BtoBマーケティングにおけるペルソナの特徴と4つの作成ポイント

2020 4/11
BtoBマーケティングにおけるペルソナの特徴と4つの作成ポイント

マーケティングや製品企画など、さまざまなシーンで活用される「ペルソナ」という存在。

言葉自体は聞いたことがあっても、ビジネスにおいてどんな意味を持つか具体的には知らないという人も少なくないでしょう。

本記事では、BtoBにおけるペルソナの基礎知識とメリットを、おもにBtCとの比較を通じて解説。

さらに、BtoBで効果的なペルソナを作るためのポイントについても紹介します。

目次

ペルソナとは何か

ペルソナ(ラテン語:perosna)とは元々、「仮面」や「外面的・表面的な人格」を意味する心理学用語です。

これがビジネス、とくにマーケティングの分野においては「架空の人物像」や「架空の顧客像」といった意味になります。

マーケティングではターゲットやニーズの把握がきわめて重要ですが、「どのような人が」「いつ」「どこで」「どんな理由で」「何を必要としているか」をいざ想定しようとすると、対象が広いだけに意外と明確にしにくいものです。

そこで、架空の顧客像としてペルソナを作成し、ターゲット像を具体化・明確化。

職業や年齢、性別といった基本的な属性だけでなく、趣味や性格、平日の仕事の進め方や休日の過ごし方、最近の悩み、好きな食べ物やファッション、よく使うSNS、価値観など、きわめてパーソナルな属性を盛り込んで詳細なユーザー像を作り上げます。

そして、出来上がったペルソナをユーザーのモデルとして起用し、製品開発やマーケティング、営業、サポートなど、ビジネス全般に活用するのです。

ペルソナの設定で得られるメリット

それまで曖昧だったユーザー像は、ペルソナを設定することで非常にはっきりと見えるようになります。

ペルソナによる「顧客の見える化」は、次のようなメリットにつながります。

顧客像の認識共有と統一

一口に顧客像といっても、社内で関係するすべての部署、すべての人が同じイメージを持てているとは限りません。

開発とマーケティング、営業とサポート、現場と経営層など、それぞれの顧客像に認識ズレがあった場合、製品やサービスの軸がブレてしまう怖れもあります。

ペルソナで具体的かつ明確な顧客像が見えるようにすれば、関係者全員で同じ認識を共有し、目線も統一することができます。

ブレのない製品やサービスの提供、迅速な意志決定など、ビジネスを進めるための社内体制にも大きな効果が期待できるでしょう。

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顧客目線での製品開発やアプローチ

ペルソナによって顧客像やニーズを具体的に把握できるようになれば、それを元にしてより売れる製品を開発したり、より適切なアプローチにつなげることができます。

作り手や売り手の独りよがりに陥らず、あくまで「顧客が必要とするもの」を提供するためにも、ペルソナの設定によるニーズ把握や認識共有は効果的でしょう。

また、ペルソナを元にカスタマージャーニーマップを作成すれば、製品に関わるユーザーの行動がスタートからゴールまで一覧できるようになります。

どのタイミングで、どんなアプローチをすれば効果的かも、ペルソナとカスタマージャーニーマップを通じて検討しやすくなります。

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BtoBマーケティングにおけるペルソナ

ペルソナの設定自体はBtoBでもBtoCでも効果的ですが、両者の特徴が異なるため、ペルソナもまたそれに合わせる必要があります。

BtoBとBtoCでは、おもにマーケティング面においてどのような違いがあるのか。

それを受けて、BtoBのペルソナにはどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い

BtoBの購買プロセスでは、一般的に

  • 購買の意志決定に複数人(あるいは複数部署)が関わる
  • 感情よりも論理性や経済的合理性が優先される
  • 長い時間とプロセスを必要とする

といった特徴があります。

一方、BtoCの場合、基本的には購入者と決裁者、利用者はすべて本人であり、購買を決定する理由もさまざま。

「おもしろそうだから」「とにかく好きだから」といったエモーショナルな理由もあれば、費用対効果を無視して絶対的な安さのみを求める場合もあるでしょう。

また、購入決定までにかかる時間も、BtoBに比べて短くなる傾向にあります。

当然、マーケティングもこうしたBtoB、BtoCそれぞれの特徴に合わせて展開する必要があります。

マーケティングの本質は「売れるための仕組み作り」にありますが、買う側の特性や行動が異なる以上、マーケティングのあり方も変わってくるのです。

BtoBのペルソナの特徴

BtoBとBtoCの購買プロセスの違いを受けて、設定すべきペルソナにも差異が生じます。

BtoCのペルソナの場合、意志決定に関わるのは、ほぼ本人100%のみで十分。

考慮すべき属性としては、本人の好みや感情といったエモーショナルな要素やライフスタイルなどが大きく関わってくるため、これらを重点的に反映させるようにします。

一方、BtoBのペルソナは、購買プロセスに関わる複数人について設定する必要があります。

また、購入を決定する過程がロジカルであるため、組織の課題、導入によって得られる効果、費用、組織内における決裁権、事業状況など、論理的・合理的に判断するための要素が不可欠。

これらをペルソナに反映させることが重要です。

BtoBにおけるペルソナ作成の4つのポイント

BtoCとの違い、BtoBならではの特徴をおさえた上で、BtoBで利用するペルソナを作成する際のポイントを見ていきましょう。

①自社のバリュープロポジションを明確に

BtoBはその名の通りBusiness to Business、つまり企業同士の商取引を意味します。

そして先述したように、企業同士の取引においては感情よりも論理性や経済的合理性に基づく判断が優先されます。

そのため、判断の材料となる要素として「価値」が非常に大切になります。

製品やサービスによって提供できる(顧客にとっては得られる)価値を考える際には、自社の「バリュープロポジション」を明確にすることが大切です。

バリュープロポジション

バリュープロポジションとは、「自社が提供できる価値」と「顧客の求める価値」が重なり合い、なおかつ競合とは重ならない領域を指しています。

まずはこのバリュープロポジションを明確にして、その領域で親和性の高いターゲット、つまりは「製品やサービスを購入するだけの理由がある」ターゲットを中心にペルソナを作って行くようにしましょう。

②企業ペルソナ・ファーモグラフィックスを設定する

BtoCで作るペルソナは個人のものだけですが、BtoBの場合は「企業ペルソナ」も作る必要があります。

会社ペルソナやファーモグラフィックスとも呼ばれ、企業としてどのような特徴を持っているか具体化・明確化します。

項目が決まっているわけではありませんが、企業規模や業種、売上規模などの基本情報の他、業界自体の動向やその中での対象企業の課題、組織としての目標、企業文化など、目的に合わせてさまざまな要素をペルソナに落とし込んでいきましょう。

③複数の意志決定者をペルソナに

個人のペルソナ作成にあたっては、購買プロセスに関わる複数人を対象にします。

BtoBでの購買は担当者ひとりの意志で決まるものではなく、

  • 購入や導入を主導する担当者(キーパーソン)
  • 利用するメンバー
  • 決済する上長
  • 対象製品やサービスを利用する他部署のメンバー
  • 導入を担当する部署の担当者
  • 経営者

など、多くの意志が購入決定に影響してきます。

「担当者のペルソナ」というと、どうしてもキーパーソンのみを思い浮かべがちで、もちろんキーパーソンを明確にすることは確かに重要です。

しかし、購買プロセスが複雑なBtoBでは、複数の意志決定者をペルソナとして設定することが欠かせません。

④ペルソナ同士の関わり方にも注目

複数の意志決定者をペルソナに設定したら、それぞれのペルソナ同士の関わり方にも注目しましょう。

導入の検討や推進にあたっては、当然ながら対象企業内でもさまざまな調整や交渉が必要になります。

部署間の関係性や役職による力関係なども、大きく影響してくることでしょう。

そのため、個人ペルソナの要素として「他のペルソナとの関係性」を落とし込んでいくことが非常に大切。

こうした点も、BtoCとは異なるBtoBならではの特徴と言えるでしょう。

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