検索行動における「検索意図」は、コンテンツ制作やSEO対策において欠かすことのできない、検索の根幹をなすような重要な存在です。
本記事では、検索意図とはどのようなものか、なぜ重要なのかといった基礎知識に加えて、実際に検索意図を把握するための具体的な手法を説明。
さらに、検索意図をコンテンツ制作に落とし込む際のポイントとなる考え方についてもご紹介します。
検索意図(インテント)とは?
「検索意図(intent:インテント)」とはその名の通り、ユーザーがどのような意図を持って検索行動を取っているか、つまりユーザーの検索行動の理由や状況、その裏にある意志などを示しています。
何かを知りたい、問題を解決したいなど、それぞれのユーザーがさまざまな検索意図を持ってアクションを起こしています。
検索意図のクエリタイプを理解しよう
検索意図を正確に理解するためにも、まずは検索意図にどのようなタイプがあるかを見ていきましょう。
検索意図は、大きく3タイプのクエリ(query:質問)に分類できます。
①情報型(インフォメーショナル)クエリ
②取引型(トランザクション)クエリ
③案内型(ナビゲーショナル)クエリ
情報型(インフォメーショナル)クエリ
何かを知りたい、疑問に感じていることを解決したいときなどの検索。
たとえば、「大掃除 風呂」というキーワードならばお風呂場の大掃除方法を知りたい、あるいは「お年玉 金額」というキーワードならば子どもの年齢ごとに適切なお年玉の金額を知りたいなどの検索意図があると想定されます。
取引型(トランザクション)クエリ
何かをしたい、行動したいなどの意図があるときの検索。
たとえば、「京都 ホテル 予約」や「中古車 売却」といったキーワードのように、起こしたいアクションが見えるクエリです。
案内型(ナビゲーショナル)クエリ
特定のWebサイトやページを探しているときの検索。
企業名やサービス名を直接キーワードとして入力するときは、案内型の検索意図である場合が多くなります。
もちろん、これらの分類はあくまで大雑把なものである上に、どれかひとつに明確に分類できるとも限りません。
とは言え、ユーザーの検索意図を読み取るためには、有効かつ参考になる考え方なので、ぜひ理解しておくようにしましょう。
クエリから見えるもの
この他にも、検索意図は
- know(知る)
- do(やる)
- buy(買う)
- go(行く)
の4つに分類できると解説されるケースもありますが、これは「検索ユーザーのニーズを正確に・詳細に汲み取るための枠組み」に過ぎませんので、本質を忘れなければ呼び名はそれほど重要ではありません。
SEOにおいて検索意図が重要な理由
ユーザーは自分に必要な情報をこそ望む
検索意図を持ってアクションを起こしたユーザーは、当然ながら自分のニーズに対する適切な回答をこそ望んでいます。
たとえば、フライパンで魚を美味しく焼く方法を知りたくて、「魚 フライパン 焼き方」といったキーワードで検索しているとしましょう。
この検索意図に対して「魚が美味しく焼けるグリル付きガスコンロ」や「七輪で魚を美味しく焼いてみよう」といったページが検索結果として返されたら、ユーザーはどう思うでしょうか。
確かに、キーワードの一部は一致しているかもしれませんが、明らかに自分の望む情報ではありませんね。
ユーザーは、あくまで自分の求める情報、つまり検索意図への応えが掲載されたページを検索結果に望んでいるのです。
Googleはユーザーの検索意図を理解している
そして、上記のようなユーザーの検索意図は、Googleはきちんと理解した上で検索結果を返しています。
というのも、ユーザーファーストを掲げるGoogleの目的は、ユーザーの検索意図を満たして検索行動に満足してもらうこと。
そのためには、検索意図を正確に理解することが不可欠であり、昨今のGoogleはこれをきわめて高いレベルで実現しているのです。
Googleは検索意図に応えるサイトを高く評価する
Googleがユーザーに対して優れた検索体験を提供するためには、ユーザーの検索意図に応えるサイトを検索結果の上位に表示させることで、ユーザーが適切な情報へとアクセスしやすくする必要があります。
こうした理由により、「ユーザーの使ったキーワードの裏にある検索意図」と「そのキーワードに対するコンテンツ内容」が合致しているほど、ユーザーの検索意図に応える情報としてGoogleの評価が高くなる=上位表示になるのです。
検索意図を把握するための4つの基本的な方法
検索意図がどのようなもので、なぜ重要なのかがわかっても、実際にユーザーがどのような検索意図で行動しているかを把握できなければ意味がありません。
続いては、検索意図を把握するための基本的な手法をご紹介します。
1.サジェストワードを調べる
Googleの検索窓にキーワードを入力すると、関連する候補キーワードが自動的に表示(オートコンプリート)されます。
これはサジェストワードと呼ばれ、多くのユーザーに何度も検索されており、重要度が高いとGoogleが判断したキーワードや、類似するキーワードなどが表示されます。
このサジェストワードを調べることで、「ユーザーはどのような情報を知りたがっているのか」「いま、どのようなことが話題になっているのか」などが把握でき、そこから検索意図を読み取ることができます。
2.関連キーワードを押さえる
実際にキーワードを入力して検索を実行すると、検索結果画面の下部に「○○に関連するキーワード」として関連キーワードが表示されます。
この関連キーワードも、検索ボリュームが多く、よく検索されているキーワード。つまり、多くのユーザーの検索意図が反映されていることが読み取れます。
3.上位表示されるコンテンツの内容を調べる
キーワード自体を調べるだけでなく、「そのキーワード(検索意図)に対して、どのような内容のコンテンツが高く評価されているのか」を調べることも大切です。
これを知るには、実際に上位表示されるコンテンツを精査するのが一番。上位サイトであるということは、Googleから「そのキーワードでの検索において、ユーザーの検索意図に応えるコンテンツ」だと評価されている証だからです。
その内容を調べることで、ユーザーがどのような検索意図でアクションを起こしているかが見えてくることでしょう。
4.お悩み相談やQ&Aサイトを参考にする
また、「Yahoo!知恵袋」や「OKWAVE」のようなお悩み相談・Q&Aサイトを参考にするのもおすすめです。
ある質問を多くのユーザーが参考にしている場合は、そのトピックに同じような悩みや問題を感じているユーザーが多いことを意味します。
さらに、「Q&Aサイトで調べる」というアクションを実際に起こしていることからも、ユーザーの検索意図や必要度合いが把握しやすいと言えるでしょう。
検索意図に応えるために大切なことは?
本当にユーザーの役に立つ情報は何かを見定める
検索意図は、ただ把握しただけでは意味がありません。
正しく検索意図を理解した上で、それに応えられるコンテンツを提供することが、何よりも重要なのです。
コンテンツ作成の際のポイントとしては
①競合サイトよりもユーザーの役に立つ、オリジナリティの高い情報を提供する
②ユーザーが本当に欲しい情報を見定めて提供する
という点が挙げられます。
とくに「ユーザーが本当に欲しい情報」は重要かつ難しいもの。
たとえば、製品やサービスのアピールにつなげたいという思いがある場合、どうしても「自分が言いたいこと」を強調しがちです。ここで提供者目線ではなく、ユーザー目線を大切にできるかどうかが、コンテンツの善し悪し、ひいてはGoogleの評価につながってきます。
トピックの網羅性を高めてユーザーのニーズを満たす
また、ユーザーが必要としている情報の中には、ユーザー自身が認識していない、または検索キーワードに反映されていないような潜在的なニーズも存在します。
たとえば、京都への旅行計画を立てたいという検索意図のもと、「京都 旅行」というキーワードで検索したとしましょう。
このとき、ユーザーが意識している情報としては、「交通アクセスの方法」「ホテルの選択と予約」「おすすめの寺社観光ルート」「現地のイベント情報」などが考えられます。
しかし、じつはユーザーが意識していないだけで、「混雑情報」や「お土産情報」「おばんざいのお店」「舞妓さんに会う方法」などの情報も、潜在的には知りたいと思っているかもしれません。
検索キーワードから検索意図を読み取り、さらにこうした潜在ニーズを先回りして提供することも、ユーザーの満足度向上には非常に効果的。サイト全体でトピックの網羅性を高めることで、ユーザーのさまざまな潜在ニーズを満たせるようにしましょう。