TikTokはなぜ10代に人気なのか?参考にしたいマーケティング戦略

近年10代を中心とした若者の間でTikTokが流行しています。TikTokとは、音楽に合わせて口パクでパフォーマンスしたショートムービーをシェアするSNSサービス。2016年9月にサービスが開始されてから、ユーザー数は増える一方です。

しかし、大人にとっては何が面白いのか不思議な人も多いでしょう。そこで今回は、TikTokの人気の秘密について解説します。

 

目次

TikTokはなぜ人気に?10代の間で流行る理由とは

TikTokより少し前に流行したのが、SHOWROOMや17Liveなどのライブ配信サービスです。これらのサービスでは、配信をすることで配信者が金銭を得られる仕組みが大ブレイクしました。

しかしTikTokには収益化の仕組みがありません。それでも10代の間でTikTokが流行る理由は、投稿ハードルの低さにあります。

YouTubeのような動画SNSでは、撮影から編集までかなりの時間を要しますが、TikTokの場合はアプリの中にすでに数万もの楽曲や豊富なエフェクトが用意されており、撮影・編集・投稿がワンストップでできます

近年の動画ブームの中で、TikTokは最も簡単に面白い動画をシェアできるサービスだと言えるでしょう。

 

TikTokをやるメリット

TikTokが流行る理由はそれだけではありません。配信する側・見る側それぞれのメリットから、他の理由も見ていきましょう。

 

配信する側

配信する側は、まるで音楽のPVのようなおしゃれなショートムービーを手軽に作れるのがポイント。音楽に合わせて踊ったり口パクで歌ったりするだけでなく、エフェクトやフィルター、さらに撮影技法などによって“それっぽい”動画が作れるのです。

アイデア次第で「かっこいい動画」「面白い動画」「日常動画」など、作れる動画の幅が広がるのも人気の理由になっています。

さらに有名になってくると、自分の動画が広告で使われたり、TikTok公式や他の企業が作成する広告動画に出演できたりなどのモデル依頼が届くようになります。うまく行けば有名になれるチャンスが転がっているのです。

 

見る側

TikTokは最大の“暇つぶしアプリ”です。TikTokの動画は15秒程度と短く、次から次に動画が流れてきます。そのサクサク進む手軽さと種類豊富なジャンルから、気付けば数時間経っていたなんてことはよくある話です。

見る側はいろいろなパフォーマンスの動画をザッピングしながら、笑ったり、憧れたり、癒されたりと楽しむことができます。

さらにTikTokのBGMには耳に残る曲や話題の洋楽が多数。TikTokを通じて洋楽の情報を手に入れたり、友達との話題に挙げたりできるのもメリットです。

 

TikTokにハマる人の特徴を分析

配信する人も見る人も楽しめるTikTokですが、30代以降の世代はほとんど利用していません。そこで、TikTokにハマる人の特徴を分析してみたところ、ハマる人にはパターンがあることがわかりました。

 

ミレニアル世代

TikTok利用者は10代〜20大前半が最も多いです。この世代は「ミレニアル世代」と言われ、既存のマーケティングの枠組みが通用しない価値観を持っています。

ミレニアル世代はインターネットを普及させたパイオニアであり、WebやSNSが生活の一部になっている社会で生きているデジタルネイティブでもあります。

だからこそTikTokで自分の顔や趣味、パフォーマンスを披露することにも抵抗がありません。ネットを通して自分が大勢に見られることに違和感がないのです。

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承認欲求が強い

TikTokでは簡単におしゃれな動画や面白い動画が作れるため、それを投稿すれば「かわいい」「イケメン」「面白い」と賞賛を浴びることができます。

人は誰でも褒められたり認められたりすることが好きですが、特に承認欲求が強い人はTikTokにハマりやすいと言えるでしょう。

フォロワーの数が一種のステータスになっている現代において、フォロワーを増やしやすいTikTokは簡単に承認欲求を満たせるツールです。

 

仲間意識が強い

TikTok動画を見て「自分もやってみたいな」と興味が湧いてくる。いざやってみると簡単に撮影・編集ができるし、フォロワーが増えやすく賞賛コメントも付く。その面白さを誰かに共有したくなって、友達にも勧める…という流れが生まれます。

常にSNSやLINEで繋がっている時代ですから、動画を他のSNSで公開したり「一緒にやろうよ」と声をかけやすいんですね。

仲間意識が強いため「友達(=自分が信頼している人)が勧めるから、私もやってみよう」という人が増えてTikTokユーザーが増加していきます。

 

「うざい」と批判したいだけの人も

芸能人でもなんでもない一般人がカッコつけてパフォーマンスをしているのは、一部の人にとっては「うざい」と感じやすいもの。人の感じ方はそれぞれですが、ただ「うざい」と批判できる対象を探すためにTikTokを見る人もいます。

これは「他人を批判して自分の劣等感を隠す」という心理行動。他の分野で強いストレスを抱えている人ほど、この行動を取りやすいです。

 

TikTokのマーケティング戦略

TikTokがここまで人気になった理由には、運営のBytedance社のマーケティング戦略も関係があります。どんな戦略があったのかをご紹介しましょう。

 

TikTokの競合アプリ

実はTikTokのようなショートムービーアプリは他にもあります。日本で有名なのは「C CHANNEL」2019年3月には「Firework」というアプリも登場しました。過去には6秒動画を投稿する「Vine」も人気を集めていました。

こうした競合アプリにも負けないよう、TikTokは口パクのパフォーマンス動画に加え、筋トレやお料理、DIYなどのハウツー動画、イラストやアニメーションを使ったおもしろ動画にも力を入れています。

どの動画も最高で1分までの長さとし、コンパクトなショートムービーにすることでユーザーがスキマ時間にサクッと見れる手頃さを提供しているのです。

 

人材の選出

TikTokの知名度がまだ低い頃には、すでにネットで知名度の高いタレントや、テレビ出演経験のあるタレントを広告の演出者として起用しました。

さらに、これから人気の出そうな「インフルエンサー予備軍(Youtuberなど)」の若者を300名ほど選出し、実際にTikTokを利用してもらい、使っている様子の動画をYoutubeに投稿してもらうなどの方法で露出を増やしました。

インフルエンサー予備軍があらかじめフレームワークを作っておくことで、一般の利用者もTikTokを始めやすいよう、お手本を示したのです。

この人材が、例えば社内スタッフや一般人だったらここまでの成功は見込めていません。エンタメやマーケティングをある程度理解している人材の選出が功を奏したと言えます。

 

斬新な発想

TikTokの最大の特徴といえば、他の動画SNSにはない斬新な発想でしょう。

YouTubeでは1時間を超える動画も投稿できますが、逆に制約がないからこそ参入障壁は高いです。TikTokではあらかじめ素材が用意され「15秒以内で口パクのパフォーマンスをする」という制約があるからこそ、あれこれ迷う間も無く次々と動画を作って投稿できます。

使用する音楽も話題曲に絞らず「〇〇選手権」「アイドルシャッター」などオリジナルの短い曲を作成。どれも耳に残る曲で、街中では「これTikTokの曲だ」と会話に出てくるほどです。

他のSNSが思いつかないようなことを実行し、"TikTokという新しい価値観"を広めたのです。

 

TikTokは何が面白い?視点を変えて見てみよう

自分が面白さを理解できない領域のものは、視点を変えて見てみることで、流行した理由や戦略が見えてくることがあります。

TikTokは今でも10代のハートを掴んで離しません。そんなTikTokの戦略を参考にしたり、自社のマーケティングに活かしたりするために、面白さ・ハマる理由を柔軟に考えてみましょう!

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