オウンドメディアの制作や運営は片手間でできるものではなく、それなりの人員と時間を割く必要があります。
どうしても社内のリソースが足りない場合には、外注を検討することもあるでしょう。
そこで今回は、オウンドメディアを外注するメリットとデメリットをまとめました。
オウンドメディアの制作会社を選ぶポイントも合わせて解説します。
オウンドメディアを外注するメリット
オウンドメディアを外注した場合の5つのメリットを見ていきましょう。
自社の負担が減る
外注による一番のメリットは自社の負担が減ることです。
オウンドメディアは軌道に乗るまでが大変ですから、多くの人員・時間をかけることで、メインビジネスの方が手薄になる可能性も考えられます。
またオウンドメディア制作のノウハウを持つ人材がいない場合には勉強しながら進めていくか、新たに人材を雇う必要が出てくるでしょう。
オウンドメディアの制作を外注すれば、人員は制作会社と打ち合わせをする担当者1〜2名のみで、ノウハウがなくてもオウンドメディアの運営をスタートできます。
客観的に判断ができる
インハウスでオウンドメディアを制作した場合「自分で作ったものを客観的に見れない」という課題が出てきます。
その課題を解決してくれるのが外注です。
ある程度のテーマやコンセプトは制作会社と共有しますが、制作会社が上げてきたものは客観的に判断できます。
客観的に判断できるということは、違和感や課題点を見つけて改善できるということでもあるのです。
スピーディーに運用を開始できる
ほとんどの企業がメイン商品を持ったうえで、オウンドメディアの運営を検討しているはずです。
ということは、オウンドメディアにばかり集中して取り組むことはできませんよね。
それではリリースに時間がかかり、長引けば長引くほど熱が冷めてしまうという課題が出てきます。
外注することで制作会社にオウンドメディアを任せ、自社ではメインビジネスに集中しつつ、完成を待つことができます。
時間的ロスが少なく、スピーディーに運用を開始できるでしょう。
質の高いオウンドメディアが完成する
ノウハウのない社内でオウンドメディアを制作するより、外注した方が質の高いオウンドメディアが完成しやすいというメリットがあります。
制作会社はオウンドメディア制作・運営で培ってきたノウハウ持っていますから、社内のノウハウ不足を感じる場合には外注するのがいいかもしれません。
ただし、これは質の高い制作会社を選んだ場合に限ります。
中には大した実績やノウハウを持たずに受注している制作会社もありますから注意しましょう。
定期的にコンテンツを更新できる
オウンドメディア成功の要は「定期的にコンテンツを更新できるかどうか」にあります。
そこで、コンテンツ制作だけでもライターに外注すれば、更新を止めることなくオウンドメディアを運営できます。
先述したとおりオウンドメディアの運営には人員も時間もかかるため、社内だけで回そうとするとどうしても更新が止まってしまう状況もあるでしょう。
制作はインハウス、コンテンツは外注という使い分けもおすすめです。
オウンドメディアを外注するデメリット
オウンドメディアを外注した場合のデメリットも無視できません。ここでは4つのデメリットを解説します。
費用がかかる
オウンドメディアを外注したいと思ったとき、最初に気になるのが費用です。オウンドメディアの費用相場はおおよそ次のとおり。
- オウンドメディア構築:20万円〜300万円
- オウンドメディア運用と運用支援:無料〜20万円/月
- コンテンツ(記事)制作:5000円〜10万円/1記事
ご覧の通り、相場はあるものの費用感は依頼する業者、求めるライン・クオリティによってピンキリです。
低予算で構築・運用したとしても、コンテンツ制作で気付けば数十万かかっていた、なんていう場合もあります。
外注にはイニシャルコスト・ランニングコストの両方がかかると予想し、しっかりと予算を確保する必要があります。
ノウハウを蓄積しにくい
ノウハウのある制作会社に依頼することで質の高いオウンドメディアができますが、逆に社内でノウハウを蓄積しにくいことも忘れてはいけません。
社内にノウハウがないゆえに、ズルズルと制作会社に依存することも考えられます。
将来的に社内で運用していきたいと思ったとき、しっかりと勉強してノウハウを蓄積していくようにしましょう。
外注する・しないどちらの場合でも、勉強が必要であることに変わりはありません。
自社の独自性を出しにくい
オウンドメディアは競合が多いですから、その中で勝ち残るためには自社の独自性が重要になります。
インハウスで制作・運用した場合は独自性にこだわることができますが、外注した場合は独自性が薄れる可能性があるでしょう。
それを防ぐためには、こちら側の変更に対応してくれる制作会社を選びや、綿密な打ち合わせが必要です。
制作会社と衝突する場合も
制作会社の担当者も人間ですから、何かをきっかけに衝突する場合もあります。
例えばこだわりの強い担当者だと、依頼側の意図を汲まず、その担当者の独断でオウンドメディアやコンテンツを作ってしまう場合も。
制作会社を選ぶ際には、きちんと依頼側の意図を汲んでくれるか、変更にどこまで対応してくれるかなどを、契約書で確認しましょう。
営業担当と制作担当が違う場合もあるため、営業担当者の人当たりの良さだけで選ばないことも大切です。
オウンドメディア外注時の制作会社選びのポイント
オウンドメディア外注には、制作会社選びがとても重要です。
ここでは「オウンドメディア構築」「コンテンツ制作」「運用全般」の3つの外注パターンに合わせて、制作会社選びのポイントを解説します。
オウンドメディア構築
オウンドメディアの構築をゼロから始める場合、最も重要なのは自社で目的やコンセプト、ペルソナ等の基本情報をはっきりさせておくこと。
それらをふまえたうえで、制作会社の選び方を見ていきましょう。
SEO対策に強いか
制作会社選びの第一条件として、SEO対策に強いかどうかを挙げます。
制作会社とは別にSEO対策会社もありますが、二重で契約すると費用が膨大になるため、SEOの知識を持った制作会社に依頼するのが最適です。
ただし「SEO対策に強い」と謳っているだけでは判断材料としては足りないため、次の項で解説する「実績」も重要なポイントとなります。
同業種の実績があるか
オウンドメディア制作会社の多くが、ホームページ等に制作実績を載せています。
大企業の制作実績が載っていれば「すごい」と思いがちですが、ここでチェックしたいのは「同業種の実績があるかどうか」です。
ファッションや生活雑貨系の制作実績が多数あっても、IT系や医療系のオウンドメディア制作にも強いとは言い切れません。
ホームページに載っている制作実績だけでは判断がつかない場合には、直接問い合わせて実績を開示してもらうと良いでしょう。(※ここで実績の開示を渋る場合には、悪質な制作会社の可能性もあるので注意してください)
アフターフォローがどれくらいあるか
アフターフォローがどれくらいあるかも、制作会社選びで重要なポイントです。
特にオウンドメディアのノウハウがない自社では、ただサイトを作ってポンと渡されるだけではその後の運営に行き詰まります。
制作後はある程度まで運営してくれるか、困ったときには相談できるか、不具合が起きたら対応してくれるかなどのアフターフォローがあるか、しっかりと見極めましょう。
コンテンツ制作
記事や動画などのコンテンツ制作だけを依頼する場合には、コンテンツを作る本人の質を重視しましょう。
個人で活動しているフリーランスは柔軟に対応してくれる場合が多いので、企業だけでなく個人への依頼も検討を。
SEOを意識したコンテンツ制作ができるか
オウンドメディアの制作と同様、コンテンツ制作でもSEOを意識できる外注先かどうかが見極めポイントです。
オウンドメディアの集客チャネルは検索エンジンが大半を占めるため、いかに検索エンジンに評価されるコンテンツを作れるかが重要となります。
コンテンツ制作においても、外注先の実績を見せてもらうと良いでしょう。
逆に、すでにある程度アクセス数があってリッチなコンテンツを発信してブランディングにも繋げたい場合には、SEOよりも「面白い・意義のあるコンテンツが作れるかどうか」がチェックポイントになります。
外注先・相手の質はどうか
出来上がるコンテンツの質だけでなく、やり取りを交わす相手の質もきちんとチェックしましょう。
- しっかり連絡は取れるか?
- 柔軟な対応ができるか?
- 社会人としてのマナーはあるか?
- 雑な仕事をしていないか?
など
人間性の部分をチェックすることは、その後のトラブルを避ける意味でも重要です。
特にフリーランス個人と契約する場合には、契約書を交わすことも忘れずに。
運用全般
オウンドメディアの運用だけでなく、合わせてSNS・メルマガ・広告なども運用してくれる制作会社もあります。
しかし費用が膨大になりやすいので、制作会社選びには特に注意したいところです。
SNSやメルマガの運用が必要かどうか
制作会社に丸々任せてしまう前に、そもそもSNSやメルマガの運用が必要かどうかを検討する必要があります。
オウンドメディアの初期段階ではオウンドメディアを育てることに集中したいため、ほとんどの場合はSNSやメルマガの運用は必要ありません。
オウンドメディアがしっかり整ってから、やっとSNSやメルマガ、または広告の運用を開始するのが理想です。
無駄な費用を使わないためにも、始めるタイミングはしっかりと見極めましょう。
自社の課題に対する提案があるか
こちら側の依頼に「はい、はい」と対応するのが良い制作会社とは限りません。
自社よりもノウハウを持っているからこそ、何か課題を見つけたらしっかりと提案をしてくれるのが質の高い制作会社です。
オウンドメディアの構築段階はもちろん、運用の段階でも「もっとこうした方が〇〇になるので良いですよ」と具体的なアドバイスをくれる制作会社は大切にしましょう。
オウンドメディアの外注はしっかり検討を重ねてから
オウンドメディアに割くリソースやノウハウがあればインハウスで制作・運営ができますが、なければ効率的に運営するという意味でも外注を検討するといいでしょう。
しかし外注にはメリットもあればデメリットもあるもの。
思わぬ失敗を避けるために、予算はどれくらいあるか?どこまで依頼すべきか?など、よく検討を重ねてから外注しましょう!