BtoBのWebマーケティング戦略を成功に導くための5つの重要ポイント

BtoCで活用するイメージが強いWebマーケティングですが、じつはBtoBにおいても非常に重要な存在です。

一方で、BtoBのWebマーケティングを成功させるためには、BtoCとの違いをしっかりと把握した上で、BtoBならではの特性にあわせてマーケティングを展開することが欠かせません。

本記事では、BtoBのWebマーケティングに関する基礎知識に加えて、成功に導くための基本的なポイントについてもご紹介します。

目次

BtoBでもWebマーケティングは重要な存在に

WebサイトやWebサービスを活用して「儲かるための仕組みを作る活動」を行うWebマーケティングは、多くの人にとってBtoCで活用するイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、じつはBtoBにおいてもWebマーケティングは重要な存在であり、これを活用できるかどうかがビジネスの成否に大きく影響してきます。

購買プロセスの変化はBtoBでも

Webマーケティングが重要になってきたおもな理由として挙げられるのが、顧客の購買活動の変化や、正確な効果測定が容易といった点などです。

そして、購買プロセスの変化は、BtoBにおいても確実に起きています。

かつては、購入を検討する製品やサービスがあれば、「まずは営業に来てもらって話を聞く」というスタイルが多数を占めていました。

しかし、Webの普及およびWeb上の情報の充実にともなって、顧客の情報収集能力も高まっています。

「まずは営業に聞く」というスタイルから、「まずはWebで調べてみる」というスタイルが一般化。

ある程度の事前調査や競合比較などを行った上で、「これは良いかもしれない」と思うところにアプローチするように変わってきたのです。

こうしたWebを活用した購買プロセスの変化は、正確な情報のもとにロジカルな判断を下すBtoBだからこそ、重要度を増したと言えるでしょう。

BtoBとBtoCのWebマーケティングはどう違うのか?

BtoBのWebマーケティングが重要になる一方で、「BtoBでの活用は難しい」「なかなか上手くいかない」といった声も聞こえてきます。

成功に至らない、あるいは失敗したケースでは、BtoCと同じやり方でWebマーケティングを進めようとしたために、思うような効果を得られなかったいう理由が考えられます。

BtoBとBtoCでは、そもそもビジネスの性質や特徴が大きく異なるため、Webマーケティングの進め方もそれに合わせて変えていく必要があるのです。

まずは、BtoBとBtoCの違いをあらためて確認してみましょう。

ターゲットの数も範囲も限られる

多数の一般消費者を相手にするBtoCでは、性別や年代、趣味嗜好などにより、さまざまなニーズが存在します。

製品によっては、非常に多数の顧客数となることもあるでしょう。

一方で、BtoBでは対象が企業となり、扱う製品やサービスは「その企業がビジネスを展開する上で必要なものや、ビジネスを有利に進められるもの」が中心となります。

そのため、対象となる業界が限られることが多く、ターゲットとなる企業の数も自ずと絞られてきます。

購買までにかかる時間が長い

BtoBでの購買は、一般的に検討から購入までにかかる時間が長くなる傾向にあります。

BtoCでは、購入者本人が「欲しい」と思い「買おう」と決めれば、即購入という流れがほとんど。

一部の高額商品などは別として、多くの場合は短期間で購入に至ります。

一方でBtoBでは、ひとりの担当者の気分でポンポンと買い物するわけにはいきません。

後述する「複数人の関わり」や「信頼関係の構築」などの要因により、どうしても時間がかかってしまうのが一般的です。

複数の担当者や決裁者が関わる

BtoBでは「企業としてビジネスに必要なもの」を購入するため、複数の担当者や決裁者が関わるのが普通です。

ある製品が必要になったら、まずは担当者が性能や価格を調べた上で稟議書を上げ、上長の決裁をもらいます。

金額や規模によっては、より上位の役職者の決済が必要になったり、複数の部署で複数の決裁者が関わることもあるでしょう。

あるいは、零細企業などでは、決裁者である社長本人がすべてを担当することもあります。

しかし、どのケースにせよ、企業としてビジネスに必要なものを購入する以上、効果や数字を厳しい目線で検討しつつ、ロジカルに決定することになります。

企業としての信頼関係が必要

BtoCでは、企業やブランドに対する信頼がなくても、「安いから」「おもしろそうだから」「なんとなく欲しいから」などの理由で購入に至るケースは多々あります。

しかしBtoBの場合、企業としての信頼関係が不可欠です。

品質への信頼、支払い関係への信頼、アフターサービスやフォロー体制への信頼など、販売側と購入側のどちらにとっても、互いの信頼関係があることが重要になります。

金額の大きな取引であれば、これらはより大切な要素になるでしょう。

BtoBのWebマーケティングにおける5つの重要ポイント

BtoBとBtoCの違いは理解していただけたでしょうか。

では、その上でBtoBのWebマーケティングはどのように進めるべきか、今回は5つのポイントに絞ってご紹介します。

①ターゲットを明確にする

BtoBのビジネスでは、ターゲットとなる業界などの大枠はすでに明らかになっています。

Webマーケティングの展開にあたっては、さらに細かくターゲットを分類・分析して、「Webマーケティングではどのターゲットにアプローチするのか」を明確にしましょう。

たとえば、同じ業界内であっても、企業によっては「対象製品・サービスがビジネスに与える影響度」はけっして同じではありません。

あるいは、ターゲットの社内において、Webリサーチをする担当者、部下からの提案書や稟議書を判断する役職者など、それぞれが「対象製品・サービスについて持っている知識」にもバラツキがあるでしょう。

いくらBtoBの対象業界や企業が限られているとはいえ、実際の潜在顧客は千差万別。

その中で、どのような層をターゲットにするか明確にしなければ、効果的なWebマーケティングは展開できないのです。

②ターゲットに合わせた複数のタッチポイントと集客

Webマーケティングには、大きく「集客」「接客」「再来訪」の3つのステップがあります。

このうち、最初の集客場所・手法について、先のステップで明確にしたターゲットに合わせることが重要です。

たとえば、対象製品・サービスについてある程度の知識を持っているターゲットであれば、適切な検索キーワードで調査することが考えられるため、SEO対策によるLPの検索順位向上が効果的でしょう。

逆に、対象についてそれほど詳しくないターゲットならば、関連キーワードを幅広く設定したリスティング広告やディスプレイ広告の方が効果的かもしれません。

もちろん、さまざまなチャネルを用意すれば、それだけ多くの集客を見込めますが、当然ながら予算は無限ではありません。

適切なタッチポイントを用意した上で、限られた予算を適切に配分することが重要です。

③離脱を前提に「持ち帰る情報」を提供する良質なコンテンツ

BtoCとBtoBのWebマーケティングにおける大きな違いが「Webサイトからの離脱を前提としているかどうか」という点にあります。

BtoCでは、興味を持ったユーザーをなるべくそのまま購入まで導くことを考えますが、BtoBにはこれは当てはまりません。

調査段階の担当者がひとりで購入を決めることはなく、

  • サイトを離脱し
  • 必要な情報を持ち帰り
  • 社内で検討する

という複数のステップが必要になるのです。

BtoBのWebマーケティングでは、こうしたBtoBならではの購買プロセスを前提とした上で、「持ち帰る情報」となるコンテンツを提供することが必須となります。

④顧客の育成(リードナーチャリング)とそのツール

BtoBの購買では、気分や感情で購入を決めることはありません。

かけた費用に見合うだけの効果があるか、信頼できる購入相手かなどを、あくまでロジカルに判断します。

そのためには、判断材料となる情報は不可欠。

そうした情報を適切なタイミングで提供することで、いったん離脱した見込み客を育成(リードナーチャリング)することが重要です。

たとえば、

  • 競合製品と比較していることを前提に、自社製品のメリットをわかりやすく理解してもらう
  • 実際の利用シーンを明確に思い描いてもらう
  • 導入における不安な点を解消する
  • 社内での提案に利用できる資料を提供する

など、さまざまなアプローチやツール提供によって、より確度の高い見込み客へと育成することができるでしょう。

⑤営業との連携

BtoBのWebマーケティングは、けっしてマーケティングプロセスだけで完結するものはありません。

基本的には営業プロセスと不可分であることを理解し、営業と連携して進めることが肝要です。

とくに規模や金額が大きかったり、複雑な説明が必要な案件では、営業による信頼醸成やクロージングは必須です。

こうした営業プロセスを前提として、従来の営業プロセスのどこに課題があるのか、それらをWebマーケティングでどう解決できるのかという視点を持ちましょう。

また、全体のプロセスの中における役割も明確にする必要があります。

たとえば、単純に「Webマーケティングで見込みを集める」程度にしか考えていないと、確度の低い見込みリストを大量に営業に渡すだけになり、かえって営業効率を下げることになりかねません。

先述したように、育成による確度の向上や絞り込みなども含めて、役割分担や連携方法をしっかりと定めるようにしましょう。

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