Webサイトは公開しているものの、思うように集客ができない。
そんな悩みを持っているWeb担当者向けに、本記事ではWeb集客の基礎知識について解説します。
Web集客に必要な知識として、トリプルメディアなどのマーケティング情報、およびサイトへの集客経路についての情報などをわかりやすく整理します。
また、それぞれの経路を活かして、どのようなWeb集客を行うべきなのか。
その基本的な方法についてもご紹介します。
Web集客の特徴と2つのアプローチ
Webサイトおよびインターネット上の各種サービスを活用した集客方法である「Web集客」には、どのような特徴があるのでしょうか。
Web集客のメリットとデメリット
まずは、従来のリアル集客や広告などと比べて、Web集客のメリット・デメリットを見ていきましょう。
Webコンテンツ自体が資産になる
Webサイト(ホームページ)を用いた集客には、そこに掲載されたコンテンツ自体が「資産」になるという大きな特徴があります。
Webサイトに掲載して公開した瞬間だけでなく、公開を続けている限りコンテンツ資産としての価値を生み続けるのです。
さらに、コンテンツはけっして固定ではありません。
増やすこともできれば、内容を更新していくことも可能です。
施策の効果測定が容易
たとえば雑誌広告やテレビCMなども含めて、従来の集客には細かい効果測定が難しいという弱点があります。
もちろん、大枠での効果はわかりますが、どの施策がどの結果につながっているのか、その詳細な因果関係を把握するのが難しいのです。
一方、Web集客の場合はユーザーの行動やその結果を容易に測定することができます。
Googleアナリティクスなどをはじめ、さまざまな解析ツールを用いて施策の効果を簡単に把握できるのです。
この点は、Webならではのメリットと言えるでしょう。
無料サービスの活用でコストを抑えることも
また、Web集客のさまざまな施策は、無料サービスを活用することで低コストから始めることもできます。
注意したいのは、けっして無料のWeb集客があるわけではないという点。
あくまで、サービスの利用自体に料金がかからない、あるいは自分で対策できるものもあるというだけで、人件費という大きなコストがあることは忘れないようにしましょう。
自分自身で行うには知識と時間が必要
「自分で無料でできる!」という点をがWeb集客の特徴とされることもありますが、自分自身の時間および労力というリソースを割く必要があることには十分に注意しましょう。
さらに、Web集客は競争の激しい分野でもあり、簡単に結果が出るわけでもありません。
効果的なWeb集客を自身で行うためには、しっかりとした知識や技術も必要になります。
Webマーケティングにおいて重要なトリプルメディアとは
Web集客を実施する際には、漠然とした「自社ホームページ」のような捉え方だけでなく、利用するメディアの特性をしっかりと理解しておくことが大切です。
ここでは、現在のWebマーケティングに欠かせない「トリプルメディア」について簡単に説明します。
自社ホームページを含むオウンドメディア
Webサイトと聞いて真っ先に思い浮かべるのが、自社のコーポレートサイトや企業ブログなどでしょう。
これらの自社所有(owned)で管理・運営するメディアのことはオウンドメディア(Owned Media)と呼び、Web集客の要となっています。
有料広告のペイドメディア
Googleのリスティング広告など、料金を支払って広告を掲載できるメディアをペイドメディア(Paid Media)と呼びます。
Webに限らず、雑誌の記事広告や純広告、テレビCMなどのマス広告もすべてペイドメディアに相当します。
SNSなどのアーンドメディア
Webならではの3つめのメディアが、アーンドメディア(Earned Media)です。
アーンド(Earned)=獲得されたという意味から、消費者の信用や評判を獲得できるメディアとして、おもにTwitterやFacebookなどのSNSがこれに相当します。
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Web集客に必要な2つのアプローチ
3つのメディアについて把握した上で、Web集客には大きく以下の2つのアプローチが必要になります。
- 人が集まるだけの魅力を持ったWebサイトの制作
- そのWebサイトへの誘導
当然ながら、Web集客を行うためには、その着地点となるコンテンツが必要です。
そのコンテンツに魅力がなければ、いくら集客を試みても意味がありません。
まずは集客できるだけのWebサイトを作りましょう。
次に、ただ魅力的なサイトを作っただけでも人はなかなか集まってくれません。
インターネット上には無数のコンテンツがあり、その中で多くの人に訪問してもらうためには、サイト制作とは別に誘導——すなわち集客そのものが必要になります。
集客できるWebサイトを作る3つのポイント
集客する力にあふれた魅力的なWebサイトは、どうすれば作ることができるでしょうか。
もちろん、やるべきことは多岐にわたり、どれも簡単というわけではありません。
ここでは、とくに気をつけたい3つの基本的なポイントをご紹介します。
①Webサイトの対象と目的を明確にする
Webサイト制作で何より大切なのが、目的およびターゲットを明確にすることです。
ここが曖昧なまま、ただ何となく言いたいことだけを並べていても、けっきょく誰の元にもそのメッセージは届きません。
対象は誰なのか、どんな情報を伝えるのか、その結果として何をしてもらいたいのか。
これらをペルソナ等も用いて具体的に定めましょう。
②ユーザーファーストのコンテンツを心がける
次に、コンテンツはあくまでユーザーファーストに作りましょう。
「自社製品の魅力」「自社のメリット」「自社のメッセージや取り組み」。
確かにこれらの情報を発信することも大切ですが、ユーザーが求めているのはあくまで自分の役に立つ情報であることを忘れてはいけません。
だからこそ、Googleもユーザーファーストを掲げ、ユーザーの役に立ち、ユーザーが検索行動に満足するようなサイトを高く評価しているのです。
そうしたユーザー視線を理解し、ユーザーファーストのコンテンツを作ることが大切です。
③継続的な更新で鮮度の高い情報を届ける
Webサイトに掲載したコンテンツは企業の資産たり得ますが、その資産も変化がなければ淀みが生じて価値を減じてしまいます。
Web上の情報はとくにこの傾向が顕著なため、集客に値するサイトであるためには、継続的な更新で新鮮な情報を追加したりアップデートしていく必要があります。
その点、コンテンツの追加や修正が容易な企業ブログは、集客の要として活躍しやすい存在と言えるでしょう。
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Webサイトに集客するための方法
具体的なWeb集客の実施にあたっては、Webサイトへの流入経路にどのようなものがあるかを把握し、それぞれの特性にあわせた施策を展開することが重要です。
Webサイトへのおもな集客経路
まずは、Webサイトへ集客するためのおもな経路について見ていきましょう。
自然検索流入
自然検索は、いわゆる普通の検索結果からの流入です。
Googleなどの検索エンジンでキーワードを用いて検索し、その結果から興味を持ったサイトを訪問。
基本的には順位が高いほど流入数も多くなります。
有料検索流入
検索結果画面(SERPs)には、自然検索の結果の他に、検索キーワードに連動した広告(リスティング広告)も表示されます。
先述したペイドメディアに相当し、たとえ自然検索では上位には入れなくても、有料の広告枠でユーザーにアプローチできます。
SNSからの流入
最近は検索エンジン以外にSNSからの流入も見逃せません。
TwitterやFacebook、Instagramなどの各種SNSは今や重要なプラットフォームであり、若い世代の中には検索エンジンを使わずにSNS内での検索を最初に行うというユーザーもいるほどです。
外部サイトからのリンクによる流入
外部のWebサイトに設置されたリンク、いわゆる被リンクからの流入もあります。
基本的にはコンテンツ内容に関連のあるページからの被リンクになるため、ユーザーの高い興味も期待できます。
直接流入
上記4つの他に、リンクを介さない直接流入があります。
ブックマーク(お気に入り)などの他、RSSリーダーへの登録などもこれに相当します。
SEO対策で中長期的な自然検索流入アップ
いくつかの流入経路を紹介しましたが、やはりWeb集客の基本となるのは自然検索からの流入数アップでしょう。
検索結果の順位が高いほど、検索結果画面に表示される回数も訪問される回数(クリックされる回数)も増えるため、上位表示を狙うのが目標となります。
そのためには適切なSEO対策が必要であり、短期間で劇的な効果は望めないため、中長期的な計画の元に進めることをおすすめします。
即効性を求めるなら有料広告が効果的
一方、期間限定のイベントやキャンペーンなどを展開する場合、中長期的なSEO対策などと悠長なことは言っていられません。
このような即効性が必要なときには、ペイドメディアの活用がおすすめです。
リスティング広告そのものは資産として残りませんが、短期的に集客効果を上げたい場合には非常に有効な手法です。
SNSやプレスリリースの活用で接点を拡げる
新規ユーザーの獲得という点では、SNSやプレスリリースの活用が効果的です。
企業の公式アカウントと連携してSNS拡散を狙ったり、予算によってはインフルエンサーを起用したSNSマーケティングなども効果的でしょう。
また、プレスリリースは比較的低コストで利用できる上に、ニュースメディアや情報感度の高いユーザーが取り上げてくれる可能性が高まります。
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効果測定と改善を繰り返してWeb集客の成功を目指す
Web集客の2つのアプローチをご紹介しましたが、いずれにおいても重要なのがPDCAをしっかりと回すことです。
効果測定が容易という点はWeb集客のメリットであると同時に、逆にこれを活用しなければ十全に効果を発揮できないということも意味しています。
どの施策によってどんな結果が出たのか、それを解析することで良い点も悪い点も明らかになり、改善すべきポイントや新たな仮説も見えてきます。
Web集客の成功為には、このPDCAの視点も忘れないことが大切です。