わたしも「フェミニストは女性の権利ばかりを主張する気の強い女」だと、間違えていました

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本間 綾乃

1997年生まれ、水瓶座の編集者。雑誌編集部でアルバイトをしていた学生時代からの「編集者になりたい!」という想いを諦めきれず、第二新卒で編集の道に。アイスを食べたりお酒を飲んだり編み物をしながら海外ドラマを観るのが至福のとき。バイブルはGossip Girlと言い続けてきたけど、アラサーを目前にそろそろSex and the Cityをバイブルにしたいお年頃。

友達から「わたし、フェミニストなんだ」と言われたら、どんな印象を抱きますか?

男ウケやモテを意識する女子たちを好きじゃなさそう?

女性より権力を持ちがちな男性に怒ってそう?

おしゃれや”女性らしさ”を楽しむことを避けてそう?

少なくとも「いいね!わたしもフェミニストなんだ!」とポジティブに捉えられる人は、まだそう多くないような気がしています。

なぜなら多くの人は『フェミニズム』という言葉の意味を間違えて認識しているから先ほど例に挙げた3つの印象も、実はその誤った先入観から生まれたものです。

だから、周りのリアクションを気にして「わたし、フェミニストなんだ」と胸を張って言えない人もたくさんいるはず。

この文章を書いているわたし自身も、実はそのひとり。今まで家族や友達に、「わたし、フェミニストなんだ」としっかりと明言して話したことはありませんでした。

それも今日でおしまい。今日から、わたしもフェミニストだと宣言します!

この連載を通して、フェミニズムを勉強しながら生活する中で感じたこと、学んだことをみなさんとシェアすることで、ひとりでも多くの人がフェミニズム/フェミニストを正しく知るきっかけを作れたらと思っています。

あくまでも勉強中の身なので、間違えたことを書いてしまうこともあるかもしれません。

だからみなさんにはこの連載の全てを鵜呑みにせず、関心のあるトピックはぜひ自分で調べて、一緒に勉強する仲間になってもらえたら嬉しいと思っています。(間違いを教えてくれたらなお嬉しいです!)

そして「わたしもフェミニストなんだ!」という輪が広がれば、それ以上に幸せなことはありません。

目次

フェミニストの敵は男じゃない、性差別です

わたし自身フェミニズムについてきちんと知ろうとするまで、こう考えていました。

「フェミニストって、会社や政治の世界で男性と対等の立場を得るために女性の権利ばかりを主張して、偉いおじさんたちに立ち向かう気の強い女性たちのことだよね?」

これは典型的な間違った考え方。

わたしが自己分析する、この考えの間違いポイントは以下の通りです。

『フェミニストって、会社や政治の世界で男性と対等の立場を得るために女性の権利ばかりを主張して、偉いおじさんたちに立ち向かう気の強い女性たちのことだよね?』

【間違いポイント】

●会社や政治の世界
ここだけに限らず家庭や学校なども含めた、生まれてから死ぬまでに属する社会全体の問題

●女性の権利ばかりを主張
フェミニズムが求めるのは「性差別からの解放」なので、セクシャリティやジェンダーを限らず、全人類の平等の権利を主張している

●偉いおじさんたちに立ち向かう
フェミニストが立ち向かうのは性差別。社会に当たり前に根付いてしまっている性差別的な考え方や制度・言動を問題視し、その一つひとつを改革してきたいと考えている

●気の強い女性たち
『フェミニスト』というとfemという部分からも女性を連想しがちだが、性別は関係ない。「今の社会にはジェンダーにおいて解決しなければならない課題があるよね」と思う人、全員がフェミニストである

たったひとりの考えですら、これだけの間違った認識が潜んでいるのです。

我ながらどれだけ自分が無知だったのかと恥ずかしくなりましたが、この原因はわたしやあなた、一人ひとりにあるのではなく、無意識にこういう考えに至らせてしまう社会にあるのです……。

その社会とは、先ほども何度も登場した『性差別』が当たり前に定着してしまっている、わたしたちの生きるこの世界です。

今まで生きてきた25年間で、「いま差別された!」と明確に感じる瞬間は多くはありませんでした。差別という言葉を使うと、大事のように感じるからかもしれません。それでも、今思い返すと日常の中にそれは潜んでいます当たり前だと思っているから(社会にそう育てられてきたから)、意識しないとその差別に気づかないのです

パッと思い浮かんだ、当たり前として日常に潜んでいる差別をまとめてみます。「確かにそうだ」と共感してもらえるものはありますか?

【日常に潜んでいる差別(一例)】

①男性とデートしたら「奢ってもらう?割り勘にする?」という話題になるのに、「わたしが奢る」という考えはあまりない
(男が多く稼いでいる、男に養ってもらうという前提があるのはなぜ?)

②女性だと「そろそろプロポーズされるんじゃない?」「いつ結婚するの?あ、わからないか」と言われる
(結婚相手や時期は男性が選ぶもの?二人のことは二人で決めることじゃないの?)

③「わたしの彼氏、家事を手伝ってくれるんだ」という話題、あくまでも彼女が家事をすることが前提になっている
(家事はどちらかが手伝うものではなく、一緒に取り組み分担するものだよね?)

④オフィシャルの場で脚の見える服で過ごすときは、ストッキングを履くことを求められる
(自分の意思で履くならいいけれど、誰かに求められて履くのは違う。これはメイクもファッションも下着も脱毛も全て共通)

ここで気づいて欲しいのが、「あれ?女性自身も差別しているんじゃない?」ということ。女性は性差別の被害者と思われがちですが、実は違います。加害者でもあるのです。

たとえば例の①②は、女性自身の内に潜む差別意識の表れではないかと思っています。「女性は男性に養ってもらうもの」「女性は結婚相手に選ばれるもの」という、男性を主体とした考えを無意識にしている結果、このような会話が定着している気がしています。

裏を返せばそれは、「男性だから女性に奢るべき」「男性だからプロポーズすべき」という差別意識を男性に押し付けていることにもなるのです。(ちなみに、これは女性自身が「女性は受け身であるべき」と女性を差別している例でもあると思っています)

ただし①〜④全てに共通して、「わたし自身が望んだ行動」なら全く問題ないのです自分の意思で選択したなら、それは素晴らしいこと。これは声を大にして伝えたい!

ここで問題としているのは、「社会から『こういうものだ』という潜在意識を植え付けられ、自分で判断せずに『当たり前』だと思ってする行動」。

だからわたしたちは行動する前に立ち止まり、「これは自分の意思なのか」を少し考える必要があるのです。そうすれば無意識な性差別的言動を軽減できるはずだから。

内なる敵を変えるため「そこに自分の意思はあるのか」を考える

今回の記事でみなさんとシェアしたかったのは、以下の3つです。

●フェミニズムの敵は、性差別的な意識や言動
●女性だって無意識に性差別をしている
●発言・行動する前に「これは自分の意思か」を考える

「女性だから〇〇すべき」「男性なら〇〇して当たり前」

そんな考えが大地の奥まで染み込んでいるこの社会でわたしたちがまずすべきことそれは、自分の中にある無意識な性差別=内なる敵を見つめて、変えようとすることです

友達と話していたり、何か行動をする前に「そこに自分の意思はあるのか」を考える癖をつければ、自分で無意識にしてしまっている性差別を少しずつ減らしていけると思っています。

ほんの小さなことの積み重ねで、内なる敵は変えられる気がしています。

あなたも今日から一緒に考えてみませんか?

今回の参考文献


『フェミニズムはみんなのもの』ベル・フックス著

『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ著

編集・文/本間綾乃(Roaster) イラスト/蔵元あかり(Roaster)

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