ブログやメディアの記事コンテンツを作成するときや、レポートなどの作成時には、誰でも他のサイトを参考にしたことがあるでしょう。しかし参考にした内容をそのまま記事の中に記載していませんか?
記事コンテンツを作るときには、SEO的にもモラル的にもしっかり引用ルールを守る必要があります。そこで今回は、Webサイトでの正しい引用の書き方や注意点を解説します。
なお、卒業論文を含めた学術論文やレポートなど学校に提出する資料では、参考文献掲示の方法が定められている場合があります。その他執筆時のフォーマットなどと共に、指導教官に事前に確認しておくのが良いでしょう。
Web(ネット)で参考文献から引用するときの注意点
文章には、著作権があります。
Web(インターネット)上で見つけた他の記事を「参考文献」として引用・掲載する場合、この著作権を侵害しないように注意しなければいけません。
まずは引用をするときの注意点を覚えておきましょう。
文章も画像も必ず「引用」の表記をする
自分の言葉で書いた文章ではなく、他サイトから引っ張ってきた文章を記載する場合、それは「引用」にあたるため、きちんと引用の表記をする必要があります。
引用ルールを守らずに記載した場合は「悪質なコピペ(盗作・剽窃)」とみなされ、発行者に許可を得ず引用の枠を超えて長文を記載することは「無断転載」となります。
ただし、公的機関が一般公開している資料等は許可を得ずとも転載可能です。
また、画像にも引用ルールがあります。
SNSを含むネットで見つけた画像を無断で掲載するのはNG。(SNSの埋め込み表記など、公式で用意されている機能を用いたものは例外)
画像を素材サイトからダウンロードして使用する場合、そのサイトの利用規約に従います。「クレジットの表記は不要」となっていれば引用の表記はしなくても構いませんが「クレジットを表記してください」と指示がある場合は必ず元サイトを表記しましょう。
参考文献の表記は必須なのか?
他サイトから文章を引用しなくても、記事コンテンツを作成する際にそのサイトを参考にした場合、そのサイトは「参考文献」となります。
論文などでは必ず参考文献を表記しなければいけません。自分の論説を補強する意味はもちろん、どこからその論説が出てきたのかを説明するためです。
Web記事の作成についても、他サイトで書かれている内容の大部分が自分の記事に反映されているのならば、参考文献も必ず表記しましょう。
参考文献の表記は記事の盗用やコピペだと疑われるのを防ぐ意味もあります。
ただし、記事の質を上げたいなら、そもそも出典元が信用できる文献かどうかを確認する必要があります。
Wikipediaやまとめサイトや個人ブログなどは知識のない一般人でも編集・公開できるため、信憑性が薄いと考えられています。
- 専門性のある人が書いたものか
- 専門性のある媒体で発行されているものか
上記2点に注意して参考サイトを選びましょう。
ウェブサイト文中での引用の書き方
続いて、実際の正しい引用の書き方を解説します。引用ルールを守って、著作権を侵害することなく記事コンテンツの質を上げましょう。
文章引用の書き方
参考サイトに書かれている文章をコピーして自分の記事に掲載する場合、「自分が書いた文章」と「引用の文章」がしっかりと区別できるように表記の仕方を変えます。
- カギカッコ(「」)や引用符(“”)をつける
- 背景色を変える
- 枠線を付ける
Web記事はSEOも重要であるため、ペナルティを受けないように引用タグ(blockquoteタグ)も次のように使用しましょう。
<blockquote>引用文</blockquote>
そして最後に、引用文の下に引用元のサイトをURLリンク付きで記載します。参考サイトがわかり、なおかつクリックでそのサイトにアクセスできれば良いのですが、「コンテンツタイトル」「サイト名」などが書かれていれば、読者にも親切でわかりやすい表記だと言えます。
上記を踏まえると、文章引用は次のような形が理想です。
国内の中古スマートフォン販売事業者などでつくる業界団体「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」は28日、中古スマートフォンを販売する際の品質を表すための統一基準(ガイドライン)を改定し、ガイドラインに従っている事業者を示す新たな認証制度を創設した。認証事業者を増やすことで中古スマホを売買する不安を解消し、国内の中古スマホ流通量を増やす狙いがある。
出典:中古スマホガイドラインで新認証制度創設 電池寿命も評価項目に 国内流通増目指す|産経ニュース
参考文献はどう書く?
文章の引用をせずとも、他サイトに記載されている内容を参考にした場合は「参考文献」として自分のコンテンツに表記します。
- 信頼できるサイトのものであること
- 「参考」「参照」と表記すること
- サイト名を書き、URLリンクを貼ること
上記ルールを守っていれば、使う記号(:や「」など)などは自由でかまいません。参考文献は以下のように表記するのが良いでしょう。
紙の辞書や書籍から引用する場合
紙の辞書や書籍から引用する場合、リンクを貼ることができません。そこで、その辞書や書籍のタイトル、出版社名、著者名(外国書籍の翻訳であれば訳者名も加える)をわかりやすいように明記しましょう。共著者がいる場合は、該当部分の著者が明らかであれば「〜ら」などとするか、共同研究などであれば代表著者の名前を記すのが一般的です。引用の書き方自体は前述した方法と同じです。
春は過ごしやすい。夏は暑い。秋は過ごしやすい。冬は寒い。SO I LOVE JAPAN.
出典:サンプル太郎(2019)『日本の四季と私』ロースト出版
基本の引用ルールは押さえたまま、引用元の表記方法が変わる点を覚えておきましょう。
画像引用の書き方
画像や図表などを貼り付けする場合、文章引用と同様に画像の下にリンク付きで引用元を明記します。
また、画像を挿入する際も画像をローカルファイルにダウンロードしてから自分のサーバーにアップロードするのではなく、画像アドレスを直リンクで挿入するべきだとされています。
ただし、(近年では少なくなりましたが)サーバー負荷の懸念などから「直リンク禁止」を明記しているWebサイトもある点に注意しましょう(このケースで引用したい場合は、著作権元に許可を取り、自分のサーバーに当該画像をアップロードして引用の表記を行う)。
なお、自分で撮影した写真や作成した画像を使用するのであれば引用の明記は不要です。
アナログ媒体での引用の書き方(Web上の文章をレポートなどで引用する場合)
ここまでWeb記事での引用の書き方を解説しました。
しかし、ビジネスの資料や学校の卒業論文など、紙で作成する文書で引用を使う場面もたくさんあります。
そこで、アナログ媒体での引用の書き方も簡単に解説します。
プレゼン資料・パワポ
社内でのプレゼン用に、パワーポイント(以下「パワポ」)を使って資料を作成することもあるでしょう。パワポでの引用の書き方は、基本的にWebでの書き方と同じです。
- 引用符をつける、背景色を変えるなどして引用部分の境界線をはっきりさせる
- 引用の直下に引用元のサイトや書籍を明記する
- ネットからの引用の場合はリンクではなくURLを直接記載する
上記に加え、資料の最後には参考文献リストとして引用したサイトや書籍を一覧で表記すると良いでしょう。
論文・レポート参考文献
論文やレポートの参考文献として使用したサイトの表記方法は2つです。
- 文中に表記する
- 文書の最後に参考文献一覧のリストを表記する
オンライン文献の場合、最終閲覧日を記載するのは、後にそのページが削除される可能性があるためです。
引用の書き方をマスターすれば参考文献を活用しやすい
記事コンテンツを作成するとき、何も参考にせず自分の言葉で書けば引用の必要はありません。
しかし、何か信頼できる参考文献があればその記事の質は格段に上がります。
その際に重要なのが、正しい引用の書き方。
きちんとルールを守らないと悪質なコピペになってしまうのです。
記事コンテンツ作成者は引用に関するネットリテラシーを身に付けましょう。