダーである赤木さんの現場は、みんなを和ませるかつ笑顔が絶えない。みんな前向きな感じになって、楽しかったねとか、また次もよろしくお願いしますみたいな感じになる。

先輩のいいところをめちゃくちゃ観察して自分も取り入れるように日々考えてます。

あとは傲慢な態度は出さずに相談・依頼ベースなのを誰に対しても気をつけてます。

編集者って一人じゃできない仕事じゃないですか、沢山の人の関係の中心ではあるけど主役じゃないみたいな。

編集者が傲慢だったら誰も協力しないと思うし、自分はこういう気持ちでやりたいんですけどいかがですかっていう相談みたいな、一緒に作りたいですっていう気持ちを伝えるように心がけています、誰に対しても。

(この時点でお酒がまわっている私は涙目。ジーン……。)

1年目は、プレッシャーや責任感に耐えられず撮影の合間にトイレに駆け込んで泣いていたという宮垣さん。

自分だけじゃなかったんだ……という安堵感は私だけではないはず。

日常のアイデア収集方法

――編集者ってプライベートと仕事の境目あまりないじゃないですか。3年目の先輩はどうなのか、日常や頭の中を覗き見たいです。

私はオンオフほぼない。寝てる時でも面白い夢を見たら起きてバーってメモします。

――それをアイデアのヒントに?

そうですね、これ昔からやってるんですよ。

大学生の時から女性Webメディアでライターして、その時今より自分で企画を立てる頻度が多かったので、夢の中で悲惨な別れ方をしたってなったら、その辛かった感情を思い出して、それを乗り越えるための方法を記事にしたりとか。

ちょっとした自分の感情とか気持ちとかをすごい覚えるようにしてます。

(見た夢をメモ、私もするのですが、そういう繋げ方があるとは……。)

私、とんでもない豪邸に住んでるみたいな夢をよく見るんです(笑)

その夢の中の自分ってすごく笑顔でワクワクしてるけど、どこか落ち着いていてリラックスしているみたいな感情を覚えてて、“別荘=ワクワクリラックス”みたいなキーワードだけメモ。

後々企画出すって時に、ターゲットが30代の働く人だったら、きっと今こういう生活で疲れてるから土日は疑似豪邸に住んでワクワクリラックスしてもらおうみたいな。

自分が楽しかった経験を他の人にも味わってもらう、逆に自分が辛いって思ったら、多分この世の中の誰かも同じ気持ちの人がいると思うので、その人のために、どう乗り越えられるのかみたいなこと考えます。

――ステキ。携帯にメモ派ですか?……見たい!

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宮垣さんの許可を取るや否や、食い気味でパシャリする無礼講ぶり。
(最近はあまり更新できていないとのことですが、5年分の蓄積があるそうです)

今だから話せる失敗エピソード

――ぶっちゃけ、今だから話せる失敗とかありますか? あるあるかもですが大寝坊とか……

一回だけ寝坊あります、現場で。1日ぶっ通しで3、4企画撮りましょうみたいな。

私はアシスタントとして行く役回りだったんですけど、その時ちょうどいろんなものが重なっていて、毎日徹夜してたんですよ。

起きなきゃ起きなきゃと思ってたんですけど寝ちゃって、朝起きたら撮影始まってる時間。もう絶望(笑)

スマホ見たらすごい通知来てて、1時間くらいかかる家から会社をすっぴんで猛ダッシュしてずっと(笑)

駅行くまでとか、駅ついてからとか、とりあえず走るしかないと思って、電車の間はぎゅって縮こまって、それ以外は走り回ったんですよ(笑)

藤岡さんに半泣きですいませんって電話して謝ったら「よかった生きてたあ〜」って言われて、着いたら赤木さんの第一声が「最近毎日徹夜だったし大変だったよね、次から気をつけようね」って……

泣きそうになった。

怒るのも優しさだと思うけど、藤岡さんも赤木さんのもとで働いてたので、歴代というか代々続く優しさを感じて、私もこういう人たちみたいに、ただ怒るんじゃなくて背景まで汲み取って叱れる上司になりたいって思って。

(私も受け継いでいこう、ゼッタイに。)

もちろん怒るのも大切だと思います。

ちゃんと言ってもらって成長できることもあるし、そういう存在は大切ですね。褒めるのも優しさだし、怒るのも優しさだと思います。

“褒めるのも優しさだし、怒るのも優しさ”。

本当そうだなあ、はぁ〜、誰にでもできるただのやさしさではない、本当の“優しさ”を備えたステキな先輩上司ばかり。恵まれてるなぁ……としみじみする茹でダコのようになった私は、そのまま気持ちよく帰りの電車を乗り過ごしました。

おやすみなさい。

撮影・編集・文/松﨑明日海(Roaster)イラスト/谷水佑凪(Roaster)


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