PCやスマホで日常的にインターネットを利用している現代の私たち。もしかするとほとんどの人が「インターネット=Web」と思っているかもしれません。
「インターネット」と「Web」は混同されやすいですが、この2つは似ているようで違います。
では一体どのような違いがあるのでしょうか。
インターネットとWebの違いを簡単に説明
普段の会話の中で「インターネット=Web」という意味で使っている人が大半でしょう。しかし、これらは関係しあってはいるものの、実はまったく違うものです。
簡単にいえば、インターネットは「道路」Webはそこを走る「車」のようなもの。私たちはインターネットという道路を走る車や自転車などのツールを使って、やり取りをしているのです。
インターネットとは?
インターネットとは、世界中にあるスマホやコンピューターを繋ぐ通信網のこと。先ほど出てきたように「道路」だと思えばイメージしやすいでしょう。
もともと英語の「inter」とは「中間、間、相互」、「net」は「網、網状のもの」という意味を持っています。この語源から「ネットワークとネットワークを繋いだもの」がインターネットだということがわかります。
またインターネットは一本道ではなく、相互にリンクしあい、網目状に繋がっているのが特徴。そのことから「ネット」という名前がつきました。
語源から改めて考えてみると、今まで曖昧だった「インターネット」の意味が見えてきたのではないでしょうか?
IT系で使われるWebとは?
一方でWebとは、インターネット上に存在する様々なツールの中の1つです。インターネットがコンピュータネットワークそのものだとすれば、Webはそれを応用した技術ということになります。
わかりやすいものでいえば、Webサイトやアプリなどが挙げられます。私たちが今見ているWebサイトから別のWebサイトに飛べるのは、インターネットという道路がきちんと整備されているからなんですね。
インターネットを通して使える機能の中の1つがWebですから、インターネットには他にも電子メールやファイル転送なども含まれていることになります。
「www(world wide web)」とは?
実はWebは「World Wide Web」の最後の単語を取ったもののこと。「www」といえば、私たちが普段開いているブラウザのURLも「www」から始まりますよね。
世の中にはwwwの他にもURLの冒頭に付けられる文字があります。例えばGoogleは様々なサービスを展開しているため「translate(翻訳)」や「books(書籍のインデックス)」などを冒頭に付けて、サービスごとに区別しているのです。
URLは言わばインターネット上の住所のこと。wwwは国、ドメイン名が都道府県、その下に続くのが市町村や番地だとイメージすると覚えやすいでしょう。
「World Wide Web」は直訳すると「世界規模の蜘蛛の巣」という意味になります。World Wide Webは文書と文書を繋げるハイパーテキストシステムを使っており、まさに「リンクをクリックしたらWebサイトが開く」のはそのシステムのおかげなのです。
Webサイトとホームページの違い
Webページの集合体のことを「Webサイト」と呼びますが、Webサイトとホームページの違いをご存知でしょうか?この2つを混同している人も多いかもしれません。
Webサイトとは、複数のWebページが集まった集合体のこと。例えば10枚のWord文書があれば、その10枚の文書すべてのことです。
一方でホームページ(Home Page)は「Home」という単語がある通り、最初のページを意味します。Webサイトのリンクツリーでいえば、一番上に位置するページのこと。そして10枚のWord文書でいえば、1枚目の文書のことです。
日本ではWebサイトもホームページも同じ意味で使われることが多く、特にインターネットに疎い人は「ホームページ」と一括りにしているかもしれません。
しかし海外では明確に区別されているため、海外で「ホームページを見て」と言ったら最初のページしかチェックしてもらえません。最初のページだけを見てほしいならそれでいいのですが、サイト全体をチェックしてほしいなら「Webサイトを見て」と言うのが正しいでしょう。
WebサイトとSNSの違い
では「Webサイト」とTwitterやInstagramなどの「SNS(Social Network Service)」はどう違うのでしょうか?実はSNSもWebサイトの1つなのですが、大きな違いはその特性にあります。
Webサイトはほとんどの場合、運営者→訪問者の情報"提供"ツールであり、ほぼ情報の伝達はほぼ一方通行です。訪問者から運営者に対するアクションは購買や資料請求、お問い合わせなど定型化しています。
それに比べSNSは、ユーザーとユーザー、企業と個人が双方向にやり取りできる情報"共有"ツールです。
企業がユーザーに情報を伝えたら、ユーザーが「いいね!」やコメントなどで反応したり、Webサイトにアクセスして実際に商品を見たりなどのアクションが起きます。
逆にユーザーが企業に関するレビューを投稿したら、他のユーザーがコメントして会話が生まれたり、企業からリツイートされるなどのアクションがあります。このように幅広いアクションが生まれるのがSNSです。
しかし、SNSは流動性が高いため、企業がSNSだけで商品を売るのは限界があるもの。そこで情報が集約されたWebサイトと合わせて運用することで、相乗効果が期待できるのです。
インターネットとWebの関係を理解して正しく使い分けよう
日本の一般消費者の間では「インターネット=Web」「Webサイト=ホームページ」がそれぞれ同義として使われることがほとんど。
しかし厳密に言えば「詳細はネットで見て」よりも「詳細はWebで見て」の方が正しく、「ホームページ開いて」よりも「Webサイト開いて」の方が正しいのです。
海外ではきちんとネットとWeb、ホームページなどを使い分けないと通じないことも多いため、これらの違いを理解しておく必要があります。
日本で仕事をするにしても、ITやマーケティングに関わる人なら正しく使い分けるようにしましょう。