企業の採用の一般的な流れは、応募を待ち、応募者を面接して、その中から選ぶというもの。
しかし待ちの姿勢では価値の高い人材はやってきません。
そこで注目されているのが「オウンドメディアリクルーティング」です。
「攻めの採用」と言われているオウンドメディアリクルーティングのメリット、事例を解説します。
オウンドメディアリクルーティングとは?
「オウンドメディアリクルーティング」とは、オウンドメディアを通して求職者向けに情報を提供し、共感を喚起することで価値の高い人材の獲得に繋げていく採用手法です。
見込み客などに向けた発信ではなく、求職者に向けた発信によって自社のイメージを向上させ、「この会社で働きたい」と思わせ、実際に応募してもらうことを目的としています。
そのためオウンドメディアで発信する情報は社内のことが中心です。
社員への働き方インタビューや、企業の考え方、取り組みなどを発信します。
オウンドメディアを通して採用するメリット
オウンドメディアで能動的なリクルーティングを行うことは、人材獲得の面だけでなく、社内にとってもメリットがあります。
人材獲得におけるメリット
- 自社について深く知ってもらった上で応募してもらえる
- 「思っていた人(会社)と違う」という採用のミスマッチを防ぐ
- 今までいなかった新しい人材を発掘できる
- 求職者以外にも将来的に転職を考えている潜在層にもリーチできる
- 求人誌などで費用をかけずに採用できる
社内や既にいる社員にとってのメリット
- 社内の活性化に繋がる
- 部署ごとの活動を透明化し部署間の連携が取りやすくなる
- 社員のモチベーション向上
- 社員の定着率が上がる
- コンテンツ自体が資産になる
採用を強化したい、より価値の高い人材を獲得したいという企業は、ハローワークや求人誌などで求人をするよりもオウンドメディアリクルーティングが向いているかもしれません。
オウンドメディアリクルーティングアワードにも注目
オウンドメディアリクルーティングアワードとは、Indeed Japan株式会社が主催する式典です。
オウンドメディアリクルーティングを積極的に取り入れ、能動的な採用をしている企業を毎年表彰しています。
オウンドメディアリクルーティングアワードに集まる企業はどこもオウンドメディアで採用強化をしている先進的な企業ばかり。
これからオウンドメディアリクルーティングを取り入れていこうと考えているなら、本アワードは参考になることばかりなので注目しておくといいでしょう。
将来的にエントリーするのもいいかもしれませんね。
オウンドメディアリクルーティングの成功事例5選
オウンドメディアリクルーティングでしっかりと成果を出している事例を5つご紹介します。
サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
「サイボウズ式」はオウンドメディアリクルーティングアワード2019でグランプリを受賞した有名なオウンドメディアです。
サイボウズ株式会社の魅力をオリジナリティ溢れるコンテンツにして発信しています。
注目すべきなのは、自社に関する情報の発信だけでなく「サイボウズ式」を訪れる人の悩みや課題解決のヒントになるコンテンツも掲載していること。
ユーザーに寄り添ったコンテンツにより求職者や社員を手助けし、現在の離職率は5%を切っています。
Oisix ra daichi RECRUIT(オイシックス・ラ・大地株式会社)
「Oisix ra daichi RECRUIT」のオウンドメディアを開いてみると、最初に飛び込んでくるのは動画。動画による視覚的情報で社内の様子、活動の様子をダイレクトに伝えています。
最初に目にする動画はもちろん、コンテンツ1つ1つに職種ごとの仕事内容ややりがい、働く人・関わる人の個性などの要素が散りばめられており、見ていて楽しくなるようなオウンドメディアになっています。
さらにデザイナーの制作したデザインをPinterestに掲載するなどオウンドメディア外での活動もしている点も注目です。
フルスイング(株式会社DeNA)
WELQ問題などで一時期信頼を落としていた株式会社DeNAですが、オウンドメディアを通した情報発信により信頼を回復し、さらにオウンドメディアリクルーティングアワード2019でも入賞を果たしました。
「フルスイング」ではデザイナー、ゲームクリエイターなど職種ごとの社員や働き方の紹介をしたり、「#ホントはどうなの?DeNA」というタグで株式会社DeNAの“嘘・本当”や裏側の部分を紹介したりと、内容の濃いコンテンツが多数掲載されています。
LINE HR BLOG(LINE株式会社)
http://line-hr.jp/LINE株式会社のリクルーティングメディア「LINE HR BLOG」は、LINE株式会社が普段どんな活動をしているのかが見える化されているのが特徴です。
カテゴリーの「社内の様子」では社員の仕事ぶりに加えライフスタイルを紹介したり、「LINEのなかみ」では各部署の仕事内容を紹介したり、さらに「リーダーに聞く」では社内外のリーダーたちへのインタビューを掲載したりと、かなり参考になる部分が多いです。
mimi(Sansan株式会社)
法人向け名刺管理サービスを提供するSansan株式会社では、「mimi」というオウンドメディアを使ってリクルーティングしています。
「名刺管理サービス?結局何をしてるの?」という疑問を持つ人に向け「mimi」では社員インタビューを中心としたコンテンツをアップ。
Sansan株式会社に入った後の働き方がイメージしやすくなっています。
さらにスタイリッシュなUIによる視覚的なブランディングも若者ウケがよく、参考になるでしょう。
従来の採用方法にとらわれないオウンドメディアリクルーティング
従来の採用手法では、運よく優秀な求職者が来るのを待ったり、こちらから直接声をかけることしかできませんでした。
しかし時代とともに採用方法が変わってきています。
オウンドメディアリクルーティングであればより効率的に、より価値の高い(=企業への貢献度が高い)人材を採用できるでしょう。
またコンテンツを資産にしたり、社員のモチベーションアップにもなったりと多くのメリットがあります。
従来の採用手法や形式ばった採用方法にとらわれず、ぜひオウンドメディアリクルーティングを取り入れてみてください。