「ドメイン」や「独自ドメイン」は知っていても、意外とサブドメインについて知らない人は多いです。何のことか意味はわかっても、アドレスの中でどれがサブドメインにあたるのかわからない場合も。
今回はサブドメインの意味を解説すると同時に、ドメインの階層やサブドメインの取得方法などについても解説します。これを機会にサブドメインへの理解を深めましょう。
サブドメインとは?
サブドメインについて解説する前に「ドメイン」の意味をおさらいしましょう。ドメインとは、インターネット上に存在するコンピュータやWebサイトを識別するための名前です。「インターネット上の住所」と呼ばれることも多いですね。
それについて「サブドメイン」とは、「サブ」+「ドメイン」という組み合わせからわかる通り、ドメインをさらに分解して利用できる、補助的なドメインのことです。
例えばメール・ショッピング・映画など種類の違うさまざまサービスを展開するとき、同一ドメイン内だけでは限界があります。それを解消するためにサブドメインを設定し、サービスをわかりやすく分類するのです。
URL上のサブドメインと階層
上記のURLは、誰もが知るYahoo!のサービス「Yahoo!ニュース」のアドレスです。あなたはこのURLから、どれが親ドメインで、どれがサブドメインかを区別できるでしょうか?
「サブ」には「下位」とか「補助」という意味なので、親ドメインの下につくと思いがち。
しかし、正解はこちらの通り。赤枠の「news」がサブドメインであり「yahoo.co.jp」が親ドメインです。
親ドメインの前にサブドメインがつく形になりますが、URLは次のようなちょっと変わった階層になっています。
これをYahoo!ニュースのURLに当てはめると次のようになります。
この階層を覚えておくと、URLを見ただけでどのページにアクセスするのかが読めるようになります。
メールアドレスのサブドメイン
ドメインを取得すると、そのドメインを使ってメールアドレスを作ることができます。それと同様に、サブドメインを使えばメールアドレスを分類することができるのです。
例として「hanakoshop.com」というドメインのメールアドレスにサブドメインをつけてみましょう。
① info@tencho.hanakoshop.com
② info@yamada.hanakoshop.com
③ info@gift.hanakoshop.com
①の「tencho」や②の「yamada」といったサブドメインを入れてたアドレスとにメールを送ると、店長宛て・山田さん宛てとスタッフごとに送信先を変えられます。
もしくは③のように「gift」とサービス名をサブドメインに設定すると、ギフトに関するお問い合わせをこのメールアドレスに集めることが可能です。
ただ、ほとんどの中小企業ではメールアドレスのドメインを統一し、「@」の前の部分を変えることでメールアドレスを分類・付与しています。
むやみにサブドメインで分類すると統括しにくくなるというデメリットもあるので注意しましょう。
ライブドアブログのサブドメイン
ブログサービスを使ってブログを作るとき、そのブログサービスのドメインを借りるのが一般的です。それに対しライブドアブログは、ユーザーが好きにドメインを設定できるようにしています。
サブドメインも好みのものを設定できるのですが、上記で解説した「サブドメイン」とは少し性質が違います。
ライブドアでドメインを設定すると、
という形になります。しかし「サブドメイン」の部分は任意の文字列を設定できるわけではなく「doorblog.jp」や「youblog.jp」など、ライブドア側が用意した文字列から選ばなければいけません。
参考:ライブドアが提供しているサブドメインを使用
DNSサーバとサブドメインの関係
DNSとは「Domain Name System」の略で、DNSサーバはコンピューターのIPアドレスとドメイン名を結びつける役割をしています。具体的には、IPアドレスをドメイン名に、もしくはドメイン名をIPアドレスに変換する作業を行なっています。
自分でDNSサーバを所有している場合、サブドメインを使用するとドメインの階層をどんどん掘り下げていくことができます。
「xxxxx.com」というドメインから「sub1.xxxxx.com」へ、さらにサブドメインにサブドメインをくっつけて「sub2.sub1.xxxxx.com」と、階層が深まっていくのです。
ただDNSサーバの設定やサブドメインの設定などは詳しいIT知識が必要になるため、IT初心者には難しいでしょう。まずはサーバとドメインについて理解を深めることから始めてみましょう。
サブドメインのディレクトリ構造はどうなってる?
サブドメインとよく混同されがちなのが「サブディレクトリ」です。
こちらのURLの中で、ドメインとサブドメインは解説しました。ではサブディレクトリはどこかというと「pickup〜」以降の後ろの部分です。
例えば「hanakoblog.com」というブログの中に「スイートピー」「ギフト」などのカテゴリーを作ります。このカテゴリーはドメインに紐付き、
hanakoblog.com/sweetpea/
hanakoblog.com/gift/
と、サブディレクトリ入る形になります。この場合、カテゴリーを分けているだけなので「花子ショップ」というホームページにすべてのカテゴリーが含まれています。これをサブドメインを使って分類すると
sweetpea.hanakoblog.com=「花子ショップのスイートピーのブログ」
gift.hanakoblog.com=「花子ショップのギフトのブログ」
と別々のブログになります。つまり、それぞれのカテゴリーが独立している状態になるのです。
サブドメインは親ドメインの下層でありつつも、親ドメインの前につくディレクトリ構造であること、そしてサブディレクトリとはまったく別のものであることに注意しましょう。
サブドメインの作り方
サブドメインを作るには、まず独自ドメインを取得しておく必要があります。その際、ドメイン取得サービスを利用します。
ほとんどのドメイン取得サービスには、親ドメインだけでなくサブドメインを取得するためのサービスも付随しているため、そのサービスを利用すれば簡単にサブドメインが作れますよ。
手順としては、独自ドメインのフォルダにサブドメインを設定するだけです。
名前の付け方・決め方
サブドメイン取得で気になるのが名前でしょう。親ドメインを取得するときには、会社やサービス、ブランドの名前が理想的。ドメインを見た消費者に覚えてもらいやすいためです。
ではサブドメインは何が良いかというと、サブドメインを設定する目的によって異なります。同一の会社で別のサービスを展開するなら、そのサービス名にするとわかりやすいですね。
例えばYahoo!JAPANでは様々なサービスを展開しているため、ニュースは「news.yahoo.co.jp」、通販は「shopping.yahoo.co.jp」と、ひと目見ただけですぐに理解できるサブドメインに設定されています。
サブドメインの費用
ドメインを取得するためには年間で数千円の費用がかかりますが、実はサブドメインの取得には新たな費用はかかりません。
言ってしまえばドメインにかかる費用は「.com」や「.jp」などのトップレベルドメインに支払っているようなものなので、トップレベルドメインを新たに取得しないサブドメインは無料で取得できるのです。
サブドメインとドメインの階層を理解しよう
サブドメインと親ドメインの違い、サブディレクトリとの違い、さらにはURL階層についても解説してきました。これであなたもURLを見れば、「どの会社のどのページか」「どの企業のどのブランドか」など読めるようになったのではないでしょうか?
様々なサービスの展開やWebサイトの規模の拡大などを計画するなら、サブドメインの取得が便利です。ドメインと階層などをしっかりと理解して役立てましょう!