トリプルメディアとPESOモデル|メディアの戦略的な使い分けとは

現代はデジタルマーケティング時代と言われています。その中で生まれたのが「トリプルメディア」です。

オウンドメディアや広告は知っていても、トリプルメディアの考え方はよくわからない人も案外多いのではないでしょうか?

そこで今回は、トリプルメディアの概要と戦略に加え、最近提唱されたPESOモデルについて解説します。

 

目次

トリプルメディアとは?

トリプルメディア論が提唱されてから数年が経ち、現代のマーケティングには欠かせない考え方となっています。トリプルメディアとは、「トリプル」とある通り3つのメディアをひとまとめにした呼び方です。

 

POEメディアと英語の由来

この3つのメディアの名前と英語表記がこちら

  • ペイドメディア(paid media)
  • オウンドメディア(owned media)
  • アーンドメディア(earned media)

これらの頭文字を取って「POEメディア」と呼ばれることもあります。それぞれのメディアを詳しく解説しましょう。

 

ペイドメディア

ペイドメディアとは、料金を支払う(paid)することで広告を出稿するメディアのことです。Yahoo!などのポータルサイトや他社メディアの広告枠から、Googleのリスティング広告など、広告が出せるメディアはすべてペイドメディアだと言えます。

 

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社所有(owned)で管理・運営するメディアのことです。独自ドメインのホームページや情報サイトなどがそれにあたるでしょう

 

アーンドメディア

アーンドメディアとは、消費者の信用を稼ぐ(earned)ために利用するメディアです。独自ドメインではないブログやSNSなどのプラットフォームを借りてアカウントを運営した場合、そのブログやSNSが該当します。また、テレビや雑誌などで取り上げられて紹介された場合もアーンドメディアになります。

 

トリプルメディア論の提唱者

トリプルメディアは、2009年にアメリカのIT情報サイトで紹介された「マルチメディア2.0」という論文がきっかけとなり、アメリカから伝わってきた考え方です。

その論文を受け、日本では日本アドバタイザーズ協会のWeb広告研究会が「2010年のWebマーケティング戦略においてトリプルメディア戦略を考えていくべき」と発表し、日本でも普及しました。

 

トリプルメディア戦略とは

トリプルメディア戦略を立てるうえで重要なのが「どんな目的でどのメディアを使うか」という使い分けです。それぞれのメディアにはまったく違った特色があり、間違った使い方をすると期待する効果は得られません。

 

ペイドメディアの特性

費用対効果が高く安定性があるため、ブランドや商品の認知を広めるのが得意です。

 

オウンドメディアの特性

自社でコントロールしやすいことから、企業や商品のより詳しい情報、お役立ち情報などを提供することで、自社について深く理解してもらうことができます。

 

アーンドメディアの特性

消費者間のコミュニケーションが活発で拡散力もあるため、口コミなどで評判を広げていき、ひいては消費者をファン化することも可能です。

このように、自社が掲げる目的の相性の良いメディアを選んで活用していきましょう。

 

トリプルメディア関連書籍をチェック

トリプルメディアについてしっかり学ぶには書籍を読むのがおすすめ。ここでは、Amazonで取り扱いのあるトリプルメディア関連書籍をご紹介します。

 

トリプルメディアマーケティング ソーシャルメディア、自社メディア、広告の連携戦略


トリプルメディアが提唱されたばかりの2010年に出版された書籍で、トリプルメディアの原点的な情報が網羅されています。少し古いですが本質を突いているのがポイントです。

 

いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本 人気講師が教えるメディアと販促の新しい基礎


最近の書籍なら、わかりやすい言葉で1から解説されているこちらの書籍がおすすめ。トリプルメディアを中心に、デジタルマーケティングについて基本と応用が学べます。

 

もう古い?トリプルメディアの次に来るもの

トリプルメディアが提唱されてから、約10年が経とうとしています。デジタルマーケティングの世界は次々に新しい手法が出てくることから、変化が著しいのです。

実は「トリプルメディアだけでは古い」と言われており、最近新たに「PESOモデル」という考え方・フレームワークが広まってきました。

 

ペソメディア・PESOモデルとは

PESOモデルとは、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」の中に「シェアード(shared)メディア」が加わって4つになったメディアのこと。PESOはそれぞれの頭文字を取っており、「ペソメディア」と呼ばれることもあります。

実はPESOモデルにおけるアーンドメディアは2つに分類されています。

パブリシティ(テレビや新聞、雑誌、ラジオなどの出版・放送物)により評判を獲得するものが「アーンドメディア」。

そして、消費者のブログやSNSで紹介され(shared)、口コミ式に広まって評判を獲得するもの「シェアードメディア」です。

 

3+1種類のメディアの使い分け

では、3+1種類のPESOメディアはどのようにして活用していけばいいのでしょうか?

まず、ペイドメディアとオウンドメディアは、従来通りの考え方で問題ありません。

シェアードメディアは消費者の口コミを広めることを目的とし、自社でSNSアカウントを運用して消費者の輪の中へ飛び込んでいくことができれば、ブランディングやファン化に繋がります。

一方でアーンドメディアは、広告料の支払いをせずに取り上げてもらう必要があるため、企業や商品が何か突出するような魅力を持っている必要があります。

まずはその魅力の発掘からですが、一度取り上げてもらうことができれば「メディアで紹介されました」という箔が付く他、認知拡大や膨大なアクセスを得ることができるでしょう。

トリプルメディアからPESOへ!戦略的な連携が成功のポイント

これらのメディアでマーケティングを実施するときには、どれか1つのメディアに偏るのではなく、3+1のメディアを使い分けるのが重要です。

戦略的に連携を取ることで効果を倍増でき、マーケティングが成功しやすくなるでしょう。

PESOモデルの概要についてしっかりと理解し、それぞれのメディアに適した方法で活用していきましょう!

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