オウンドメディアを運用する企業が増えてきました。しかし社内のリソース不足していると、継続して運用することは難しいです。
そこで助けになってくれるのが、オウンドメディア運用代行会社。自社の力だけで運用しようとせず、上手に専門家の手を借りることで、運用体制を整えることができます。
しかし、どのオウンドメディア運用代行会社に依頼すればいいのか、そもそもどの業務を依頼すればいいのか迷う方も多いでしょう。
本記事では、オウンドメディア運営代行会社の種類を改めて明確にし、失敗しない選び方をご紹介します。
オウンドメディア運用代行とは?
参入企業が増えたことで、オウンドメディアの競争はますます激化しています。
他のビジネスも持ちながら、オウンドメディアで集客や啓蒙を行っている企業は、運用に割けるリソースやノウハウを持っていないことが多いです。そんな企業がこの過激な競争の中で生存することは難しいでしょう。
オウンドメディア運用代行は、オウンドメディア運用に特化し、リソースもノウハウもない企業を手助けします。社内だけで運用体制を完結させるよりも、代行会社も巻き込んだ運用体制にした方がノウハウとリソースを確保できるのです。
オウンドメディア運用代行会社の種類
オウンドメディア運用代行会社には組織形態や業務内容によっていくつかの種類があります。
Web制作会社
Web制作会社は、オウンドメディアに限らずコーポレートサイト(いわば企業のホームページ)やLP(ランディングページ)の制作も行います。
デザイナー、コーダー、プログラマー、ライターなどのチームを抱えており、サイトの構造から1ページごとの設計まで依頼できます。オウンドメディアでは構築から立ち上げに強いです。
しかしオウンドメディアに特化しているわけではないため、オウンドメディア運営に関する知見があるか確認する必要があるでしょう。
オウンドメディア運用代行会社
オウンドメディアの更新や改善をトータルサポートしてくれる会社です。運用代行に特化した会社もあれば、Web制作会社の中に「オウンドメディア運用代行」としてメニューが加えられていることもあります。
SEOキーワードの選定や記事作成、CMSへの入稿と投稿、修正、分析、レポート作成など、オウンドメディア運用に関する業務をひととおり依頼できます。
しかし、ただ単に更新するだけでは成果を得られません。過去の実績からどれくらい集客できているのかを数字で見せてもらい、自社のオウンドメディアを成長させてくれる器かを見極めましょう。
コンサルティング会社
オウンドメディアやSEOにおけるコンサルティング(相談・アドバイス)を行う会社です。
オウンドメディア運用に関する知見を持っているだけでなく、市場調査を行い、自社に合ったペルソナ設定やカスタマージャーニー作成等を相談できます。またデータ分析をしてもらうことで、継続的にアドバイスをもらうことも可能です。
戦略立案に強い会社ですが、実質的な業務は依頼できないか別途フィーがかかるため注意しましょう。
Webコンテンツ制作会社/編集プロダクション
オウンドメディアに限らずコンテンツを作成する会社です。Webコンテンツ制作会社はWeb周りに特化し、編集プロダクションはWebに限らず紙媒体のコンテンツ作成も可能です。
オウンドメディアの記事コンテンツを大量発注したいときや、取材・執筆を依頼したいときに頼りになります。
SEOやコンテンツマーケティングのノウハウを持っているかの確認は必要です。記事の品質や集客数のデータを見せてもらうと良いでしょう。
オウンドメディア運用はすべて代行会社に任せるべきか
オウンドメディア運用に時間も人材も割けられない場合、オウンドメディアの運用をすべて代行会社に任せたいと考える人もいるでしょう。
しかし自社に知見やノウハウが一切ない状態で丸投げしても、代行会社の提案する戦略への違和感に気付けなかったり、コストをかけているのに成果を感じられなかったりなどの不安要素がついて回ります。
十分な予算があり、どうしてもメインビジネスに集中したい場合はすべて代行会社に任せる道もありますが、必ず窓口を統一しノウハウを吸収するための担当者を配置しましょう。
オウンドメディア運用代行会社の選び方
オウンドメディア運用代行会社の実績や費用を比較することも必要です。しかしその比較段階に入る前に、社内の運用体制や業務を見直す必要があります。
ここでは、失敗しないオウンドメディア運用代行会社の選び方を順番に見ていきましょう。
オウンドメディア運用に関する業務を棚卸しする
まずは社内で行っている業務を棚卸ししてみましょう。たとえばオウンドメディア運用に関する業務には、以下があります。
- 市場調査
- コンセプト決定
- 戦略立案
- サイト構造設計
- サイトデザイン
- SEOキーワード選定
- 記事企画
- 記事構成案作成
- 取材・調査・資料集め
- 記事執筆
- 校正・校閲
- CMSに入稿・投稿
- マネジメント、進行管理
- アクセス解析
- 解析レポート
- 効果測定・改善
- 過去コンテンツの改善
- 方向性の見直し
上記は一例ですが、筆者が思いつく限り書き出しただけでも、かなり多くの業務があることがわかります。
この後に分類の作業が待っているので、一つひとつの業務をなるべく細かく書き出すことがポイントです。
内製化する業務・外注する業務を分類する
続いて、上記で書き出した業務を「内製化」と「外注」の2つに分類していきます。
分類方法にもいくつかあります。
【自社で方向性を決めたい】
内製化=ノウハウを蓄積する業務や戦略・戦術を練る業務(コンセプト決定、戦略立案、SEOキーワード選定、効果測定・改善など)
外注=コンテンツの更新や単純作業(記事執筆、CMS入稿、解析レポート作成など)
【専門家の意見を仰ぎたい】
内製化=方向性を決め、戦略に則って運用していく業務(コンセプト設定、SEOキーワード選出、記事企画、進行管理など)
外注①=オウンドメディアに合った戦略を考える業務(戦略立案、サイト構造設計、効果測定・改善など)
外注②=コンテンツの更新や単純作業(記事執筆、CMS入稿、解析レポート作成など)
リソースがない企業の場合「社内でできそうな業務=内製化」と「社内ではリソースが足りない業務=外注」で切り分けたくなるもの。
しかし社内でできそうだからといって単純作業ばかり内製化してもノウハウは身に付かず、コンテンツマーケティングの知識が未熟な状態で記事作成をしても思ったような成果は出ません。
場合によっては外注先を分けたり、外注先と二人三脚で進んでいけるような分類など、柔軟に考えていきましょう。
外注する業務が得意な代行会社を選ぶ
内製化する業務と外注する業務を切り分けられたら、次に外注する業務が得意な代行会社を選びましょう。ここでは、依頼したい内容に適した代行会社選びの一例を紹介します。
記事制作だけ依頼したい
オウンドメディア運用の要はなんといっても定期的なコンテンツの更新です。しかも数ヶ月、数年単位で更新を続けてはじめて効果が見えてくるもの。
コンテンツの作成や更新が一番手間のかかる業務のため、運用代行会社に依頼するのが正しいでしょう。
コンテンツ・記事制作に強い運営代行会社は、「Webコンテンツ制作会社」や「編集プロダクション」です。記事執筆だけでなく、取材や企画、SEOキーワード選定も依頼できる場合があります。
作業的な業務全般を依頼したい
作業的な業務であれば、外注するよりも社内のバイトにでも任せた方がコスパが良いと考えるかもしれません。
しかし実は逆で、しっかりと知見のある運用代行会社に外注した方が高クオリティなコンテンツができ、オウンドメディア運用をより効率化し、成果を出すまでのスピードがぐんと早くなるのです。
作業的な業務としてキーワードのピックアップや記事作成、入稿・編集、レポート作成などを「オウンドメディア運用代行会社」に依頼してみましょう。
逆に解析・分析や戦略立案、記事企画の立案など、オウンドメディアの方向性を決める業務を内製化しましょう。
立ち上げから運用開始まで依頼したい
これからオウンドメディアを立ち上げる企業は、もしかしたら右も左もわからない状態かもしれません。サイト立ち上げというと難しいイメージを持っている人も多いでしょう。
そこで「Web制作会社」に、オウンドメディアの立ち上げから運用開始までを手伝ってもらいましょう。
オウンドメディアの制作実績がある会社であれば、適切なサイト構造を考えたり、ターゲットに合ったサイトデザインをしてもらえたりと、安心して依頼できます。
運用ノウハウもゼロで方向性も決められない場合、別途「コンサルティング会社」に立ち上げ時のコンサルを依頼してみても良いかもしれません。
方向性の確認や戦略を相談したい
ある程度オウンドメディア運用が進むと、必ず停滞期がやって来るもの。引き続きコンテンツを更新していくことも大切ですが、そもそも進むべき方向性が間違っているとさらなる成長は見込めません。
もし方向性に不安を感じたり、新たな戦略が必要になったりしたときには「コンサルティング会社」に相談してみましょう。
オウンドメディアのアクセス解析レポートや効果測定レポートを見せると、そのオウンドメディアに合ったアドバイスをもらえます。
単発的な相談よりも、半年以上の長期で見てもらうのがおすすめ。長期スパンの方が変化がわかりやすく、より精密な戦略を立てやすいためです。
オウンドメディア運用を加速させる運用体制に軌道修正
オウンドメディア運用代行会社には、将来を見据えて外注することをおすすめします。
Googleの検索アルゴリズムをはじめとして、Webの変化はとても早い時代になっています。そんな時代で同じ運用体制を一生続けるのは良くありません。少しずつノウハウを蓄積し、より効率的で成果の出やすい運用体制に軌道修正していく必要があります。
たとえばリソースがないから外注していた記事企画や記事作成は、社内の体制が整ったら内製化も検討しましょう。自社商品や自社の魅力をよく知っているのは社内のスタッフですから、外注先よりも魅力的なコンテンツを作れるかもしれません。
またサイトデザインやカスタマイズなど、社内ではどうしても理想通りのものができないときには、思い切って外注した方が良いでしょう。
同じ運用体制に縛られずに、オウンドメディア運用を加速させる運用体制に軌道修正していきましょう。
オウンドメディア運用代行会社は賢く選ぼう!
オウンドメディア運用には時間もコストもかかります。コストをかけるのを渋ったり、ゴールが明確じゃないのにコストをかけすぎたりと、中途半端な運用体制のせいで閉鎖したオウンドメディアも多いです。
継続的に運用し成果を出すためには、まず内製する業務・外注する業務を明確化することが重要。そのうえで、オウンドメディア運用代行会社を賢く選びましょう。