IT初心者は「サーバー」と言われても、何のことなのかわからない人も多いでしょう。
しかし、これからITや技術系の勉強を始めたいという人はきちんと意味を理解しておく必要があります。なぜなら、サーバーはインターネットの仕組みを理解するための要となるからです。
本記事ではサーバーの意味と仕組みについて解説します。
IT系で使われる「サーバー」とは?
「サーバー」または「サーバ」とは、簡単にいえば私たちにインターネットの各種サービスを提供するソフトウェアの入ったコンピューターのことです。
コンピューターの中にWeb用、メール用などのソフトウェアを入れることで、普段見ているようなWebの画面を読み込んだり、メールの送受信をしたりと、私たちがいつもインターネットでやっていることを実現できます。
用途によって様々なサーバーがありサーバーを構築するためのハードウェアなども「サーバー」と呼ばれますが、一般的に「サーバー」と言ったらWebサーバーのことを指すことが多いでしょう。
PC初心者でも理解できるサーバーの仕組み
ブラウザを使ってWebサイトを閲覧する流れを例に、サーバーの仕組みを解説します。その前に、次の4つの名称を覚えておきましょう。
- ソフトウェアの入ったコンピューター(サービスを提供する側):サーバー
- 自分のコンピューター(サービスを受ける側):クライアント
- クライアントがサーバーに送る情報・要求:リクエスト
- サーバーがクライアントに送り返す情報・結果:レスポンス
- クライアントはサーバーに対し「このWebサイト(URL)を探して」とリクエスト
- サーバーは受け取ったURLからWebサイトの場所を特定し、クライアントにレスポンス
- クライアントはサーバーに対し「そのWebサイトが見たい」とリクエスト
- サーバーはクライアントにWebサイトのデータ(HTMLやJavaScriptなど)をレスポンス
- クライアント側のブラウザがデータを処理し、人間が理解できるように処理して表示
Webサイトの表示は一瞬ですが、実は細かいやり取りがいくつも行われていたんですね。
もっと簡略化するなら「クライアントが要求してサーバーがその要求に答える」という流れになります。サーバーは複雑なイメージですが、名前と仕組みを覚えればそんなに難しいものではありません。
「サーバを立てる」とはどういう意味?
IT業界ではよく「サーバを立てる」という言葉を耳にします。これは「サーバーを構築する」という意味です。
サーバーを構築すると言ってもコンピューターを作ることではなく、自分のコンピューター内にサーバー環境を作ることを意味するので注意しましょう。
サーバー環境を構築するにはネットワークやプロトコルの知識、プログラムの操作知識などが必要になります。
サーバー費用の相場
簡単なWebサイトを作る程度であれば、安い費用でサーバーを借りられるので十分です。
しかし膨大な量のデータをやり取りしたり、顧客の個人情報を自社で保管したりする場合には、サーバーの購入も検討するかもしれません。
サーバー購入前に考えておきたいポイントはいくつかあります。
- 将来的に規模が拡大するかどうか
- メモリ、HDD容量はどれくらい必要か
- CPUは十分か
- バックアップ機能の有無
など
30人未満の社員が使う小規模なサーバーなら15万円〜18万円なのに対し、100人以上が利用する高性能なサーバーなら60万円以上する場合もあります。
とはいえ、実際に運用してみないとわからない部分の方が多いでしょう。そんなときはいきなり高価なサーバーを購入するよりも、手が届く範囲のサーバーを購入するのがおすすめです。
まずは次のようなサイトから、どんなサーバーがあるか比較してみましょう。
参考:FUJITSU Server PRIMERGY サーバ選定ガイド
様々なサーバーとその意味
「サーバー」とひとことで言っても、インターネットは様々な用途で使われるため、その用途に合わせていくつかの種類があります。ここではサーバーの種類や意味について解説します。
ネットワークサーバーとは
「ネットワークサーバー」とは、インターネットを使ってサービスを提供するコンピューター全般のことです。よって「サーバー」または「サーバ」と同じ意味になります。
レンタルサーバーとは
「レンタルサーバー」とは、サーバーを貸し出す(レンタルする)サービス、または貸し出すためのサーバーのことです。
ただし実際にサーバーを借りて会社や自宅に置いておくわけではなく、レンタル業者にサーバー機器を置いた状態で、会社や自宅からそのサーバーにアクセスするという形になります。
サーバーは基本的に起動したままになるため場所代や電気代がかからず、業者側で管理・メンテナンスをしてくれるというメリットがあります。
共有・共用サーバーとは
「共有・共用サーバー」とは、大きなサーバーの一部を間借りするサービス、または間借りするためのサーバーのことです。
レンタルサーバーは1台のサーバーを物理的に借りるのに対し、共有・共用サーバーはシ一部だけ借りることになるため、データの保管や処理能力にやや不安が残ります。
しかし価格は抑えられるため、そんなに大きなサーバーは不要というときに便利です。
メールサーバーとは
「メールサーバー」とは、その名の通りメールを送受信するためのサーバーのことです。
しかしメールサーバーは単一ではなく、メールを受信するためのPOPサーバー、メールを送信するためのSMTPサーバーが必要です。さらにいえば、メールアドレスからIPアドレスを割り出すためのDNSサーバーまで必要になります。
どれかが欠けていると使い勝手が悪くなるため、ビジネスで使うならすべて必要になります。
エントリーサーバーとは
サーバーを構築したい人のために様々な構築用の製品が販売・提供されています。その中でも特に初心者向けの製品のことを「エントリーサーバー」と呼びます。
必要最低限の機能で価格も比較的安いためまさに「サーバー入門」にぴったり。IT初心者はここから始めてみるとよいでしょう。
ゲームのサーバーとは
ゲームを始める画面で「サーバーの選択」という画面が出てきたことはありませんか?これもゲーム用に用意されたサーバーのことです。
オンラインゲームはプレイヤーが多くなると1つのサーバーだけでは混雑し、タイムラグやバグなど不具合が起きやすくなるため、サーバーを複数に分けることが多いです。
それぞれのサーバーにゲームの世界観に合った名前をつけ、プレイヤーに選択させ、混雑しそうなサーバーは入場制限を設けるなどしてうまく運用できるような工夫がされています。
プレイヤーの会話の中では「鯖」と表記されることも多いです。
サーバーの意味と仕組みを理解しておくと便利
インターネットでは様々なサーバーが使われており、私たちがインターネットを利用するたびに動いています。
パソコンでもスマホでも、利用中に「サーバーに接続します」「サーバーエラー」など目にすることも多いです。それが何を意味しているのか、どう対応したらいいのかがわかるため、サーバーの意味や仕組みを理解しておくと便利です!