マーケティングの現場では「見込み客」という言葉がよく使われています。その言葉の意味はわかるけど「顧客」や「潜在顧客」との違いがよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
今回は「見込み客」について取り上げました。正しい定義はもちろん、見込み客の見つけ方や集客方法といった現場に役立つノウハウもまとめてご紹介します。
見込み客の定義とは?
「見込み客」とは、簡単に言えば自社の製品に比較的関心があり、今後購入する可能性のある人のことです。
マーケティング施策としてターゲット層を絞るステップがありますが、そのターゲットとして選定した層をより具体的な「人」へ落とし込んだものになります。
「見込み客」の英語と言い換え
「見込み客」を英語で言うと「リード(lead)」や「ポテンシャルカスタマー(potential customer)」と表現されることがあります。
特にビジネスでは「見込み客」ではなく「リード」と言い換えて表現されることもあるので、「リード=見込み客」のことだと覚えておけば意味がわからず焦ることもありません。
「顧客」や「潜在顧客」との違い
「見込み客」と似た意味で使われる言葉で「顧客」や「潜在顧客」があります。
「顧客」とは、お得意のお客様の意味で使われていましたが、現代では自社の製品を販売する対象全体を指すようになりました。
一方で「潜在顧客」とは、自社製品の存在を知らない、またはそのニーズを感じていないけれど、認知してニーズを感じれば、見込み客になる可能性がある顧客のことです。
会社や製品を広く認知させる活動を行ったり、人々のニーズを引き出す心理学的な手法を使ったりすることで、潜在顧客から見込み客に育てるのです。
見込み客の扱いに悩む企業は多い
見込み客はいわゆる「お得意様」とは違うので、扱いに悩む企業は案外多いです。
というのも、お得意様ならどんな営業をかければいいのか、どれくらいの購買欲があるのかがわかりますが、見込み客はまだ一度も購入に至っていないためアプローチ方法がわかりません。
逆にいえば、アプローチ方法さえわかればどんどん集客できるので新規顧客の獲得に悩むことも少なくなります。
見込み客の見つけ方
いきなり集客をする前に、まずは「買ってくれそうな人」と「買わなさそうな人」を見分ける必要があります。購入の可能性が低い人に対していくつも見積もりを作っていると、かなりの時間的ロスになってしまいますよね。
『見込み客はどうやって見つければいいのか?』
実はこれが多くのビジネスパーソン、マーケターを一番悩ませる要因になっているのです。
見込み客を見つけるためには、自社における「見込み客」つまり「ペルソナ」の定義を明確にすること。
ペルソナを決めたら、その基準に沿って見込み客をフィルタリングしていきます。
例えばイベントを開催してみて、集まった人の見た目や連れてきた家族、特定の話題の食いつき具合などから、「どのような人物にアプローチをすれば商品の購入・利用に繋げられるのか」を判断していくのです。
そのためには、最初にペルソナを明確にして「こういう人にはアプローチする」というルールを決めておかなければなりません。
▼関連記事
例:保険営業マンが見込み客を見つけるには
見込み客の見つけ方をもっと具体的な例で考えてみましょう。例えば、保険営業マンや生保レディは常に見込み客を獲得することが自分の収入にも直結します。
まずはどこで見つけるかですが、交流会など人が集まるイベントに参加してみるのをおすすめします。そこで人との繋がりを持つことができたら、ペルソナの基準をもとにフィルタリングしていきます。
例えば年収800万以上の裕福層に向けた資産運用も兼ねた商品であれば、最初に見た目で判断してみましょう。
- 靴はきちんと磨かれているか?
- 品の良い服装やブランド物のアイテムを身につけているか?
- どんな車に乗っているか?
その後、高級店の話題や投資の話題を振ってみて、どれだけ食いつくのかを反応を見ます。
このように見た目・話題で見込み客をフィルタリングしていくことで、「この人は年収800万以上持っていそうだ」と目星をつけて、営業をかけていくのです。
この方法は保険営業マンにかかわらず、すべての営業マンにも通じるやり方ではないでしょうか?
例:Webだけで見込み客を見つけるには
では、人と会わずWebだけで見込み客を見つけたい場合にはどうすれば良いでしょうか?
実はWebの方が手に入れられる情報量が多く、アナログ的な手法よりも簡単にフィルタリングができます。
保険営業マンの例で見れば代表的なのが保険の見積もりです。自ら見積もりや資料を請求する人はすでに購買意欲が高く、場合によっては年収を記入してもらうこともあります。
さらに、SNSにはその人の肩書きや仕事、家族構成などの情報が載っていることも。自社のSNSアカウントを持っているなら、例えばTwitterでペルソナとなり得る人をフォローするだけで見込み客リストが完成するのです。
見込み客の集め方・リードの獲得方法
見込み客を見つけたら、次はリードの獲得です。集客は「店舗」に集めるアナログな集客と「Webサイト」に集めるデジタルな集客があります。
Webサイトへの集客
どの企業もWebサイトを持つ時代になりました。Webサイトに集客することで自社や製品についてより深く知ってもらうことができ、そのまま購買まで誘導することも可能です。
自社のWebサイトに見込み客を集めるには、まず知ってもらわないといけません。拡散力の高いSNSや費用対効果の高い広告を利用して、自社や製品の認知を広めていきましょう。
例えば前述した通り、Twitterでペルソナとなり得る人をフォローします。フォローされた見込み客は自社のアカウントを見に来るため、Twitterのプロフィールには必ずWebサイトのURL(リンク)を貼っておきましょう。
また、SEOを行うのも有利です。オウンドメディアを立ち上げてSEO対策を施せば、検索によるWebサイトへの流入も期待できます。
▼関連記事
店舗への集客
飲食店や美容院など、店舗に来て欲しい場合にもWebサイトへの集客と同じ手法が使えます。
- Webサイトやオウンドメディアを開設し、SEOを行う
- SNSにハッシュタグを使って投稿する
- Web広告を出し、効率的に認知を集める
Webサイトに集客できれば、興味を持った見込み客は店舗に足を運んでくれます。また、特にSNSは集客力が強く、若い世代ほどSNSでお店を検索する時代に。SNSの運用にはぜひ力を入れてみてください。
そのほかにも、
- ホットペッパーなどの媒体に掲載する
- 駅前でチラシを配る
- 口コミのお礼を用意し、口コミを地道に広める
といった、デジタル・アナログ双方のチャネルを織り交ぜた手法もたくさんあります。
店舗は立地的な条件もあり集客が難しそうですが、うまくインターネットを使えば効率的に集客できるのです。
「見込み客」を「顧客」へ変えるマーケティングとは
見込み客を「見つける」「集める」ができたら、いよいよ「売る」のフェーズへ移行します。
見込み客(=リード)に対して行うマーケティングには、3つのステップがあります。
リードジェネレーション(集客)→リードナーチャリング(育成)→リードクオリフィケーション(選別・販売)
見込み客が製品を購入することで「顧客」へ進化しますが、購入まで至るために必要なのが「リードナーチャリング」です。
重要なのはリードナーチャリング
では、「見込み客を育成する」とは、具体的にどういうことでしょうか?
例えば、見込み客は製品を認知しているし、そこそこのニーズは感じています。しかし購入にまで至らない場合、そのニーズは「買うほどでもない」という程度の小さなものということになります。
顧客の「欲しい!」を引き出すのがリードナーチャリング。その手法には
- メルマガ(ステップメール)
- オウンドメディアでの情報提供
- SNSでの情報発信
- セミナーの開催
などが挙げられます。
これらの手法を通して製品の有用性についてより深く知ってもらうだけでなく、自社のブランディングを行い企業価値を高めることで購入の後押しをするのです。
見込み客を集客・育成して自社のファンにしよう
見込み客を見つけ・集客し・育成して購入まで繋げる。これらのマーケティング施策を進めるためには、まずは見込み客の正しい意味を理解し、自社における定義を決めておくことが重要になります。
また一時的な見込み客を集めるだけでは一時的な収入にしかなりません。企業を長く存続させるためのライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高めるためには、顧客の育成も重要です。
見込み客を集めることができたら、ぜひ顧客の育成に力を入れ、自社のファンになってもらいましょう!