学生時代からライブハウスに通っていましたが、就職を機に上京した途端、タガが外れたように足を運ぶようになり、多い時には週5で通っていたこともありました。
ライブの数に比例してバンドTシャツ(バンT)がどんどん増えていき、気づけばクローゼットがパンパンに……。
本企画では、編集アシスタント・ナツボリの汗と涙が染み込んだお気に入りのバンTの数々を、当時の思い出を交えつつ情緒たっぷりにご紹介。
この企画でお見せするバンTが、新しい音楽と出会うきっかけになれば嬉しいです。
今回の1枚、MONOEYES 1stアルバムリリースツアー時のバンドTシャツ
今回ご紹介するバンTは、2015年結成、MONOEYESの1stアルバムリリースツアー時に販売されていたものです。
連載第1回目ということで、人生初のライブハウスで購入した1枚を選びました。
キャップを被ったモンスターが、ドリンクが噴き出すほど缶を握りしめ両腕を上げているイラストがメインになっています。
このバンドを率いるギターボーカルの細美さんは、公式ホームページのプロフィール欄に「酒乱」と書かれてしまうほどの大酒飲みなので、ある意味秀逸なデザインかもしれません……。
周りのお客さんと密着状態で体を揺らしてそこら中毛玉だらけになっても、野外フェスでステージに向かって観客の上を転がるダイバーに蹴られた汚れが落ちなくても、未だに手元に残している思い入れの深いものです。
今回は、この1枚を手に入れるまでの軌跡を辿りたいと思います。
細美さんが作る音楽、MONOEYESとの出会い
細美さんが作る音楽との出会いは、BUMP OF CHICKENやRADWIMPSが流行り出した中学生の頃で、私は細美さんがフロントマンを務めるELLEGARDENにどっぷりとハマっていました。
ELLEGARDENは、1998年に結成されたバンドで、5枚目に発売したアルバムがインディーズリリースながらオリコンチャート初登場1位を記録したこともあり、当時絶大な人気を誇っていました。
私が存在を知った頃には既に活動を休止していましたが、お構いなしに夢中になって聴いていたのを今でも覚えています。
ボーカルの細美さんはアメリカでの仕事の経験があり英語の発音がネイティブだったため、おかげで英語の成績は特に何もしなくても良かったです。
時は流れて大学生3年生の初夏、同じくバンド好きのクラスメートが「細美さんがまた新しいバンドを組むんだって!」「すっごく爽やかな感じ!」と教えてくれました。
「爽やかな細美さん……?」と全くイメージがつきませんでしたが、逆に興味が湧き、ドキドキしながらMVを検索しました。
どこか懐かしさを感じさせるイントロや温かい映像の雰囲気、笑顔で飛び跳ねながら歌い、ギターを弾く細美さんのこれまで見たこともない姿に驚くとともに、一瞬でこのバンドと曲の虜になりました。
ライブツアーの開催が発表されると、周りの友人たちに応募を手伝ってもらって必死になってチケットを確保しました。
こうして私は、5年越しに憧れのアーティストのライブへ行くこととなったのです。
人生初のライブハウス
ライブの数日前、コンビニでチケットを発券したところ整理番号は30番台。
かなり前方まで行けるかもしれない……!と期待に胸を膨らませました。
当日は、ソワソワしたまま落ち着かない状態で講義を受け、終わった瞬間一目散にライブハウスへ向かいました。
グッズを購入するために並ぶのも、バンTを身に纏うのも何もかもが初めてで、ライブが始まる前からずっと子どものようにはしゃいでいたのを覚えています。
自分の整理番号が呼ばれて会場内へと続く階段を降りると、それまで画面の向こう側でしか見たことがなかったライブハウスのステージが目の前にあり、そこに自分がいるというだけで感激していました。
迎えた本番は、ステージから2列目、目線のすぐ先に何年も好きだった人が汗だくになって歌いながら音を鳴らしていることが本当に信じられず、ずっと夢を見ているような感覚でした。
それでも、確かにあの日自分はライブに行ってMONOEYESに会えたんだということを、このTシャツが証明してくれているような気がしていて、今も手放せない理由になっているのだと思います。
たくさんのお客さんともみくちゃになったため一晩でヨレヨレになってしまいましたが、7年近く経った今でも昨日のことのように鮮明に覚えているライブで着ていた大切な1着です。
ワタシと MONOEYESと バンTと、
昨年11月、MONOEYESは延期から1年越しに日本武道館でライブを開催しました。
結成当時から追いかけているバンドが、盛岡の小さなライブハウスから武道館のステージに立っている姿は本当に感慨深く、メンバー一人ひとりが噛み締めるように感謝の言葉を伝えていたのも印象的でした。
周りの観客を含め、こんなにも素敵で温かいバンドに出会えたことは、私の中で大きな財産だと思っています。
今回は、第1回目とかけて人生初のバンTであるMONOEYESの1枚をご紹介しました。
次回も、忘れられないライブの思い出とともに、今も昔も大切にしている1着について熱く熱く語りたいと思います。
MONOEYESのグッズは下記リンク先にて購入できますので、ぜひみなさんもお気に入りの1枚を探してみてください。
MONOEYES オンライン公式ストア:https://www.official-store.jp/monoeyes/
編集・文/夏堀 めぐみ(Roaster)デザイン/水吉 栞菜(Roaster)
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