ブログやオウンドメディアなどの記事を書くうえで、1つの指標となるのが文字数です。ライターに外注する場合はもちろん、自社で記事を書く場合でも文字数を決めておくと目安にできます。
では、文字数とSEOには関係があるのでしょうか?「文字数の多さがSEOに影響するなら、なるべく文字数を多くしたい」という人もいるかもしれません。
今回はSEOと文字数の関係について、上位表示されているサイトの特徴をふまえながら解説します。
SEOに文字数は関係ある?Googleの見解では…
実はSEOと文字数の関係についてGoogleのキーマン、ジョン・ミューラー氏は「本当にユーザーにとって魅力的なページであれば、長いか短いか、あるいはたくさんの画像があったとしても問題ない」と明言しています。
文字数だけではなく、検索キーワードとの関連性や内容の充実度などを見てページを評価しているんですね。
つまり、Googleの見解としては「文字数が少ないからといって、SEOの評価を下げるようなことはしない」ということです。
実際にあらゆるキーワードで検索してみると、1位のサイトが5000文字の場合もあれば、1000文字にも満たない場合もあります。
それでは、文字数が多い上位サイトと少ない上位サイトでは、それぞれどういった特徴があるのでしょうか?
文字数の多いブログやメディアが上位に来る理由
上位に表示されている個人ブログや企業が運営するメディアなどは、文字数が5000文字や1万文字を超えるものが増えてきました。
こうした文字数の多いページが上位に表示される理由を見ていきましょう。
キーワードが自然と多く含まれている
文字数が長くなるほど、そのページ内に検索キーワードが自然と多く含まれるようになります。
キーワードを羅列するだけではSEOに意味をなさないどころか、Googleからペナルティを受けることもあります。
一方で、きちんと文章が書かれており、そのうえでキーワードが頻出しているのであれば、Googleは「このページはこのキーワードについて詳しく書かれている」と判断し、高い評価をしてくれるのです。
共起語を含みやすい
文字数が多いページには、メインの検索キーワードと関連の強い共起語も多く含んでいる場合があります。
例えば「SEO対策」というメインの検索キーワードに対し、「サイト」や「コンテンツ」、さらに「キーワード」「外部リンク」「内部リンク」など関連性が強く出てくる単語が共起語です。「SEO対策」について書こうと思ったとき、こうした共起語も必然と同じページに頻出することになります。
共起語を含んだページはさらにSEOを強化できます。ただしメインのテーマと関係の薄い共起語を含んでしまうと内容がブレてしまうため、その点には注意しましょう。
網羅性の高いコンテンツになっている
逆説的でもあるのですが、長文だから上位表示されるのではなく、ユーザーのニーズにすべて応えようと思うと、必然的に長文になります。ユーザーのニーズにすべて答えようとすると網羅性も高くなり、結果としてGoogleから高評価を受けて上位表示されるのです。
文字数を中心に置いて考えるのではなく、ニーズ(=検索意図)に答えることを中心に考えることで、コンテンツの質も高まっていくでしょう。
情報量が多いコンテンツはユーザーも「ここに答えがあるかもしれない」と熟読してくれるため滞在時間も伸び、それも高評価を受ける要因の1つとなります。
文字数の少ないサイトが上位に来る理由
一方で、1000文字以下や概要を簡潔に説明しただけのページが上位表示されることもあります。検索者の中には「もっと情報が欲しい」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、こうした文字数の少ないサイトやページが上位に来るのにも理由があるのです。
検索意図に的確に答えられている
例えば「サウンディングとは」というキーワードで検索してみると、こちらの上位サイトの文字数は162文字でした。
しかし内容を見てみると「サウンディングとは」というユーザーの検索意図に対し、簡潔かつ的確に答えているのです。検索したユーザーはしっかり答えを得られたため、検索の目的を果たしています。
このようにたとえ文字数が少ないページであっても、ユーザーが求める情報が必要十分に書かれてあれば上位表示させることは可能です。
複合キーワードに強い
SEO対策では、2語、3語、4語…とキーワードを組み合わせていくほど、検索者が減っていく傾向があります。しかしそれと同時に競合も減るため、上位表示されやすくなるのです。
文字数が少ないページの場合、実は複合キーワードに強いという特徴があります。例えば「太田市 大泉 歯医者」と検索すると、検索結果の1位には歯科医院のホームページがヒットします。
複合キーワードにするほど、ユーザーの検索意図がより具体的に絞られていくのがポイント。具体的な悩みに対して具体的な答えが返ってくれば、網羅性がなくても上位表示できるのです。逆に複合キーワードに対して網羅性の高いコンテンツを作ろうとするほうが難しいかもしれません。
低品質なリンクがなく、高品質のリンクが貼られている
文字数とは関係のない点で言えば、リンクの質も上位表示に大きく関与している可能性があります。外部リンクには関連性の強いサイトからのリンクが貼られていることはもちろん、内部リンクも工夫することで評価を高くできるのです。
例えば「太田 大泉 歯医者」で1位に表示されているサイトのリンクは次の通りです。
- 診療案内
- 各種治療について
- 料金表
- 歯科医師紹介
- アクセス・地図
- お問い合わせ
これらのリンクはどれも「太田市大泉にある歯科医について知りたい」というニーズに応える詳細ページへのリンクのみです。
上位表示において重要な考え方とは
では上位表示するためにはどのような考え方でコンテンツを作ればいいのでしょうか?
SEOの上位表示、つまりGoogleから高評価を受けるための重要な考え方も身に付けておきましょう。
端的な回答と、しっかり解説した回答の違い
文字数が少ないページと文字数が多いページ。これらの違いは、ユーザーの検索意図に対し「端的に回答しているか」、または「しっかり事細かに解説しているか」の違いです。
先ほどの「サウンディングとは」という検索キーワードに関しても、概要からやり方までもう少し掘り下げた答えを書くことはできます。しかしこのページがあるのは不動産情報サイトであり、地盤調査や工事についてはメインの不動産テーマから外れてしまいます。
一方で国土交通省が公開しているサウンディングに関する資料(こちらも「サウンディングとは」で検索して上位に表示されたページだが、意味が異なるもの)では、かなり事細かに解説されています。
ただ単にユーザーの検索意図に応えるだけでなく、サイトのメインテーマから大きく外れないかを検討したうえで、端的に答えるか・しっかり解説するかを決めなければいけません。
スカスカな内容では評価されない
どんなに文字数が多くても、スカスカな内容ではGoogleから高評価をもらえません。回りくどい表現や同じ言い回しを使った文章などだと、やたらと文字数が多くなっただけで、内容が伴っていないためです。
網羅性を狙った記事の場合も同じで、1つの項目に対し内容が薄いと読者はがっかりするでしょう。「〇〇選」系のまとめ記事は人気ですが、気になる項目が詳しく書かれていなければ読者は再検索するしかありません。
文字数を増やすための表現は省き、すっきりとスマートな文章で濃い内容になるように心がけましょう。
文字数よりも読者目線の内容であるかどうか
文字数はSEOに直接的な影響がないことはわかりました。ここでコンテンツを作る側が考えなければいけないのは、文字数よりも読者目線の内容になっているかどうかです。
『Googleが掲げる10の事実』の1つめにはこのように書かれています。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Googleが常にユーザーが使いやすいようにアルゴリズムもアップデートしていることは、日常的に検索エンジンを使っている私たちが実感しているはずです。
この変化についていくためには、コンテンツを作る側も、常に読者目線で質の高いコンテンツを作ることが必要条件となっているのです。
今の上位サイトがSEOの“正解”である
上位表示されているページには1万文字以上もあれば1000文字以下のページもあるため、文字数はSEO対策での指標にはならないかもしれません。
では、何を指標にすればいいのか?それは、実際にそのキーワードで検索し、上位サイトを見ればわかります。上位サイトはGoogleから高く評価されたもの。つまり、SEO対策の“正解”なのです。
どのようなコンテンツを作ればいいのかは、上位サイトから学びましょう。