SNSの普及により、誰もが情報を発信しやすくなり、ビジネスの分野でも活用されるケースが目立つようになっています。しかし、SNSから店舗やECサイトへの集客に苦労しているビジネスマンも多いのではないでしょうか?
SNSに住所やサイトリンクを貼っているだけでは集客できません。本記事では、SNS集客の手順をわかりやすく解説します。
主要SNS3つの特徴を理解する
SNS集客でまず気をつけたいのが、相性の良いSNSを選ぶことです。
SNS選びから間違っていては、以降の手順でSNS集客をしてもあまり効果を得られません。
まずは主要SNSであるInstagram、Twitter、Facebookの特徴を理解し、自社のビジネスに合ったSNSを活用しましょう。
ビジュアルに強いInstagram
Instagramの強みは、何よりもビジュアルに強い点です。
「インスタ映え」というワードが示す通り、ユーザーは写真映え・おしゃれな見た目を求めています。
さらに他のSNSに比べるとハッシュタグの文化が強く、ハッシュタグを使えばフォロワー以外のユーザーにもリーチできるという強みも。
ユーザーの年齢層は10代〜30代と比較的若いですが、少しずつ年齢層を広めています。
また女性ユーザーが多いですが、カフェや料理、ファッション、写真系のテーマだと男性ユーザーも増えてきました。
ユーザー層が幅広いTwitter
Twitterは10代から60代の男女と、かなりユーザー層が幅広いSNSです。
Instagramのようなインスタ映えやハッシュタグの文化はありませんが、代わりに文章で簡潔に伝えられる人(アカウント)がフォロワーを増やしやすいです。
また、時事テーマや話題性のあるテーマはよく注目を浴び、トレンド入りすることもあります。
ユーザー同士のコミュニケーションも活発なので、濃い繋がりを持つことができるでしょう。
そのためTwitterはノウハウ系・教育系といった、形のない商品やサービスを宣伝するのに向いていると言えます。
信頼度の高いFacebook
FacebookでSNS集客をするなら、個人アカウントではなくFacebookページを用意するのが鉄則。
実はこのFacebookページ、Googleの検索エンジンにも表示されるという強みがあります。
写真も文章もバランス良く投稿できるのが特徴。
投稿にいいねが付けばフォロワーのフォロワーにも表示されますし、少額でも広告を運用すれば露出も増えやすいです。
活発なユーザー層はTwitterやInstagramと比べて40代〜と年齢層が高く、若者ウケしにくい点には注意しましょう。
SNSが決まったら運用体制を整える
集客に利用するSNSが決まったらさっそく運用していきたいところ。
しかし、中小企業や零細企業の多くがSNS集客に失敗する理由として、運用体制が整っていないことが挙げられます。
しっかりと運用を続けていくために、次のステップとして運用体制を整えましょう。
複数のSNS運用には優先順位が必要
各SNSの特性を最大限に活かすために複数のSNSを選ぶ人もいるでしょう。
しかしどちらも同じように運用していては、どちらも中途半端になってしまうという落とし穴があります。
そのため、複数運用するにしても必ず優先順位を決めましょう。
例えば「Instagramをメインに運用しつつ、拡散のしにくさはTwitterでカバーする。比率は8:2」といった具合です。
運用ポリシーを決める
SNS運用をしているとどこかで思わぬトラブルを引き起こすこともあります。
それを避けるため、運用ポリシーを決めましょう。
運用ポリシーとは「投稿のルール、約束事」です。
批判的な内容は書かない、誰かを傷付ける投稿はしない、トラブルがあったときの対処法などのルールを決めておけば、何かあったときにも安心です。
担当者やチームを配属する
SNS運用の担当者は必ず配属しておきましょう。
担当者は目標数値を決め、中心となってSNS運用をしていきます。
またチームを配属することで、撮影や編集を任せたり、トレンドをキャッチしてすぐに投稿に反映させたりといった連携プレーができるようになります。
SNS集客をスムーズにするためにも、専属メンバーの担当者やチームは欠かせません。
炎上リスクに備える
どんなに注意していても思わぬところで炎上することもあります。
そのため運用担当者やチームは、炎上の原因となりうる事例や炎上の経緯などを頭に入れておくようにしましょう。
そして炎上した場合に備え、対処法を考えておくのも有効です。
素人目線で炎上に反発するよりも、専門家に相談した方がいい場合もあります。
実際のSNS集客の手順とコツ
準備ができたらいよいよSNS運用です。
店舗やECサイトに誘導するためには「なんとなく」で運用するのはNG。
SNS集客の手順とコツを解説します。
SNSのテーマを決めて発信内容をブレさせない
SNSのテーマやコンセプトを決めましょう。
例えばInstagramでカフェ店舗に集客したいのなら、カフェに関するテーマが必須。
しかし他にも競合はたくさんいるので、あえてレシピを教えたり、料理動画を載せたりといった差別化があるとおもしろいかもしれません。
テーマを決めたら急に変えたりせず、発信内容がブレないようにします。
運用しながら「ちょっと違うな」と思ったら、全てを変えるのではなくチューニング(調整)をしていくことがポイントです。
アカウントを作り込む
次に、プロフィールや投稿を見た人がすぐさまフォローしたくなるようにアカウントを作り込みます。
まだ空っぽのプロフィールにユーザーがやって来てもフォローされませんよね。
フォローされる機会を逃さないよう、ある程度までアカウントの完成度を上げておくのです。
とはいえ、SNSは運用しながらアカウントを作るツール。
Twitterなら10投稿と固定ツイート、Instagramなら写真を9投稿、Facebookなら最初に伝えたいことを5投稿くらい用意しておくといいでしょう。
効率的にフォロワーを増やす
どのSNSもフォロワーが多いに越したことはありません。
しかし、投稿して反応を待つだけでは案外フォロワーが増えないのです。
効率的にフォロワーを増やすなら、他のユーザーの投稿に対し、積極的に「いいね!」やコメントをしましょう。
また、SNSアカウント開設キャンペーンを開催するのもおすすめ。
最初からフォロワーが少ない状態で始めるキャンペーンですから、魅力的な特典を用意して認知拡大を狙いましょう。
一番ラクなのは広告の出稿です。
費用はかかりますが低予算からでも始められますし、一番効率的だと言えるかもしれません。
店舗やECサイトに誘導するコツ
フォロワー集めと同時に、店舗やECサイトに誘導できるようにしておくと無駄がありません。
プロフィールにGoogleマップやECサイトのリンクを貼っておくのはもちろん、ユーザーが訪れたくなるような仕掛けをしましょう。
例えば限定メニューを作り「SNSのフォロー画面を見せたら食べられる」「SNSをフォローしてリツイートしたら○円引き」といった特典を用意してみましょう。
また、お店独自のハッシュタグを作るのもいいですね。
オリジナルハッシュタグは最初こそ使われないものの、運用を続けるうちに普及していきます。
最近は、お店によっては撮影スポットを用意するところも増えて来ました。
店内をおしゃれにしたり、壁に絵を描いて写真を撮りたくなるようにしたりなど、SNS映えを意識することも来店に繋がります。
こうした訪れたくなるような仕掛けをすることで、ユーザーが自分の家族や友達にシェアをします。
彼らが実際に来店したり買い物したりすれば、SNSに投稿されてさらに拡散されます。
ユーザーからユーザーによる拡散で広めて集客していくのが、SNS集客の最大のポイントなのです。
どのSNSも“共感”が集客のカギ
では、どうすればユーザーからユーザーに拡散していけるのでしょうか?その答えは“共感”です。
“共感”とは、他人の気持ちに自分の気持ちを重ねるということ。
誰かが「楽しい」と言えば「楽しいね」と返し、誰かが「悲しい」と言えば「私も悲しい」と返すことが“共感”です。
SNSユーザーは共感を通して遠くにいるユーザーと心を通わせ、コミュニケーションを取っています。
おしゃれな写真を投稿するのも、尖った意見をツイートするのも、誰かから共感してほしいと思っているからです。
SNS集客をするなら、ユーザーの共感を得られるような投稿、もしくはユーザーが他のユーザーに共感を求めたくなるような投稿をしていくことがカギになります。
SNS集客の成功事例
ここでSNS集客の成功事例をご紹介します。
\ハーゲンダッツチャレンジ💪/
冷凍庫から出したばかりのカチコチのハーゲンダッツ🍨❄️
スプーンで上手にすくえたらいいことがあるかも❓
タップでとめてみてくださいね♪ pic.twitter.com/bGT49l1yFG— ハーゲンダッツ (@Haagen_Dazs_JP) April 24, 2020
こちらはハーゲンダッツのツイートですが、GIF画像が貼られています。
画面をタップして止めるゲーム用の画像で「カチコチのアイスをうまく掬えるか?」というテーマで遊べます。
思わず画面をタップして腕試ししたくなりますし、「これやってみて!」と友達にすすめたくなりますよね。
インテリアや雑貨だけでなくフードも美味しいと評判の無印良品では「#mujiレシピ」というオリジナルハッシュタグを広めています。
Instagramで美味しそうなレシピを紹介し、それを見たユーザーが真似して「#mujiレシピ」で投稿するという循環が生まれているのです。
これらの事例のように、SNSで共感を生む方法としてユーザー参加型の仕掛けを作る方法があります。
SNS集客は1日にして成らず!長い運用で集客効果を高めよう
SNS集客の欠点は時間がかかることだと言えるでしょう。
たった1日で効果を得ることはできません。
しかし、長く運用することでフォロワー数、リーチ数、来店数、アクセス数が増えていきます。
長く運用し、少しずつでも集客効果を高めていきましょう!