NO エンタメ, NO LIFE! 第43回ABCお笑いグランプリ

エンタメ好きの新米編集者・田村が、毎月さまざまなジャンルのエンタメ情報を紹介していくこの企画。

今月は、7月10日(日)に開催された第43回ABCお笑いグランプリについてお話します。

目次

ABCお笑いグランプリとは?

ABCお笑いグランプリは、朝日放送テレビ(ABCテレビ)が主催するお笑い賞レースで、若手芸人の登竜門と言われています。

テレビ放送は関西ローカルのみですが、ABEMAにて期間限定の無料配信がありました。

2011年まで行われていた「ABCお笑い新人グランプリ」が、2012年から「ABCお笑いグランプリ」に変わり、出場資格も「関西を中心に活動する結成5年以内のお笑いコンビ」から、「デビュー10年以内の全国で活動している全ての若手芸人」と、大幅にリニューアルしました。

M-1グランプリやキングオブコントと違い、ジャンルを問わないこの大会。

ABCお笑いグランプリは、漫才・コント・ピン芸、面白ければなんでもあり。

オールジャンルのお笑い異種格闘技戦なのです。

近年の優勝者は、かまいたち、ジャルジャル、霜降り明星、コウテイ、オズワルドなど、今をときめく芸人ばかり。

今年は2021年の574組を上回る608組がエントリーし、決勝進出は12組。

今年の決勝進出者の中には、女性コンビが2組、ピン芸人、トリオ、男女8人組がいたりと、バラエティに富んでいたため大変見応えがあったとともに、審査員泣かせの年だったのではないでしょうか。

審査方法と決勝進出12組一挙紹介


審査方法は以下の通り。

  • 12組がA・B・Cの3ブロックに4組ずつ分かれて対決。
  • 各ブロック4組全てのネタが終わったら、審査員は1〜4位を決定(1位10点、2位5点、3位3点、4位1点)。
  • その順位を集計し、最も評価の高かった1組がファイナルステージに進出できます。

審査員は、兵動大樹(矢野・兵動)、陣内智則、岩尾望(フットボールアワー)、小沢一敬(スピードワゴン)、濱口優(よゐこ)、山内健司(かまいたち)、ユースケ(ダイアン)の7名。

MCは山里亮太(南海キャンディーズ)、ABCアナウンサーの鷲尾千尋が担当しました。

ここからは決勝進出12組をブロックごとにご紹介。

また、ファイナルステージに進出した3組のネタでYouTubeにあがっているものの中から私のおすすめネタをご紹介します。

Aブロック

  • ドーナツ・ピーナツ(吉本興業) 漫才
  • こたけ正義感(ワタナベエンターテインメント) ピン芸
  • 青色1号(太田プロダクション) コント
  • かが屋(マセキ芸能社) コント

すでに知名度も高くテレビ番組でも活躍しているかが屋

上方漫才協会大賞2022新人賞を受賞したドーナツ・ピーナツ

『ゴッドタン』の「この若手知ってんのか! 2020」でとにかくやばい芸人として出演し話題になった青色1号を差し置き、ファイナルステージに駒を進めたのは、現役弁護士のピン芸人、こたけ正義感でした。

審査員からは、「彼にしかできない戦い方をしている」「勉強系のネタはへ〜で終わってしまうことが多いのに、ためになった上でウケた」という声が挙がりました。

こたけ正義感のネタは、実際に存在する日本のおかしな法律を、フリップを使って紹介していくという、弁護士の彼にしかできないスタイル。

嘆き泣くような口調とネタ中に流れる切ないピアノのメロディが相まって、法律のおかしさが助長されます。

以下のネタ「おかしな法律」は、今回のABCで披露した法律が多く含まれたネタです。

Bブロック

  • 令和ロマン(吉本興業) 漫才
  • ハノーバー(松竹芸能) コント
  • ダウ90000(YOU GO sing) コント
  • 天才ピアニスト(吉本興業) コント

令和2年度NHK新人お笑い大賞優勝の令和ロマン

賞レース初めての決勝進出を果たしたハノーバー

芸人からの人気も高い演技派8人組コントユニットのダウ90000

THE Wで活躍し2022年NHK上方漫才コンテストで優勝を飾った天才ピアニスト

ファイナルステージに進出したのは、NSCを主席で卒業した期待のホープ、令和ロマンでした。

「芸が細かく、堂々とした態度と落ち着きっぷり。とんでもない5年目が出てきた」「設定が自然と頭に思い浮かぶ」「毒の効いたツッコミが良い」と審査員から大好評でした。

以下の漫才「ドラえもん」は、8月2日に行われたM-1グランプリ[東京]の1回戦にてTOP3にもなったネタです。

Cブロック

  • フランスピアノ(グレープカンパニー) コント
  • ヨネダ2000 (吉本興業) 漫才
  • Gパンパンダ (ワタナベエンターテインメント) コント
  • カベポスター (吉本興業) 漫才

元サラリーマンで賞レース決勝進出は初のフランスピアノ

2021年THE W決勝進出や2021年Mー1グランプリの敗者復活戦で話題となったヨネダ2000

2018年NHK新人お笑い大賞で優勝し本大会は2年連続の決勝新進出のGパンパンダ

本大会4年連続決勝進出&2度の準優勝経験のあるカベポスター

ファイナルステージ進出を果たしたのは、審査員7人中6人が1位に選ぶという圧倒的強さを見せたカベポスター

審査員は「決められた時間の中でボケをがっつきにいかず、後半一気に畳み掛けるところが素晴らしい」「スローテンポの漫才のはずが、後半しっかりスピード感が出てきてボケ数も増えたのがすごいと思った。めちゃめちゃ面白かった」などと大絶賛。

以下の漫才は過去のMー1グランプリの予選でも披露していた「絵本」というネタです。

こうして、Aブロック・こたけ正義感、Bブロック・令和ロマン、Cブロック・カベポスターがファイナルステージ進出を決めました。

ファイナルステージの結果は?

ファイナルステージの審査方法は以下の通りです。

  • 審査員1人100点満点×7人=700点満点で採点
  • 審査結果は3組のネタが終わってから一斉に発表

カベポスター、令和ロマン、こたけ正義感の順でネタを披露。

審査の結果、第43代王者の座に輝いたのは、675点を獲得したカベポスター

審査員の兵藤さんも「カベポスターの決勝のネタが凄すぎた」と称賛するほどの漫才でこの戦いを制し、見事優勝賞金100万円を手にしました。

今回の優勝は4年越しの悲願だったこともあり、ボケの永見さんは「優勝できるんかい!」と優勝まであと一歩届かなかった過去を自虐しつつ喜びを語っていました。

毎年、Mー1グランプリやキングオブコントに次ぐ熱戦が繰り広げられるABCお笑いグランプリ。

若手芸人の登竜門であるこの大会に、来年から是非注目してみてはいかがでしょうか!

撮影・編集・⽂/田村 真里佳(Roaster)

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